旭岳

 

2009917日 晴れ

 

秋が始まるといち早く大雪山から紅葉の便りが届く。山頂からふもとを目がけて下りてくる紅葉情報が新聞やテレビで連日のように報じられると、もうどうしようもなく心が落ち着かなくなる。紅葉を見なくても別に困ることもないのだが、あの大雪山の紅葉を一度でも目にしたら、その艶やかな山肌を見ないで秋をやり過ごすことなどとても出来ないのだ。

そんな誘惑に駆られて旭岳へ出掛けた。目指すのは裾合平の紅葉。しかし自分としては還暦後の初登山。ここはひとつ記念のために北海道の最高峰を登っておきたい。そんなことで旭岳から熊ケ岳、間宮岳を通り、中岳分岐から裾合平に下りるコースを選んだ。

歩行時間は約7時間。難しいところもない初級コースだが、天候の急変だけには注意して十分な防寒装備をしてスタートした。天気予報通りのすこぶる付きの快晴に心は浮き浮き、足取りも軽く旭岳の山頂に立った。お鉢平を見ながら稜線を歩き、中岳分岐からは目の前に広がる裾合平の紅葉を堪能しながらロープウェイ姿見駅に戻った。

帰りは東川町にある「森のゆ花神楽」で汗を流した。露天風呂からは大雪山が一望できる立派な温泉施設だった。ちなみに入浴料は600円だった。

 

 

 

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この季節お約束の定番写真。紅葉したチングルマの葉に霜が降りて白い縁取りを作っていた。

 

 

 

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鏡のような姿見の池。水面に映る旭岳を撮ろうと、多くのカメラマンが三脚を立てていた。

 

 

 

 

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もうもうと水蒸気を噴出する地獄谷。わずかだが硫黄の臭いが漂ってくる。左下は姿見の池。

 

 

 

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登っている途中右手を見ると、この夏悲劇の山となったトムラウシ山(左奥)が見える。右奥は十勝連峰。

 

 

 

 

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山頂から黒岳方向を見る。手前に熊ケ岳と噴火口跡、左に北鎮岳、右奥に烏帽子岳が見える。

 

 

 

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還暦後の初登山。正直、還暦の言葉はあまり嬉しくないが、山登りできる健康体を嬉しく思う。

 

 

 

 

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旭岳の裏側を下りて熊ケ岳へ向かう。振り返ると新雪が旭岳の雨裂に残ってスジ状の模様を作り出している。

 

 

 

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標識がないとどこが山頂だか分からない間宮岳からお鉢平を見る。左奥は凌雲岳、雲に包まれた右奥は黒岳。

 

 

 

 

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中岳分岐から北鎮岳を見る。左奥は鋸岳。ここら辺りは風の通り道のようで、荒涼たる風景が印象的だ。

 

 

 

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中岳分岐から比布岳(右)と安足間岳(左)を見る。この背後には愛別岳があり、火山性の複雑な地形となっている。

 

 

 

 

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中岳分岐から裾合平に向かう。目に飛び込んでくる紅葉の色付きは遠目に見ても美しい。

 

 

 

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中岳温泉が近くなると裾合平の紅葉分布がはっきりしてくる。赤と黄色と緑のパッチワーク。素晴らしい!

 

 

 

 

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熊ケ岳のすそ野の紅葉と眼下に見える中岳温泉。大勢の登山者が温泉に接近中だ。

 

 

 

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中岳温泉の湯つぼでは多くの登山者が「足湯」を楽しんでいた。これを見ながらこんな風景を思い出していた。

http://www5a.biglobe.ne.jp/~yahho/omosirohanasi.htm

 

 

 

 

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これも定番の風景写真。裾合平の群生するチングルマ。紅葉した葉の上で揺らぐ白い綿毛が美しい。

 

 

 

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裾合分岐の休憩ベンチで昼食をとる登山者。いや、半数以上はカメラマンと言うべきだろう。みな立派な一眼レフカメラを手に携えていた。

 

 

 

 

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姿見駅へ戻る途中の登山道脇にも美しい光景が広がっていた。まるでルノアールのパレットのよう。

 

 

 

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すっかり色付く秋を堪能させてくれた旭岳に感謝しながら山を下りた。今年の紅葉は本当に美しい!

 

 

 

 

 

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