山形の蕎麦を味わう旅
7月17日(月)
東京駅7:24発、新幹線つばさ・やまびこ号に乗って、山形への旅に出る。天気は、朝から強い日差しが照りつけ暑い。山形9:50着。山形10:06発の左沢線に乗り換え、寒河江へ向かう。左沢線に乗るのは初めて。たった2両のディーゼルカーで、ワンマン運転を行なっている。車内はたくさんの高校生たちで賑やかだった。通学時間にしては遅い。高校野球の県予選大会の応援か何かだろうか。高校生たちはみな途中の羽前長崎で降りていった。寒河江10:33着。
寒河江駅から「慈恩寺そば」を目指して歩き始める。タクシーだと5分とのことで、11時の開店時刻より早く着いてしまうのため、歩き出したのだが、これが疲れた。容赦なく照りつける夏の日差しを浴びて、身体は汗びっしょり。しかも思っていたほど近くはなく、30分以上かかってしまった。
11時を過ぎてようやく「慈恩寺そば」に到着。風情ある田舎家風の建物、店内も民芸調で落ち着いた雰囲気である。山形らしい黒くて太い「板そば」を食べる。ここのソバは太さのわりにツルツルと食べられるのがよい。ボリュームはあるが、あっという間に食べ終えてしまった。
おいしいソバを食べ終え、再び猛暑の中を歩き始める。今度は羽前高松の駅へ。15分ぐらいかかっただろうか。無人の羽前高松駅11:59発の列車に乗る。左沢12:07着。終着駅らしい殺風景な駅前を少し歩く。酒屋などの商店と蕎麦屋などの飲食店が数軒並んでいるだけである。先ほど乗ってきた列車でそのまま戻ることにする。左沢12:39発。寒河江12:58着。
寒河江駅で再び下車し、街中の「弘庵」という蕎麦屋へ。外観は普通の住宅のようだが、中へ入ると由緒ある旧家らしい大きな座敷が広がっている。太打ちと細打ちのソバを合盛りにした「板そば」を食べる。細打ちのほうが、蕎麦の香りが高くおいしく感じた。この日訪れた寒河江の蕎麦屋2軒は、いずれも当たりで、久しぶりに質量とも満足するソバを堪能した。
寒河江の駅に戻り、駅前の公衆電話から今晩の宿を白布温泉「中屋別館不動閣」に予約する。寒河江14:17発の列車で山形へ。羽前長崎から朝の列車で一緒だった高校生の集団が大勢乗り込んできた。山形14:43着。山形新幹線に乗り換える。山形15:07発、米沢15:43着。米沢駅前15:50発のバスで白布温泉へ。米沢の市街地を抜け、急坂の続く峠を越えて、バスは山間へ入っていく。
しだいに天候も曇り空に変わり、今にも雨が降りそうになった。白布温泉の停留所へ着いたのは午後4時半過ぎだったろうか。宿泊旅館の「中屋別館不動閣」へ。先に不慮の火災で、江戸時代からの歴史的建造物である旅館の建物が「東屋」とともに焼けてしまった「中屋」の別館である。この不動閣の建物も、古い造り酒屋の建物を移築したものとのことで、木造の風情ある建物である。
鯉の洗い、鯉の甘露煮などの夕食
宿泊手続きを済ませ、部屋へ案内される。古いけどなかなか小ぎれいな部屋でよいのだが、夏の暑さと湿気のため、ときどきゲジゲジ虫が出没するのにはまいった。
オリンピック風呂と呼ばれる内湯へ。細長くて広い湯舟である。真ん中に男女の仕切りはあるが湯舟自体は1つで、長さは33メートルもあるという。泉質は含石膏硫化水素泉。ほのかな硫黄の香りのする透明なお湯で、白い湯の花が浮いている。夏に入るには、やや熱い感じで、あまり長時間は浸かってられない。湯上り後もなかなか汗が退かなかった。部屋へ戻ってビールを飲んでいると、6時頃に、夕食が運ばれて来る。米沢牛の陶板焼き、鯉の甘露煮、鯉の洗いに山菜などボリュームがあった。買ってきた300mlの「羽陽男山・つららぎ」の吟醸生酒もこのとき飲んだ。
テレビを見ていたらいつのまにか眠ってしまい、夜中に目を覚ます。内湯に入って、再び寝た。
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