無意根山  1,464m 

200674日 (晴) 元山コース 薄別コース

 

2年ぶりの無意根山、豊羽鉱山側の「元山コース」から登る。珍しく早起きして5時に家を出る。出勤ラッシュ前の札幌市街地を軽快に抜け、南区・定山渓奥にある豊羽鉱山へ車を走らせる。途中、定山渓天狗岳の天を突くような威容が目に入る。

朽ち果てる寸前の「無意根山荘」横に車を停め、早朝の登山道に分け入る。朝日が木立の間から差し込み、気持ちの良い山歩きを楽しめるかと思ったのだが、歩き始めてすぐにまとわりついてきた蚊に悩まされる。風もないことから、一度まとわりついた蚊はなかなか離れようとしない。市販の防虫スプレーを身体中に吹き付けるのだが、圧倒的な数の蚊の前では焼け石に水のような状態だ。手袋やシャツの上からも容赦なく刺してくる蚊に、なすすべがない。せめて立ち止まらないように歩き続けるのが対策といえた。そんな状態が「休憩広場」まで続き、景色を眺めながら歩くと言う楽しみはとっくに失われてしまった。薄別分岐あたりで蚊の攻撃も小康状態を迎えたが、帰りもまた蚊の集中攻撃を受け、ボコボコにされたボクサーのような状態で無意根山登山は終わった。

期待していた山頂からの羊蹄山やニセコ山系の眺望は、厚い雲海にさえぎられて望むことができなかった。山頂に咲く「トカチフウロ」に慰められ、札幌方向の眺望を楽しみながら弁当を食べたのが、せめてもの憩いの時間だった。

帰りに小金湯温泉「まつの湯」で汗と身体中に吹き掛けた防虫スプレーを洗い流した。顔や腕のいたる所には蚊の攻撃跡が残っていた。なかなか充実した山歩きだったと記憶しておこう。

 

登り・3時間(休憩時間含む)  下り・2時間10分(休憩時間含む)

 

朽ち果てる寸前の「無意根山荘」。かつて山スキーが栄えた頃の一大拠点だった。最近は車での日帰りツアーが主流だから、消滅してしまうのも時の流れなのだろうか。

 

蚊の攻撃を受けながら登っていると、背後に雪渓を残した「余市岳」が見えてくる。その右には「朝里岳」の飛行場台地が平たく見えている。

千尺高地が近くなる頃、積丹半島の山々が姿を現した。左が「余別岳」、右が「積丹岳」である。なんともなしに今が旬の「うに丼」が脳裏に浮かぶ。

蚊の攻撃が小康状態になり、本来の山歩き気分浸ったのはこの辺りから。花を楽しみ、景色を眺める余裕も生まれる。本来、山歩きはこうでなけりゃ。

 

 

山頂に咲く「トカチフウロ」。今が満開時期らしく、あちらこちらで薄紫の花弁が風に揺れていた。

「中岳」をバックに記念写真。ここから眺める風景は「無意根山」の懐の広さを感じさせてくれる。おじさんの好きな風景のひとつである。