神居尻山   946.7m

 

20131029日 晴れのち曇りのち小雨

 

 

登り・2時間45分(Aコース・休憩時間含む)

下り・1時間20分(Bコース・休憩時間含む)

 

残雪の神居尻山   初秋の神居尻山

 

kamuisiriyama gps jp

 

GPSトラックログ(赤線のみ)

 

赤線=登り(Aコース) 青線=下り(Bコース) 黄線=車道歩き

 

 

 

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 神居尻山へ向かう途中にある「当別ダム湖」と、その周囲の紅葉。広葉樹が多く、水辺は暖かい秋色に包まれていた。

 

 

 

 

 

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道民の森・神居尻地区の施設内にある登山口。Aコースは山頂まで5.9kmと、3つあるコースの中でいちばん長い。その分アップダウンは多いが、急斜面の登りが少ない。また天候が良ければ黄金山や増毛の山並みを眺めながら歩く楽しみがある。

登山者名簿を置いてあるボックス横に、1018日、Aコース途中に熊が出没した(登山道にフン)との注意書きが貼り出されていた。今にも襲い掛かって来そうな熊のイラストが怖い!

 

 

 

 

 

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Aコース登山口をスタートしてすぐに緩い登りが始まる。明るい登山道に秋色に色付いた木々が映える。あの熊情報さえなければルンルン気分で歩けるのだが・・・。

 

 

 

 

 

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葉を落とした木立のずっと先に見えるのが神居尻山。Aコースはいちばん外側の尾根を巻くよう登るのだから、山頂はまだまだ遠い。

少し日が蔭って薄暗くなると、茂ったササの中から熊が出てきそうで怖い。用心のために熊避け鈴2個をザックから外してポールに付け替える。これで少し鈴の鳴り具合が良くなった気がする。

 

 

 

 

 

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Aコースは神居尻山を取り囲む尾根上を時計回りに登るのだが、意外と小さなアップダウンが多い。

2ヶ所ある急斜面には丸木で作られた階段が延々と延びている。写真では緩い斜面にしか見えないが、ロープも設置された30度以上の急斜面だ。一気に登ると心臓の鼓動音が聞えて来る。

 

 

 

 

 

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 急斜面を登り切ると明るい尾根上に出る。休憩広場にベンチもあるが、雪の重みで朽ち果てている。

 

 

 

 

 

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尾根上から神居尻山の山頂を見る。山頂から少し左側に下った所にマッチ箱のような避難小屋が見える。

日の蔭った尾根上に、主稜線を越えて来た冷たい風が吹き付けて来る。汗で濡れた身体が徐々に冷え込んで行くのが分る。これ以上体温が奪われないために、レインウェアを着て風を防ぐ。

 

 

 

 

 

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小さなアップダウンを繰り返していると、目の前左奥に丸みを帯びた山容のピンネシリ山が見えて来る。山頂には白く大きなレーダードームが見える。

ちなみにピンネシリとはアイヌ語で男の山という意味で、女の山はマチネシリという意味だそうだ。(ベンチ横の説明板から引用した)

 

 

 

 

 

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スタートして2時間半で主稜線の分岐にたどり着く。右手には三番川の源頭に切れ落ちる崖を持つ神居尻山が見える。

その少し手前の山頂直下には三角屋根の避難小屋が銀色に光って見える。沢から吹き上げる風が想像以上に強く、そして冷たい。

 

 

 

 

 

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 分岐から歩いて来たAコースの尾根を振り返る。見える筈の増毛の山々はもやって確認が出来ない。

 

 

 

 

 

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分岐からピンネシリ山方面を見る。ここからピンネシリ山まで5.1km。登山口からでは10km以上になる。大きなアップダウンを考えたら日の長い夏でもピストンはきつそうだ。避難小屋泊まりで走破出来なくもないが、水場のない山なのでそれも難しそうだ。

 

 

 

 

 

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山頂直下にある避難小屋には梯子のかかった冬期用の出入り口がある。切り立った稜線上にある小屋の周りには雪庇も出来るだろうし、雪崩も起きるに違いない。この小屋を厳冬期に利用する猛者の登山者はいかほどいるのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

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 山頂で昼食をと考えていたが、あまりにも風が冷たいので避難小屋を利用させてもらう。ドアに付けられた冬囲い用の板を外して中に入ると、風が遮られているので火の気はないが暖かく感じる。

 持って来た魔法瓶からお湯を注ぎ、温かいみそ汁を作る。やはり冷えた身体には温かい飲み物がいちばんだ。ボコボコになったこの魔法瓶とは30年近い付き合いになる。

 山頂で昼食をとっていた年配の登山者が下山時にのぞき込んで、山頂では身体の震えが止まらなかったと言っていた。やはり小屋を使わせてもらって正解だった。

 30分ほど休み、冬囲い用の板を元に戻してから山頂へ向かった。

 

 

 

 

 

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山頂手前のベンチから登って来た尾根方向を見る。白いダケカンバが美しい。

 

 

 

 

 

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 山頂から秋色に染まった三番川の源頭地形を見下ろす。主稜線の向こうのピンネシリ山に雲が掛かり出した。

 

 

 

 

 

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 寒い山頂は三角点を撫でながら写真を撮るだけで後にする。眺望も良くないから後悔はない。

 

 

 

 

 

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 山頂からBコースとCコースの合流点である842mピークに向かって下りる。途中で70〜80歳くらいと思われる女性登山者が登って来るのに驚いてしまった。後ろに男性登山者が付いているとはいえ、あのBコースの急斜面を登って来るとは凄い。お互い「寒いですね」と言葉を交わしたが、感心すると同時に、段々と雲行きが怪しくなって来ているので、無事に下山して欲しいと思わずにはいられなかった。

 

 

 

 

 

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 842mのピークから神居尻山を見る。右手の切り立った崖と、左手のササ斜面が好対照だ。

 

 

 

 

 

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Bコースの尾根上から842mのピーク(右)と神居尻山を見る。

 

 

 

 

 

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 Bコースの急斜面を下る頃から小雨になる。レインウェアのズボンをはくような雨ではないが、ザックカバーを出して付ける。

落ち葉の積もった登山道は濡れると滑る。転ぶとかなり滑り落ちそうなので慎重に下る。

急斜面から緩斜面に変わるとBコースの登山口は近い。下りたBコースの登山口から車の停めてあるAコース登山口までは、車道を15分ほど歩いて戻ることになる。

現在、Aコース登山口とBコース登山口の中間地点で車は通行止めになっているので、Cコースを登る人はかなりの時間、車道を歩かなければならない。

 

 

 

 

 

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車道脇の紅葉を楽しみながらAコース登山口まで戻る。小雨でしっとりと濡れた紅葉が淋しそうな晩秋を醸し出している。ちょっと熊情報にびびってしまったが、それなりに楽しい山歩きだった。

 

やはりこの山はAコースを歩かないと山歩きの楽しさを実感出来ない。いつも登りばかりだから、今度は下りで歩いて見ようと思う。

当別ダム辺りまで戻ると、少し雨脚が強くなって来た。あのおばあちゃんは濡れないで無事に下山したのだろうかと気になってしまった。

 

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