わんだふるはうす、パティシエ・シマに行く

ココ・カラメル

あるケーキは、どんなもので組み立てられているのかというと、まずは、型の側面に2色のビスキュイ・ア・ラ・キュイエールを貼り付け、底にもココアのビスキュイを詰めます。カラメルのムースとココナッツのムースが重ねられて土台になります。そして、表面にはピストレでチョコレートを吹きつけて、ジュレを流し、チョコレートをリボン状にしたものを散らして出来上がり! ピストレとは、チョコレートにカカオバターを加えた柔らかいチョコレート液をケーキの表面に霧状に噴きつける機械で、スプレーガンのようなもの。こんな大変な作業を、パティシエは、いとも簡単に短時間で仕上げてしまうのです。パティシエは、ある意味マジシャンに近いかも…。2007年9月初旬の暑い日、ルコント時代からの顧客をはじめ、遠方から訪れるフランス菓子ファンを惹き付けてやまない島田進さんのお店「パティシエ・シマ」をワンダフルハウスが訪ね、ココナッツとカラメルのムースを重ねたシャルロット「ココ・カラメル」と、オーベルニュ地方にある山から名付けた、パンプルムースを使った夏向けの爽やかなお菓子「パルム・ローザ」を創っていただきました。

今日はココ・カラメルの他に、もう1つ創作プチガトーをオーダーしてあるのです。ひょっとしたら、余分に作って店に並べてあるかもしれません。「こんにちは!(^O^)/ 予約していたケーキを受け取りに来ました
「おおっ!(^O^)\」
ありました!\(^○^)/ この「パルム・ローザ」は、WONDERFUL HOUSEがオーダーしたものです。  おおっ!(^O^)\ 先週試食させていただいたお米のプリン「リ・オ・レ」が、ココットに入れられて「リ・アンペラトリス」という名前で早くも商品化されています。
まだ9月になったばかりだというのに、秋を感じさせる商品が…かぼちゃのプリンもください! ビジューのプチガトーと…
ビジューのアントルメとシャルロット・オ・ポワールのアントルメもください!
ワンダフルハウスは、パルム・ローザを10個注文したのでした。9個は持ち帰って、1個はラトリエ・ド・シマで食べていきましょう。 ケーキとプリンがラトリエ・ド・シマに運ばれてきました。
「パルム・ローザ Parme Rosa」(特注品 420円) 1990年代初め頃、島田シェフがシェ・シーマ時代に創作したプチガトー。1998年にパティシエ・シマを開店してからも、夏の間は店頭に並んでいましたが、ここ数年は見かけませんでした。わずか1日だけの復活です。
オーベルニュ地方にある山から名づけた、グレープフルーツを使った夏向けの爽やかなお菓子です。
写真では白く見えますが、淡いピンク色に染めて、涼しそうに仕上げてあります。
それでは、いただきます!
 
土台は、ビスキュイ・ジョコンド。その上にグレープフルーツのムース。ムースの中にもビスキュイと、コアントローに漬け込んで風味をつけたグレープフルーツの櫛切りを混ぜます。ムースには新鮮な果汁をたっぷり使っているので低カロリー。側面はホワイト・チョコレートで飾ってあります。
先週 今週
ワンダフルハウスが先週試食させていただいたRiz au lait(リオレ)は、早くも今週「リ・アンペラトリス Riz Imperatrice」という名で商品化されたのでした。
フランス西部メーネ・ロワール県の県庁所在地であるアンジェで、おめでたい日に食べる地方菓子「リ・オ・レ Riz au lait」。「Riz」は米、「lait」は牛乳 。お米を牛乳と砂糖で甘く煮たもので、ショコラを加えたりすることもあります。フランスでは3つ星レストランのデセールに出たり、スーパーのヨーグルト売り場でも売っています。島田シェフのこの試作品はフランボワーズ・ソースもかかっていて、かなりの高級品といえます。
リ・アンペラトリス Riz Imperatrice」(420円)クレーム・ブリュレと同じように、ココット型に詰めることによって、持ち帰りのできるお菓子に生まれ変わりました。
19世紀、ナポレオン帝政時代に作られたフランスの有名なデザート「リ・ア・ランペラトリス Riz al'Imperatrice」(女王風ライスプディング)「アンペラトリス Imperatrice」はフランス語で「女帝、皇后」の意味。ナポレオン・ボナパルトの最初の妻だった皇后ジョゼフィーヌが愛したお菓子です。
プディングの中にお米のつぶつぶ感が…米をデザートに使用するのは日本人には馴染まないのを計算して、米の量は控えめになっています。フランスでは米を肉や魚の付け合わせとして食べますが、このようにデザートに使うこともあるのです。
食べ進むと、ほんのりと洋酒の風味が(^Q^) ラム酒に漬け込んだドレンチェリーとオレンジピールを刻んだものが入っていました。
「かぼちゃのプリン Pudding au Potiron」(420円)かぼちゃたっぷり、濃厚な舌触り(^Q^)が特徴で、幸せな気分になれるプリンです。
おおっ!?(^O^)\ 上に乗っている飾りは?
カボチャのマジパン細工です!\(^○^)/
マジパンは、フランスではお菓子の材料としてケーキの台に加えられたりします。可塑性があって、粘土細工のいろいろな形を作ることもできるので、このように着色料で染められて、様々なマジパン細工が作られています。ヨーロッパのお菓子屋さんでは、動物や野菜や果物など、工夫を凝らした楽しいマジパン細工が店先に並んでいます。それらはお祭りやお祝いの時、華やかさや陽気さを添えるためテーブルに飾られ、楽しまれています。
ほっくりとした南瓜にカラメルの苦味と生クリームがマッチしています!(^Q^)
マジパンは、アーモンドに煮詰めたシロップを加え、糖化させたものを細かく砕いてペースト状にしたもの。製菓材料店で手に入ります。粘土細工のように着色して、動物や野菜や果物などを作ることができます。
「ビジュー Bijoux」(472円)フランス語で「宝石」の意味を持つビジュー。宝石のように繊細で気品あるプチガトーの登場です。
表面全体に付着している白い粉は「ピストレ・ショコラ」といって、カカオバターとホワイトチョコレートを混ぜたものを全体に吹き付けてあります。おおっ!(^O^)\ 透明でキラキラ光る水滴のようなものが…まるで宝石のように綺麗です!\(^○^)/
ピストレがけした表面に水滴のように絞り出されたものは、「レディフルーツミラー」といって、加熱しないで使える無色透明のナパージュです。ナパージュはケーキに艶をつけたり、空気に触れて乾燥するのを防ぐために塗る素材。
中身はババロア・ショコラブラン。ホワイトチョコレートのムースです。島田シェフは、ミルクの美味しさが決め手になるホワイトチョコレートには、酪農王国スイスに絶体の信頼をおき、なめらかな口当たり(^Q^)のスイス・スシャール製を使用されてるそうです。
底からビスキュイ・ダマンド↑プラリネ・フイヤンティーヌ↑ババロア・ショコラブラン↑フランボワーズのクリーゼリー↑ババロア・ショコラブラン↑ビスキュイ・ダマンド↑ババロア・ショコラブラン↑ピストレ・ショコラ。上に埋まっている赤い粒はフリーズドライのフランボワーズ。
パティシエ・シマのビジュー・リレーは、プチガトーからアントルメにたすきが渡されました。
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