山での面白いお話し

 

山で見たり聞いたり体験したりすることの中に、思わず笑ったり驚いたり心配したりすることがあります。中には信じられないような話しもあります。それらを思いつくままに書いてみました。

 

 

   焦ったのなんのって! コインロッカーからすべての荷物が消えてしまった2006年)

     親切心がアダになってしまった。近道が迷い道に。 

  悟空驚異の耐久縦走記録 富良野岳〜トムラウシ山〜旭岳 24時間!!

 

 

 

   旭岳で監視員のおじさんから聞いたチョー信じられない!話。1990年)

 

nakadakeonnsenn天然の露天風呂「中岳温泉」で汗を流す。いい湯だな、ア・アハン♪

 ロープウェイの最終便が姿見駅に着くと、普段着姿の若者が下り立ったそうです。 手には小さな旅行バッグひとつ。そのままスタスタと裾合平方向へ歩き始めたそうです。

監視員のおじさんが心配になり、これからどこへ行かれるのですかと聞くと、若者は何事も無いように「中岳温泉に泊まります」と答えたそうです。

監視員のおじさんが「そこは天然の露天風呂があるだけで旅館などはありませんよ」と言うと、若者はたいそう驚いたそうです。

はたしてどんなガイドマップを見て来たのでしょうか。もしお鉢平にある「有毒温泉」に泊まるつもりだったらどうなるのかと思うと、背筋がぞっとしませんか。

 

   高根ヶ原をマウンテン・バイクで走覇した青年。1990年) 

 

akadake赤岳で青年の自転車と記念撮影! 

ニペソツ山を登った帰りに、銀泉台から赤岳へ登り、白雲避難小屋に泊まりました。ちょうど夏山シーズンで小屋は満員状態でした。

2階で隣り合わせた青年と夕食を食べながら談笑すると、何と彼は沼の原からマウンテン・バイクで来たと教えてくれました。何でも以前、大雪山に来た友人から「高根ヶ原は平らだ」と聞かされたようでした。まあ確かに5万分の1の地図では平らですが・・・。

その言葉を信じた青年は、ほとんどマウンテン・バイクに乗ることが出来ないで担いで来たそうです。沼の原から五色が原への登りや忠別岳への登りなどはマウンテン・バイクを上げてから、また引き返してザックを上げたと言います。

翌朝、もう疲れたので銀泉台へ下りると言い出しました。私も銀泉台に下りる予定なので重そうな彼のザックと交換することを提案しました。彼のザックを担いでみて驚いたのはその重さ、私のザックの2倍以上はありました。

結局彼は一度もマウンテン・バイクに乗ることが出来ないで山を下りました。

 

大雪山の山中で自転車を見たのは、後にも先にもこの時だけでした。ああ青春のなんと素晴らしきことよ!

 

   大雪山でけんかの夫婦。これからどうするの。1992年) 

 

aizannkei安足間岳へ向かう途中でパチリ。 

黒岳から愛山渓温泉に下りる時のことでした。山はうっすらと雪化粧をまとって、それはもう美しい景観でした。北鎮岳から比布岳をまわり、安足間岳に着いた時のことです。夫婦と思われる二人連れが言い争いをしていました。女性の方がえらい剣幕で怒っています。その内容をちらっと盗み聞きした感じでは、どうしてこんなひどい(険しい?)ところに連れて来たんだということらしいのです。確かに愛山渓温泉からの登りは結構きつく、慣れた人でも息が上がります。多分、男性は大雪山の素晴らしさを見せたくて連れて来たのだと思います。しかしコース選択に無理があったのでしょう。必死になだめる男性の背中には、女性の2倍のザックがあります。時間は夕暮れ近く。これから黒岳まで女性をなだめすかして歩かなければならないと思うと、ちょぴり男性が気の毒になりました。あれから楽しく山を下りたのでしょうか。

 

   恐怖の小屋泊まり・富士見小屋 1991年) 

 

金峰山、みずがき山と奇岩で有名な山に登った時のことです。まずは金峰山に登り、翌日は奇岩で有名なみずがき山に登るつもりで無人の富士見小屋に泊まることにしました。木造の古びた山小屋です。奥秩父にはこういった古びた山小屋が多いそうです。夜になっても誰も来ません。一人っきりの夜になりました。月も無く真っ暗闇の世界です。シュラフに入って寝ようとすると、なにやら人の気配がします。誰かが来たのかと思って小屋の外を見ますが誰もいません。それでも人の気配を感じるので寝付くことができません。動物とは違う気配でじっと見つめられている感じがします。結局寝付いたのは夜も明ける頃。睡眠不足でみずがき山に登りました。以前、富士見小屋で管理人が女性登山者を殺した事件があったと聞いたのは、それからずっと後のことでした。無気味な気配とは関係ないと思いますが、どうなんでしょう。チョット怖い体験でした。 

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恐怖の富士見小屋               金峰山・山頂にて

  

   上には上がいるものです。空沼岳で見ました。 

札幌近郊にある空沼岳。大小いくつかの沼をかかえて高い人気を誇っています。四季を問わず登山者の姿があります。若い頃、労働組合のレクリェーション(古いかな?)でジンギスカン鍋を抱えてみんなで登りました。ほとんどが運動靴(スニーカー)を履いていましたが、何を勘違いしたのかビーチサンダルで来た者がいました。他の登山者からは驚かれたり、山を舐めていると白い目で見られました。

それから数年後のことです。空沼岳登山中、万計沼を過ぎたあたりで下から数人のグループが登ってきました。驚いたことにその内の男女2名が素足だったのです。思わず「痛くないのですか」と聞いてしまいました。笹を刈り込んだ道など、どうやって歩くのでしょうか。足裏健康法などというものを実践していたのかも知れません。しかし、上には上がいるものだと思いました。

 

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