南東北・関東をめぐる旅(2)
8月4日(土)
朝は8時半頃にホテルをチェックアウトする。仙台8:53発の東北本線上りの列車に乗車。仙台駅構内のパン屋でパンを買って、車中で食べて朝食とする。福島10:24着、10:42発。天気はまずまずである。郡山には11:28に到着する。
郡山市街の、以前も訪れたことのある天ぷら屋「佐久間」で昼食。天重を食べたが、可もなく不可もなくという無難な味だった。少し市街地を歩いたが、日差しが強く暑くなってきたので、早々に駅へ戻る。
![]() |
| 常陸大子駅 |
12:24郡山発の水郡線に乗り込む。ワンマン運転のディーゼルカーで、ここからはローカル線の旅。車窓は、田園地帯と畑、時おり住宅地と、あまり特徴のない景色が続く。ようやく常陸大子が近くなって、山や渓谷が現れたという感じだ。常陸大子14:09着。到着したときに列車に乗っていたのは私一人だった。
駅前の観光案内所で、袋田の滝と袋田温泉の場所を尋ねる。袋田の滝へは、バスで途中まで行って、後は何キロか歩くようだ。
また、袋田温泉で源泉を持っているのは2か所だけで、いずれも土曜日である今晩の宿泊は無理だろうとのこと。前日の蔵王トレッキングでの疲れがたまっているので、時間があれば日帰り入浴だけでもしたいものだ。
14:40発の茨城交通バスに乗って、袋田温泉ホテル前のバス停で下車。そこから袋田の滝まで歩く。滝までけっこう距離があって、汗をかきながら、ひたすら歩く。疲労感もかなり強まってきた。途中、常陸の蕎麦の看板を掲げる店が何軒かあったが、時間的余裕もなかったので、どこにも立ち寄らなかった。袋田の滝はいかにも観光地という感じで、付近には土産物屋が並んでいる。土曜日なので観光客も多い。
![]() |
![]() |
| 何段にもなって流れ落ちる袋田の滝 | 袋田の滝の近くの吊り橋 |
有料トンネルの歩道を数百メートルたどって行くと、突然、視野が開け、滝の前の展望台に出る。段階的に流れ落ちているところは、なかなか見事だが、水量があまり多くないので豪快さはない。涼しさもあまり感じられなかった。やはり、冬の凍りついたときが見頃なのだろうか。しばらく展望台から滝を眺めたり、吊り橋を渡って近くを散策する。

ローカル線の駅らしい袋田駅舎とホーム
日帰り入浴のできる「豊年万作・滝川館」があったが、混雑していそうなのと、最終バスに間に合わなくなりそうなことを考慮して、断念した。滝本バス停から袋田駅への最終バスは16:00発。乗客は私一人だった。常陸大子駅より、袋田駅のほうが近かった。ただし、袋田は無人駅で、いかにも寂しいローカル線の駅だった。
![]() |
| 川岸にあるホテル河鹿荘の風呂 |
次の水戸方面行きの列車の時刻までまだ時間があったので、駅周辺を散策していたところ、「ホテル河鹿荘、日帰り入浴可能」の看板を見つける。駅から近いようなので、行ってみると、700円で入浴できるとのことで、一風呂浴びさせてもらう。
温泉ではないようだが、川岸にあって、立派な展望岩風呂だった。誰も入っていないので、ゆったりと湯に浸かることができた。疲労のたまっていた身体をほぐすこともできた。湯上り後は、汗が引くまで、ロビーの椅子でしばらく休む。のんびりしているうちに、次の列車に間に合わなくなり、もう一本あとの列車で行くことにする。
袋田17:52発の列車に乗車。水戸へは19:03に到着した。本当は水戸に宿泊したかったのだが、ちょうど「水戸黄門まつり」のイベントがあって、ホテルはどこも満室だった。仕方なく、隣町の勝田まで行く。午後7時半頃、グランドホテル武田へチェックイン。
