2002年 秋の映画祭




近年、この時期になると、「ホントにファンタやんのかよ?」な〜んて、チマタでは言われるようになっちゃったけど、
どうやら、今年も無事に行われるみたいだ。(笑)

ラインナップがどんなもんか楽しみにしていたんだけれども、いざ蓋を開けてみると・・・
なんだ!なんだ!全日オールナイトで、「アジアンナイト」なるイベントはあるものの、
香港映画が1本も無いじゃないか!これじゃぁ〜ファンタじゃないぞ!(笑)

そんなこんなで、チンプンカンプンな映画祭になってしまったもんだから、
誰も行きゃぁ〜しねーだろうと思って、チケット発売日に余裕ぶっこいて、昼頃に行って見れば、
見事に肝心のオープニング作品、「火山高」が売り切れてるではないか。(泣)

それもそのはず、情報通の友人から聞くと、当日、出演者が全員舞台挨拶をすると言うではないか。
やっぱり、今は韓国映画が強いんだなぁ〜と実感した一瞬であった。

チケットをゲット出来なかったことを掲示板で書くと(汗)、
嬉しいことに、数日後、知り合いのMさんから連絡が入る。
当日パンテオンの前で待ち合わせて、譲っていただいたチケットの座席番号を見ると、
前方中央よりのベリーナイスな位置!
(Mさん好多謝!)





2002/10/25 (金)


「東京国際ファンタスティック映画祭 2002 開会式」  渋谷パンテオン

PM:7:30


     


さて、諸事情でファンタを去ってしまった、小松沢さん(東京国際の方には出てた&ゆうばりには
ちゃんと関わってるみたい)がいないのは、第1回目から参加しているファンとしては、なんとも寂しい限りだ。



司会進行は、去年に引き続き、ニッポン放送の山本元気さんと、大場さん。
中央は、チーフクリエイターのいとうせいこう。



上映予定の出演者&関係者が舞台に上がってご挨拶。
でも、例年のような、「はじまるぞ!」って言う感覚みたいなものが全く感じられない。
ウチ輪でワーワーギャーギャーやっているだけだし。
ホントに失礼だけど、締まらないんだよなぁ〜・・・何かが足りない。何だろう?


開会セレモニーに引き続き、オープニング作品の上映。
「お待ちどうさまでした!」と切り出すと、早くも場内から黄色い声が沸き上がる。
監督&出演者の登場!


   


もう凄んごい歓声だ。
韓国の俳優さんと言えば、ハン・ソッキュとソン・ガンホぐらいしか知らないワタシ。
一体、どういった経歴の持ち主の方々なのか、しゃっぱりわからんので、
ただただ、見とれているだけであった。



 「火山高」 2001年 上映時間:108分  アミューズピクチャーズ配給
 
 随分前から、映画通の友人から「韓国で面白そうな映画がやってるそうだ」なんて言う噂だけは聞いていた。
 オープニングの物語の背景の説明や、日本向けに入れられたであろう、登場人物の紹介テロップ。
 これがどちらも事細かに書かれていて、なかなか期待させてくれる始まりではないか。
 でも、情報量・登場人物が多いと言うせいもあって、なんだかスッキリしない。一体誰が主人公なのかも良くわかんない。
 ゴールまで辿り着くのに、アッチコッチ寄り道しすぎるんじゃなかろうか?評判となっているCGやワイヤーワークも
 確かなんだけど、ムダに長く多くやっているよりも、もっと効果的な使い方や見せ方をして欲しかった。

今回上映されたバージョンは楽しさが濃縮されたものだって出演者が言ってたけど、
この反応を配給さんが見て、一般公開時に、どういった編集にするのか楽しみだ。(って、もう1回見るのかよ?)

 ☆☆☆



「火山高」を見終え、一旦外へ出て、次の「アジアンナイト」まで、軽く夕食を取っておく。
すると、劇場担当の友人が
「『夕陽天使/邦題:クローサー』の特典付きの前売り券が売ってるので早く来た方が良いぞ」
なんて電話で言って来る。



ペアチケットを販売していた、ソニーさん


仕方なく、微妙に急いでパンテオンに駆けつけると・・・
全く会場に人が入ってないじゃないの!(笑)
しかも、その特設されたチケット売り場には、人っ子1人いない状態。
「買いなさい。」と言わんばかりに友人が薦めるので、仕方なくペアチケットを買わされるハメに。
(2800円ナリ。ポスター、カード付き)




