6.イケム 1922



Ch. d'Yquem 1922。

これは自分で買ったワインではありません。ある旧家の蔵を壊した時に出てきたそうです。ほんの一口味あわせて頂きました。色は黄金色で、マディラ化しつつあったけれど、しっかり生きていました。すごくびっくりしたのを覚えています。この後に18年ぐらいたったイケムを飲んだのですが、とても若々しい感じがしました。少女のようなはつらつとしたイケムでした。イケムはすごく偉大なワインです。いつも時間という感動を与えてくれ、哲学させてくれるワインです。

手吹きらしいボトルがなんともいえずすてきです。時代を感じさせます。このワインが購入されたのは1920年代の後半から1930年代ではないかと思われます。戦前の日本でこんなワインを買うことができるのはそれなりの人だったとおもわれます。このワインが過ごしてきた歴史を、ワインを一口含んで思い巡らしています。