味噌造り  Q&A

(株)伊勢惣 パンフレットより

Q:手作り味噌の仕込み容器は、どんなものが良いでしょうか?

A:昔から使われている陶製の“かめ”などは最高ですが、その他に木製の“樽”とか、ホーローの容器、プラスチック容器などがあります。ホーローは、酸や塩分にも強いのですがキズやはがれがあるものは使わない方が良いでしょう。また、プラスチック容器では、メーカーにより作られている素材が様々であり、塩分の高い食品の長期保存用に作られているかどうか確かめにくいので、食品用と明記してあるもの、又は信頼できるメーカーの製品を用意してください。

 

Q:味噌造りで、一番適した仕込時期はいつ頃ですか?

A:味噌の仕込は1年中いつでもできます。しかし、夏季は温度、湿度とも似大変高いので熟成中に雑菌が繁殖しやすく、異常発酵を起こすことがあります。使用する容器や道具類はきれいに洗い乾燥させ塩は多目に、堅くし込み、風通しの良い冷暗所に保存すれば、真夏の仕込みでもあまり失敗はありません。しかし、一般的に仕込の最適期と言えば10〜翌年4月頃までが一応のシーズンと言えるでしょう。

 

Q:味噌の熟成期間(仕込んでから食べられるようになるまでの期間)はどの位ですか?

A:仕込む時の条件によって、熟成期間が違います。材料でこうじの割合が多い時、種水(煮汁)の割合が多い時、または食塩の割合が少ない時などは熟成期間が短く、その逆なら熟成は長くなります。しかし熟成期間を短くする為、食塩を少なくし過ぎたり、種水を多くし過ぎますと、酸味の出る原因となります。次に仕込の時期でも違います。冬仕込で約6ヶ月、夏仕込で約4ヶ月を一つの目安と見ても良いでしょう。また、市販されている味噌のように温度をかけながら短時間で作る方法もありますが、やはり塩味に丸みがなく、味、香りの点で劣るようです。

 

Q:味噌が膨張し“フカフカ”しているようですが、どうすれば良いのでしょうか?

A:このような状態を “湧いた” と言います。これには幾つかの原因がありますが、仕込んだとき、又はその後の保存温度が高かった場合、塩を減らし過ぎた場合、種水を多くし過ぎた時などがあります。フカフカしているのは炭酸ガスが含まれているためですから、しゃもじで上下良くかき混ぜてガスを抜きます。塩が少なかったときは加えて、押しぶたをし、強めの重石をしておきます。しかし、湧き状態になると、風味が落ちてきますので、そうならない様に仕込むことが大事です。たまり(上液)が上れば混合してあとは普通の手入れで良いのです。

 

Q:味噌にカビが生えてきました。失敗でしょうか?

A:手作り味噌は、防腐剤や化学調味料などを使用した市販の味噌と異なり、添加物を一切使用していませんので、酵母が生きています。白く膜を張ったような状態でしたら、それは産膜酵母と言う酵母の一種ですから心配ありません。削ぎ取って捨ててください。また、味噌の内部にカビが出ることはなく、表面に生えているにすぎませんが、ほっておくと、どんどん増えて、削り取る部分も多くなり、味噌の味も悪くなります。早く見つけて処置するようにして下さい。

 

Q:同じ配合で、色の濃い味噌、薄い味噌を作り分けることができますか?

A:濃い味噌を作る場合は、大豆をごく弱火で、長時間かけて煮ると、色が付きます。そして、そのまま鍋に一晩留めておいたもの(留め釜)を使いますと、かなり色の濃い味噌が出来上がります。また、色の薄い味噌を作る場合は、圧力釜で短時間煮たものを使い、種水は一度沸騰させた後の湯冷ましを使用します。

 

Q:出来の良い味噌とは、どのような味噌を言うのでしょうか?

A:米こうじ味噌の場合は、味噌らしい、さわやかな良い香りがします。なめてみると甘味があり、塩味にはまるみがあります。麦こうじ味噌の場合は、米こうじ味噌にはない麦味噌特有の香りがします。なめると甘味が強く、濃厚な味で良く塩なれしています。いずれの味噌でも、酸味が出たり、味噌本来の香りではない異臭のあるものは、出来の悪い味噌と言えます。

 

Q:完熟後の味噌の保存はどうしたら良いですか?

A:手作り味噌は、酵母が生きている生味噌です。出来上がり後は、冷蔵庫での保存が最適です。生きている酵母の活動を押さえ、長時間、風味・香りが最良の状態に保てます。また、完熟後常温で1年以上過ぎると味が自然劣化してきますので、1年以内に食べ切るように、お使いになる量と仕込時期を計画的にされるようおすすめいたします。

 

Q:最近減塩ということがよく言われますが、味噌の塩度についていかがですか?

A:味噌汁1杯(180CC)の食塩含有量は、中に具が入っている場合0.8〜1.6gで日本人の平均塩分摂取量は1日約13.1gで全く問題なく、むしろビタミン、カリウム等の含有量の多い野菜や豆腐、ワカメなど多いに活用して下さい。

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