「東京国際ファンタスティック映画祭 2002 アジアンまつり」  渋谷パンテオン

PM:10:30


期待していた「火山高」がイマイチだっただけに、
今日はもうすでに終ってしまったと言っても過言ではない。(苦笑)
これから、朝まで香港映画でもないアジア映画を見せられると言うだけでも、正直「苦痛」だ。
まぁ〜梁家輝(レオン・カーファイ)が出てる台湾映画だけでも見て帰っちゃっても良い心境になって来た。

映画の上映前に、「八月の幻」プロモーションと、
これから上映される作品の配給元さんによる、
「ソニー・ピクチャーズ ワールドシネマ発表会」
なるイベントが始まる。



「八月の幻」主演の仲根かすみちゃん


これから来年にかけてのラインナップや、会社の方向性はこんなんだとかって言うのを、
ソニーのお偉いさんが舞台に上がって説明して下さる。
その中に「夕陽天使/邦題:クローサー」もちゃんと入ってるじゃないか!
予告だけでも、面白そうだったんだけどなぁ〜
(だから、やらなかったんだな。笑)

     

なんやかんやで、このイベントで1時間ぐらい取って、ようやっと映画のはじまりはじまり。



 「ダブル・ビジョン」  2002年 上映時間:113分  ソニー・ピクチャーズ エンタテイメント配給
 2年ぶりにスクリーンに復帰した、梁家輝(レオン・カーファイ)が英語も喋れる刑事役で熱演。
 初っ端から、ちょいと気持ちの悪い始まり方で、ホラー映画が好きな私の心をくすぐってくれた。(笑)
 何処かしら、「リング」や「セブン」を意識したサイコホラーって感じかしら?ショッキングな描写も特撮を駆使して
 ストレートに見せたり、予想もつかない展開になったりなんかして、グイグイ引き付けられるんだけれども、
 ちょっとわかりにくかったかなぁ。な〜んかわかったような、わかんないような終わり方だったかな。
 結構、よく出来てたとは思うんだけれども。ご覧になった方々はどんな感想をお持ちになっただろう?
 「火山高」と同様、今回の上映版はディレクターズカットで、一般公開版は違ったものになるとか

 ☆☆



時間を見ると、AM:1:30。
友人とロビーで待ち合わせて、今の「ダブル・ビジョン」について聞いてみる。
私の感想とは全く逆の感想を持ったようだ。
(つまんなかったらしい)

さ〜てと、どうしようか・・・・
この次のロザムンド・クワン主演の「ビック・ショット・フューネラル」は、
上映前のイベントで予告を見た限り、随分とコメディの要素が強そうで、なんかつまんなそうだし、
残りはタイ映画と韓国映画だし・・・やっぱり、これからのこと(映画祭期間中のこと)を考えて、帰るとするかな。
映画1本、3500円つーのは勿体ないけど。

友人とパンテオンを後にし、渋谷ツタヤに入っている「スタバ」で真夜中のお茶をしながら映画談義。
タクシーで帰宅。(AM:3:00)
さっさと寝て、今日の昼に備えるとするか・・・・




2002/10/26(土)


「東京国際映画祭 アジアの風  スリー」  渋谷シアターコクーン

PM:12:30

PM:12:00前に、NさんとPさんと文化村の入り口で待ち合わせ。
お二方とお会いするのは久しぶりだ。
Nさんは、地獄のダイエットのおかげもあって、見違えるように痩せていて驚いてしまった。(笑)
これから見る「三更/スリー」はチケット発売当日、早々と売り切れてしまって、映画祭が始まる直前まで
「宛て」が無くて困っていたのだが、Pさんのおかげで何とかなった。(Pさん好多謝!)

他の曜日にも上映されるんだけれども、この日は監督お三方による、「ティーチ・イン」があるんだな。


会場に入ると・・・やけに、空席が結構目立つなぁ〜。
知り合いの方に聞くと、当日券も結構余っていて、なんと1人4枚まで買えたそうだ。
結構、必死で探していた人は多かったんじゃなかろうか・・・
(どうしてこんなことが起きるんだろうか?)


昨日チケットを譲っていただいた、Mさんのご友人の方々にお会いして、
「アジアンまつり」の見なかった映画についてお聞きする。
すると、韓国のホラー映画「Phone」が相当に怖かったらしい!
う〜ぅ、見たかったけど、朝の6時頃に見せられてもなぁ。
しょうがない、一般公開まで待つとするか。


 「スリー」  2002年  上映時間:120分   角川大映配給
 
 韓国、タイ、香港、3ヶ国の監督によるオムニバス映画。
 咳払いするにも気を使わなきゃいけないくらい、皆さんシーンとしてご覧になってましたね(笑)、
 なんだか見るのに疲れちゃいましたよ。レオン・ライ(黎明)のパートだけ肩のチカラを抜いて見れましたけれども。
 3作共に、ホラー映画としての「怖さ」みたいなものは、あんまり感じなかったなぁ。やっぱり、ヒットした「リング」的な
 ものを意識しているように受取れないでもない。楽に見れたレオンのパート(監督:陳可辛/ピーター・チャン)
 は、メッセージ的なものは多少ならずとも伝わって来るんだけれども、それがイマイチ弱い感じがした。
 俳優としてのレオンさんは個人的に好き。歌やコメディよりも寡黙に演技している方が、断然良いとワタシは思う。

