暑寒別岳1,492m

 

201083日 箸別コース 晴れ後曇り

 

雨竜沼から暑寒別岳はこちらから

 

断続的に続いた雨模様もおさまり、久し振りに晴れマークが並ぶ天気予報を見ながら、この天候が良い内にどこかへ登らなければと考えた末、ぽっと頭に浮かんだ増毛山塊の盟主「暑寒別岳」に登ることにした。

 前々日にバンドの打ち上げビアパーティで完全に二日酔い。山登りのために珍しく早寝なんかして体調回復に努めたせいか、何とか出掛ける意欲が湧いて来た。

早朝3時半に家を出発し、増毛までの最短ルートの海岸線を走ろうと思い石狩まで行くが、交通情報で雄冬〜増毛間が岩崩れのため全面交通止めだと知る。やむなくルートを新十津川経由に切り換えて走った。雨竜町では濃い霧で前が見えない中、カーナビが最短ルートで選択した狭い農道を走った。それでも何とか3時間少々で箸別登山口に着くことが出来た。

とにかく虫の多いコースだという情報を得ていたので、虫に射され易い体質の管理人は常備している防虫スプレーやハッカ油の他に、蚊取り線香、防虫シール、防虫ネットを買い揃えて事態に備えていた。一番効果的だったのは使用想定外の防虫ネットだった。この辺りの虫は防虫スプレーなど屁のカッパで、バシバシと攻撃して来た。
 往復19キロの山歩きは、さすがに楽とは言えない。それでも天候に恵まれ、期待していたお花畑にも何とか花が残り、山頂では雄大な景色を独り占めしたので、大いに満足のいく山登りとなった。

 

コースタイム(休憩時間含む)

登り・4時間30分 箸別登山口→2時間20分→5合目→2時間10分→山頂

下り・3時間20分 山頂→1時間40分→5合目→1時間50分→箸別登山口

 

 

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箸別登山口までは、箸別の町から13キロ。果樹園の中を通る町道を3.5キロほど走り、左折して林道のつづら折りの道を上る。道路は登山口まで舗装されているので走り易い。高原に出ると正面に特徴のある山頂台地の暑寒別岳、右手に岩肌が露出した西暑寒別岳が見えて来る。

 

 

 

 

 

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箸別小屋駐車場は30台収容のスペースがあり、きれいに舗装されている。駐車場奥に立つ箸別避難小屋は2階建てで15名が泊まれるという。覗いて見ると前日に登って帰り支度をしているご婦人がいた。昨夜泊まって早朝に出発した男性が3人いたと教えてくれた。ここの登山口は標高486メートルで、暑寒コースに比べて少し楽らしい。

 

 

 

 

 

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 標高100メートルごとに立っている標柱は1合目から9合目まで続いている。緩やかな登りが続く2合目までは本当に単調で長く感じる。群れを成して飛ぶトンボの中に、ブヨや蚊、そしてアブなどがいるから要注意だ。蚊取り線香や防虫スプレーなどに怯む様子はなく、こちらが気を許せばバシバシと攻撃を仕掛けてくる。最後に取り出したのが防虫ネット。視界が悪くなるので使用をためらっていたが効果は抜群で、顔の周りをブンブンと飛ぶ虫が気にならなくなった。

 

 

 

 

 

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6合目を過ぎ、7合目のお花畑が近くなるとやっと展望が開ける。振り向くと増毛の町が見え、日本海が広がっている。風の流れない樹間の登山道を2時間以上も歩いているから汗でびっしょり。それでも展望が良くなるに従って微風が流れ出す。まさに生き返る思いだった。

 

 

 

 

 

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7合目は広大なお花畑の入り口にある。ここまで来ると左奥に雨竜沼を見ることが出来る。お花畑は一面イワイチョウに覆われているが、あちらこちらにまだ遅咲きのお花が残っていて目を楽しませてくれた。ここにはマシケゲンゲやマシケオトギリなどの固有種も咲くらしいが、確認は出来なかった(花を知らないから)。ここから山頂までは各種の高山植物が咲き、辛い登りを癒してくれた。

 

 

 

 

 

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色々なお花をカメラに納めたが、とても紹介出来る数ではない。その中で特に目を引いたのが「タカネナデシコ」だった。淡いピンクだったり濃いピンクだったりと、とても変化に富んでいた。ちょっと派手目だが気品が感じられるお花だった。

 

 

 

 

 

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お花畑の上部に来ると、濃い紫色の「トリカブト」が群生していた。奥に見える南暑寒別岳をバックにして撮影して見たが、なかなか思い通りの画にはなっていなかった。やはりデジカメでは望遠と三脚を装備した一眼レフの真似は出来ないのだろうか。

 

 

 

 

 

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8合目辺りから1395mピーク越しに山頂台地を見上げる。まだまだ先は長いが、左手に広がる雨竜沼や南暑寒別岳を楽しみながら登る。水場のないコースなので、今回はポカリスエット3本、ゼリー飲料2個を用意した。ここまで飲み干したのがポカリ2本。何だか消耗戦のような山登りになってきた。

 

 

 

 

 

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1395mピークから山頂部を見上げる。9合目はこの登りの途中にある。右手下には暑寒コースが別尾根伝いに延びているのが手に取るように分かる。気分的にここを登り切ると山頂だと思うのが人情だが、山はそう甘くなかった。

 

 

 

 

 

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山頂台地に上がる手前から、歩いて来た尾根を振り返る。まるでナマズがうねっている様な尾根で、またこの長い尾根を下らなければならないと思うとウンザリする。

 

 

 

 

 

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頂上台地を登り切ると、その先にはまたまた山頂台地が現れる。右手奥には暑寒コースとの合流点標識が見える。この手前で一人、この後二人の下山者とすれ違った。もし暑寒コースからの登山者がいなければ山頂は一人。浜益側の展望を楽しみにして疲れた身体に活を入れる。

 

 

 

 

 

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山頂近くから合流点方向を見る。登山口から見えた山頂台地は目の前に見えるピークだったのかと合点する。緩やかな風が火照った身体を撫でていく。少しだけホッとする瞬間だ。

 

 

 

 

 

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暑寒別岳から派生する西尾根に聳える西暑寒別岳。白い岩肌が露出して荒々しい景観を作り出している。登山口から見た右手に広がる西暑寒別岳は近くで見ると圧倒的だ。背後に浜益岳(左)や雄冬山(右)が見える。

 

 

 

 

 

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やっと(本当にそんな感じ)辿り着いた暑寒別岳山頂。無事に着いたお礼に祠でコウベを垂れて手を合わせる。その後は何時もの様に三角点をナデナデし、頂上標識をスリスリする。もちろん誰もいないから出来ること。

 

 

 

 

 

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山頂からは雨竜沼が俯瞰でき、そのはるか遠方に十勝岳連峰、左奥にトムラウシ山が見えた。この他、夕張岳や芦別岳も見え、もちろん増毛山塊のすべての山々の姿を楽しむことが出来た。

 

 

 

 

 

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雨竜沼湿原をズームアップ。池塘の湖面が輝いて見えた。雨竜沼への縦走は「南暑寒荘への道路が不通になり、禁止します」との貼り紙が登山口にあった。

 

 

 

 

 

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山頂から尾白利加岳(左)と群別岳(右)の鋭鋒をバックに記念撮影。この後も虫の攻撃を受けながら下山し、ほうほうの体で登山口に戻った。帰りは「月形温泉」で汗を流し、「むつみ屋」でラーメンを腹に詰めて帰宅した。何だか疲れたけど楽しかった登山だった。

 

 

 

 

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