羊蹄山  1,898 m

2011924 

京極コース

 

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二週間前に登山口まで来ていながら雲が多く、雨模様だということで取り止めた羊蹄山に再度挑戦することにした。

 早朝に家を出て、登山口をスタートしたのが午前六時。朝日を浴びて金色に輝く羊蹄山を見ながら、先ずは快調な出足だった。

前夜、一度「サッポロビール園」のジンギスカン食べ放題コースに行って見たいというおばさんの希望で園に行き、たらふくジンギスカンと生ビールを腹に詰め込んできたのだ。

 当然、身体は重いがエネルギーは満タン。この分ならコースタイム通りに山頂に着けると目論んだのだが、動物性タンパク質は運動エネルギーにならないようで、七合目辺りから足が重たくなり、太ももが悲鳴を上げる有様だった。

 それでも予定を上回る時間で山頂に辿り着いたのは、ジムでのランニングやエアロバイクでの運動が少しは役立ったからだろうか。

 さすがに日本百名山の山。四つの登山コースから多くの登山者が山頂に集っていた。秋色に染まった「お釜」を眺め、寒風に吹かれながら昼食をとってから来た道を戻った。

 眼下に見える京極市街。雲間に見える尻別岳や無意根山。それらを眺めながらも、滑る登山道で尻もちをつかないよう慎重に下った。

 

 下りてから「噴出し公園」でたらふく湧水を飲み、近くの「京極温泉」で汗を流した。円錐形の建物は天井が高く、開放的な浴場だった。

 この後、翌日の雷電山登山のために岩内に向かった。

 

ちなみに羊蹄山はアイヌ語で「マッカリヌプリ」「マチネシリ(雌岳)」と呼ばれていたという。江戸時代に入り和人がこの山を「後方羊蹄山(しりべしやま)」と呼ぶようになり、それがいつの間にか「ようていざん」と呼ばれるようになったようだ。「後方羊蹄山(しりべしやま)」は「後方」を“しりべ”、「羊蹄」を“し”と読むのだそうだ。

 

登り・4時間35分(休憩時間含む)

下り・3時間05分(休憩時間含む)

 

GPSトラックログ

 

gps map

 

 

 

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 京極コースの駐車場から朝日を浴びて金色に染まる羊蹄山を仰ぎ見る。朝六時だというのに、もう五台の車が停まっていた。駐車場入り口の右側に登山届けポストがあるので、名前を記入してからカラマツ林に向かって農道を歩き始めた。

 

 

 

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 畑の横に延びる農道を歩いていくと、カラマツ林の手前に立派な案内標識が立っている。どうやらここが本当の登山口になるようだ。コースタイムの測定は駐車場からなのか、ここからなのか釈然としないが、大勢には影響がないので駐車場からの測定にした。

 

 

 

 

 カラマツ林の登山口から二度林道を横切るが、ほとんど登山道は樹林の中を歩くことになる。やっと展望が良くなるのは八合目が近くなった辺り。それまでは林間から少しだけ京極市街や田園風景が覗かれる程度だ。

 登山道には一合目ごとに標識があり、右に小さく文章が書き添えられている。眺めも楽しめないことから、次に現れる標識の文章を楽しみにして登り続けた。

 写真の下は書き添えられた文章です。

 

111 222

一合目・頂上めざしてガンバロウ  二合目・マナーを守って楽しい登山

 

333 444

三合目・無理せずにまず一服  四合目・タバコで燃やすなこの自然

 

555 666

五合目・自然をこわすな汚すな大切に  六合目・忍耐の一歩 努力の前進

 

777 888

七合目・足もとに気をつけて  八合目・高山植物を大切に

 

999  009

九合目・もう一息だ             山頂・食べ過ぎに注意を???

 

 

 

002

 

 八合目近くになってやっと視界が大きく開ける。眼下に雲が流れ、黄金色に染まった田園風景が広がる。札幌近郊の山々は雲に隠れて見えないが、たまに無意根山や中岳などが雲間から姿を現した。

 

 

 

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 樹林の中の登山道は湿気を帯びて滑り易かったが、大きな岩が現れてくると道も乾き、急勾配でもしっかりと足裏がグリップされて歩き易くなる。しかしこの頃から太ももが悲鳴を上げ始め、小休止が多くなる。

 

 

 

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 目に飛び込んできたナナカマド林は葉枯れ状態で茶褐色に染まり、この分なら色鮮やかな紅色に色付くことはないだろうと落胆する。流れる雲間から尻別岳が頭を見せるが、終日、羊蹄山の山頂南側から雲が離れず、洞爺湖方面の眺望は得られなかった。

 

 

 

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 九合目近くになるとガレ場が現れ、火山礫で足元が滑り易くなる。視界の先には外輪壁が見えているが、息も上がっているので思いのほか遠く感じる。標識の「あと一息」に励まされ、登り続ける。

 

 

 

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 やっと辿り着いた噴火口跡の外輪壁。吹き渡る風が意外と冷たい。岩の隙間には前日に降った雪の名残が少しだけ残っていた。

 

 

 

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一等三角点から「母釜」方向を見る。

 

 

 

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一等三角点から山頂を見る。

 

 

 

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山頂から秋色に染まった「父釜」を見る。

 

 

 

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 帰りは眼下に広がる京極市街や田園風景を見ながら下る。札幌近郊の山を眺めながら山座同定を楽しんでいた男性は、山を隠す雲の流れが遅いのにウンザリしたのか、あきらめ顔で下りて行った。

 

 

 

012

 

五合目辺りでポツリポツリと雨が落ちてきたが、樹林が傘代わりになってシャツの濡れを心配する必要はなかった。それでも葉から落ちだした雫が気になってレインスーツを羽織った時には、すっかり雨は上がっていた。

 登山口から駐車場に向かって農道を歩く頃には空も明るくなり、目の前に無意根山や中岳から中山峠にかけてのスカイラインが鮮やかに見え出していた。

 

 

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