第一回「高校生からの中国語」ワークショップ報告(’03.11.16)
出席者:内山、胡、周、高木、水口、山崎、山田
1.各高校教員による教材を使った授業の現状報告
内山:
○週2回授業(2年間で一冊終了の予定)
○教材は絵が大きいので生徒は親しみやすいようである。
○第二週あたりからピンインが理解されているように思う。ピンインが大きいので発音しやすいようだ。
○ヒヤリングを重視しており、同時に声を出して読むことで暗記させている。丸暗記はしやすい。ただ応用できるかどうかという点は不明。状況を想像して応用につなげられるかどうかというような練習の仕方は現状の教材に欠けている点かも。
○教科書自体のピンインと漢字の関連付けはよいと思うが、日本語から中国語に訳した場合に書けないことが多い。意味がわかってもかけない、或いは言えても意味がわかっていない。
○ロールカードはうまく使えていない。実際第1課、第2課では使用してみたが以後は使っていない。「会話に挑戦」を丸暗記させ、各自の内容に置き換えさせている。
周:週1回(現在第6課)
○暗記に有効な教材(センテンスが短い/内容が身近である)。
○発音部分の声調練習の組み合わせなど効果的で、使いやすい。中国語のリズムへの理解を早めている。
○ロールカードはあまり使わない。
○否定形が少ない、或いは教材での登場が遅い。
山田:週4回(2時間続き)チームティーチング方式
○使いやすい。
○漢字を比較的早く導入し、聞き取った音の意味の理解として書かせている。
○日本人教師はピンイン重視、中国人教師は漢字重視の傾向にある。カタカナは使わせない。
○授業の段取りに「応用1」「応用2」という段階を設けているが、ロールカードはその部分の練習として非常に活用している。
○中国語の導入としてこの教科書の内容量は適当と思われる。
○4単位で丁度こなせるのでは?
○発音段階でフラッシュカードのようなものは使用しない。かつて使用したが、あまり効果的ではなかった。応用会話においては模造紙大の図などを利用することも。→補助教材として、カードの提供を検討。大きさはB4/A4…
○この教材の具体的使用方法:
1)本文の朗読(ネイティブ)
2)単語・文法の解説(日本人):文法の解説は簡単かつ実践的にする。応用して作文させることも。
3)学生が1行ずつ声に出して読む:発音矯正にあてる。
4)ペアレッスン(10人を5グループに):発音矯正
発表(教材を見ながらだったり、暗記させてしまったり)
5)ペアレッスンから発展して各自の状況に応じた自由会話へ:単語や表現などを適宜補充してやる(「覚えよう」以降の項目が含まれている形になる←教材の「覚えよう」以降の応用部分はあえて時間をかけて説明したりしない)。
○ホームワークは出さない(テスト前の学習は除く)。
○板書は説明の必要に応じて。内容が複雑であれば口頭説明だけでなく、筆記を取り入れる。
○応用に力を入れているので、ロールカードやそこからの発展における表現や文法事項、単語の補充・追加に積極的。
山崎:教育実習生として週2回(第10課)
○高校だけでなく社会人、赴任者に教授するが、ピンインが大きいのは年長者にとって見やすくてよい。
○教材の中の絵(「覚えよう」部分)を利用して、拡大コピーし、フラッシュカードとして絵を見ての会話練習を実施(教科書から目を上げさせるため)。
○単語の品詞があったほうがいいのでは?(習った単語を活用して新しい課のポイントを単語の置き換えによって練習させるにあたり、意味だけでなく品詞もあるほうが便利)
2.教材に対する要望など
○第3声の声調符合が本来のピンイン表記のままでは捕らえにくく「高校中国語」ではその点を考慮した表記にしているが、その点について改める方向は?
○r化が非常に多いように思われる。
○CD化していない部分のCD化は望めるのか?特に発音部分については必要。→胡先生、岩井先生にボランティアでの作成を依頼→実費購入をしてもらう方向でどうか?
○第8課(p52〜p53)の練習はもう少し複雑でよい。単語の置き換えだけの練習にはもう一工夫必要。
○コンピューター用語や内容が無い。単語の紹介や、サイトの紹介を通じて、中国のネットにアクセスしてみるきっかけや興味を覚えさせたい。
→外来語の発展として単語を扱い、コラムの外来語の内容を差し替えられるか検討。