烏帽子岳1109.7m)神威岳983m

 

20101022日 快晴  百松沢林道コース

 

 

札幌から定山渓方向に向かう時、木の切り株のような見える神威岳の奥にある烏帽子岳を登ってきた。
 神威岳直下の分岐点から烏帽子岳に続く痩せ尾根上の縦走路を大きく下り、今度は最低コルから息を切らしながら急な登山道を登った。眼下に見える神威岳を楽しみながら、やっと念願叶った烏帽子岳山頂で至福のひと時を過ごした。

歩行タイム(休憩時間含む)

 

登り・3時間35分 登山口ゲート〜50分〜林道終点〜1時間45分〜烏帽子分岐〜1時間〜山頂

下り・2時間45分 山頂〜40分〜烏帽子分岐〜1時間15分〜林道終点〜50分〜登山口ゲート

 

神威岳までの記録はこちらをクリック

 

 

 

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札幌から定山渓方面に車を走らせ、「小金湯温泉」近くまで来ると右奥に木の切り株のような形をし、頂上部が岩塔になっている神威岳が見える。その北奥には神主がかぶる烏帽子に似た烏帽子岳が鎮座している。

神威岳には何度か登ったが、烏帽子岳は登山道が不明瞭なこともあって、札幌近郊の未踏の山として残っていた。しかし近年登山道も整備され、多くの登山報告もあることから、好天に恵まれたのを幸いに挑戦してみた。

 

 

 

 

 

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小金湯温泉を過ぎて程なく右手に豊平川に架かる百松橋が見えてくる。ちょうど国道の拡張工事で橋は見えにくかったが、「百松橋」のバス停が目印になって通り過ぎることなく渡ることができた。

橋の上から豊平川を覗き込むと、紅葉が始まりだした木々に囲まれて、静かに流れて行く水面が見えた。百松橋を渡ると右手に入林届けポスト(小屋)があり、そのすぐ先は車止めゲートのある登山口になっている。登山口には広い駐車場と仮設トイレがある。

 

 

 

 

 

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車止めゲートからは朝日が湖面に反射して眩しい「砥山ダム」を右手に見ながら林道を歩く。つまらないと思える林道歩きでも、周囲に目を凝らせば楽しい物に出合うことが出来る。岩肌に根を張った木や、岩を裂いて流れる渓流などは見ていても飽きない。

林道を15分ほど歩くと左手に短絡路に入る標識が見えてくる。手入れの行き届いた短絡路を歩くと再び林道に出る。さらに林道を歩くと道は終わり、やっと本来の登山道入り口となる。雨で崩壊した小沢からトドマツ林へと入り、ここから本格的な山歩きが始まる。
 20分ほどでまた沢が現れるので、対岸に設けられたロープを使って崖を登る。ここから尾根を目指しての長い登りになる。葉の落ちた木々の間からは岩をまとった神威岳の岩塔が見える。

 

 

 

 

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息を整えながら急な登りを終えると、今度はなだらかな尾根歩きとなる。右奥には常に神威岳が見えて楽しい歩きが出来る所なのだが、近年、何度も熊出没情報が出されている場所だけに緊張しながら歩く。「巌望台」からは木々に囲まれ、岩塔のイメージなくなった神威岳望まれる。

 

 

 

 

 

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神威岳山頂部の岩塔真下まで来て上を見上げると、そこにはヨーロッパ中世時代の城門を思わせる風景があった。笹の多い急坂を登ると烏帽子岳分岐の真下にロープが設置された小さな岩場が現れる。ここの岩は湿気で滑ることもあり、ちょっとしたロッククライミング気分を楽しませてくれる。

 

 

 

 

 

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神威岳が近くなると左手に三つの峰からなる定山渓天狗岳、そしてその奥に余市岳の雄姿が望まれる。小さな文字で書かれた烏帽子岳分岐の標識から神威岳山頂へは2〜3分。神威岳は帰りに寄ることにして烏帽子岳を目指す。

 

 

 

 

 

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烏帽子岳分岐からは痩せ尾根につけられた急な登山道を下る。縦走路の最低コルからはこれから向かう烏帽子岳の東端の裸地斜面が見える。最低コルは標高880mだから、烏帽子岳山頂までは230mの登り返しとなる。精神的にも体力的にも一番きつい所だ。

 

 

 

 

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コルからは息を切らしながらの登りが続く。灌木の中を登って行くと小さなガレ場に出て、見晴らしが良くなる。遠くから裸地斜面に見えた辺りだろう。そろそろ山頂は近い。右手には百松沢山が双耳峰のように見え、右奥には札幌市街が遠くまで広がっているのが望まれる。

 

 

 

 

 

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急斜面を登り切った所は烏帽子岳の東端で、山頂までは笹に覆われた平坦な登山道を歩く。笹は近年刈り払いが行われたようで、歩き易くなっている。登って来た方向を振り返ると木の切り株のような姿をした神威岳と、縦走路の痩せ尾根が見える。潅木の間から北側を見ると、テレビ塔の林立する手稲山が望まれる。

 

 

 



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しばらく平坦な山頂稜線を歩いて、笹道の切れた所が山頂標識と三等三角点のある頂上である。
頂上標識は札幌近郊の山でお馴染みの「峯風」作で、裏に短歌が書かれている。反対側には従来からの古い山頂標識も残っている。

眺望は北側が潅木に覆われているため定山渓方面しか見えない。眼下にさっぽろ湖や定山渓温泉街が見え、右奥には無意根山、その背後には羊蹄山の山頂部分が見えている。山頂からは支笏湖周辺の樽前山、風不死岳、漁岳、徳舜・ホロホロ山、近くには、空沼岳、札幌岳、百松沢山、八剣山などが望まれる。

山頂よりも眺望が良いガレ場近くまで戻って昼食をとり、しばしの間展望を楽しみながら至福の時間を過ごす。

 

 

 

 

 

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帰りに神威岳に寄って写真を撮り、ほぼノンストップで下山した。この時期になると陽の陰りも早く、見る見るうちに山の中は薄暗くなってくるようだ。帰りのフィナーレを飾ってくれたのは夕暮れの陽を浴びて黄金色に輝く「砥山ダム」の光景。風もなく、鏡のようになった湖面に紅くなり始めた山すそが映っていた。
 いつものように小金湯温泉「まつの湯」で汗を流す。上がった後も汗が止まらないほど身体が温まる泉質にいつも驚かされる。これで500円とは今時ありがたい温泉だ。汗が引くのを待ってから帰路についた。

 

 

 

 

 

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烏帽子岳山頂                   神威岳山頂

 

 

 

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