すぐに夜の勝田の街に繰り出す。駅付近にはあまり気のきいた店はなかったが、「くいものや楽市」という店で飲む。店内は、スタッフも客も若い人が多く、活気がある。
料理もまあまあで、奥久慈のよせ豆腐や生ゆば刺、焼きなすなどおいしかった。酒は、エビスの生と茨城の地酒「富久心・純米吟醸」、「一人娘・さやか吟醸」、「郷乃誉・山桜桃」を飲む。「富久心」はかなり淡麗、「さやか」はバランスよくきれいな酒、「山桜桃」は香り高くさすがの味わいだった。
気持ちよく酔ったところで、午後10時過ぎにホテルへ帰る。
8月5日(日)〜8月6日(月)
![]() |
| 勝田駅の茨城交通線乗り場 |
朝は、午前8時半頃にホテルをチェック・アウト。天気もよいので、勝田駅から茨城交通線に乗って、阿字ヶ浦海岸のほうへ行くことにする。
勝田8:46発のたった一両のディーゼル車に乗車。列車は、勝田市街を抜けると、しばらく広い田園地帯をのんびりと進む。日曜のせいか、途中駅での乗降客も少ない。平磯あたりからは、海に近いところを走り、風景が変わってくる。
終点の阿字ヶ浦には、9:12に到着。人気のない寂しい終着駅で、駅前には商店一軒ない場所だった。駅から海岸までは5分余り、途中の道路脇には、今が稼ぎ時の民宿が何軒も並んでいる。
阿字ヶ浦の浜辺は、海水浴場になっていて、午前中からたくさんの家族連れや若者たちで賑わっている。駅周辺の寂しさからは考えられない人の多さだったが、みな車でやって来ているようだ。海水浴が群がる浜辺を少し歩いてみる。海に入るでもなく、日光浴をするわけでもないので、何か場違いのところへ来ている感じがして、早々に引き揚げる。
![]() |
![]() |
| 阿字ヶ浦の海水浴場 | 寂しい終着駅の阿字ヶ浦 |
再び阿字ヶ浦の駅に戻る。10:01発の列車に乗り込み、勝田へ。勝田で、10:31発の常磐線に乗り換える。水戸駅での停車時間中に、「食道楽」という駅弁を買って、車中で食べる。我孫子12:28着。初めて乗る成田線で、我孫子12:39発、成田13:21着。成田線は、前半は住宅地の中を走り、後半は田園地帯の中を走るという感じだった。
成田では、駅周辺を少し散策。少しお腹がすいてきたので、駅前の立ち食い蕎麦屋で、カレーそばを食べる。総武本線で成田13:59発、千葉14:30着。内房線に乗り換え、千葉14:42発。千倉には16:42に到着した。
千倉駅から歩いて、ワイン部長の店「リブロス」へ。20分くらいかかり、けっこう遠かった。リブロスを訪れるのは、昨年の開店のとき以来、一年ぶり。久しぶりに店主の小宮氏としばらく話をする。
![]() |
| リブロスでのベルギービール会 |
午後7時から、「ベルギービールの会」が始まる。地元の常連さんたち8人が集まる。初めてのベルギービール会ということで、奉行所与力の私が、ビールについての解説をする。けっこう盛り上がり、夜中の12時頃までに、かなりの本数のベルギービールを空けた。
12時過ぎに後片付けをして、再び小宮氏と2人で飲みなおす。朝の4時近くまで、ビールやワインを飲んでいた。
小宮宅に泊めていただき、午前10時頃まで休ませてもらう。10時過ぎに、朝食とも昼食ともつかない食事をいただき、11時半頃に出発する。小宮氏に車で駅まで送ってもらう。途中、地元のガラス工房「GLASS FISH」を見学する。
千倉12:47発の列車で、東京へと戻る。
1日目・2日目へ戻る
目次へ戻る