 ☆☆☆



      

上映終了後、監督たちとのティーチ・イン。
知っているのは、もちろん、ピーターさんだけ。(笑)

興味深かったのは、一番最後にあがった会場からの質問。
(以下、A=はピーターさんが、英語で返答)


Q:香港では再編集されたバージョンがあるそうですが、それは日本で見ることはできないのでしょうか?

A:カットされたのは、5分だけです。今回上映したものには、レオン・ライの出演部分は全部入っております。
カットしたのは、最後の父と子供のパート(子供が父親にサヨナラを言って去って行くシーン)だけです。



Q:当初は、日本人監督が参加する予定だったと雑誌で読んだのですが・・・

A:最初は、『スリー』ではなくて、『フォー』だったんです。
『四谷怪談』に合わせて、四つの国のホラーストーリーを作ろうと言う思いがあったのですが、(会場から笑い)
正直、日本人監督を探すのが非常に大変で、タイ、韓国は簡単にOKが出たんですが、
日本の場合はそうは行かなくて、3人になっちゃいました。
日本の会社は大きいですから、プロセスが複雑化されていて、なかなか始めるということができなかったんです。
ですが、将来は日本の監督さんも入れて、4人でやりたいと思っています。


Q:目をつけている日本の監督さんはいますか?

A:たくさんいますよ。中田秀夫さんとか・・・
日本はこのジャンル(ホラー)は強いと思うんですね。
だから日本の監督さんで、一緒にやりたいと思う人はたくさんいます。




そうだったのか。カットされたバージョンもあるなんて知らなんだ。さすがは、香港映画ファン!
最後の最後で、面白いエピソードが聞けたぞ。

ピーターさんが「四谷怪談」を説明するところが可笑しかった。
「セイ(広東語の”四”)は日本語でなんて言うの?それから、ゴッ(広東語の”谷”)は?・・・・オ〜!ヨツヤ!」
な〜んて言っていた。(笑)




外へ出て見ると、オーチャード・ホール前には、たくさんの若い女性でいっぱいだ。
おっ!そうか!そうか!
1時間後に上映される、「マイノリティ・リポート」で、トム・クルーズとスピルバーグが、
ここで舞台挨拶するんだな。それの「入り待ち」か。

我らも立ち止まっていると、
「そこは邪魔になりますので、あちらの方へお願いします」
と警備に注意される。

「テラダさん、トム、見たい?」
と、Nさんに聞かれたので、
「別にオレは興味ないから、どっちでも良いんだけど・・・・どっちみち、ここじゃ見れないからね」
と、その場所から立ち去ることに。
Pさんとは、ここでお別れ。



PM:4:00

ブラブラしながら時間を潰して、また次の映画を見るために、コクーンの前まで行くと、
「トムぅ〜〜〜!!!!」
なんて(男女の)歓声が、上のオーチャードの入り口付近から聞こえて来る。
一体、何分いたんだろう? 
随分と長い時間、キャーキャー騒ぎが収まらなかったけど。





トムさん、サービスしまくってたんだろうな。
結局、私はスピルバーグの横顔しか見えなかった・・・(笑)
(後日、テレビのワイドショーで見たら、我々が居た方まで歩み寄ってくれていた。動かなきゃよかった!)





「東京国際映画祭 アジアの風  大酔侠」  渋谷シアターコクーン 

PM:4:30


 「大酔侠」  1966年  上映時間:90分   
 
 以前見た台湾ビデオとは大違い。(当たり前)
 画像もデジタル処理されてキレイになったのはもちろんの事、字幕もあのタイプライター風のものから、
 新たに今風の(?)見やすい字幕に付け直しされていた。(12月に発売されるDVDもこんな感じになるのかな。
 日本語字幕が付いたらもっと良いんだけれども・・・・)
 ショウブラザース作品が、この大きなスクリーン、また日本語字幕付きで見られることは、もうこの先ないであろう、
 そう思うと非常に感慨深いものがある。
 何気に、
胡金銓(キン・フー)作品を見ているワタシ。独特の「間」、画面いっぱいに気品溢れる「構図取り」。あっと言う間の90分だった。
 見ている最中、友人が子役で出ていた「火星(マース)」を発見!! あの顔は間違いない。
 そう考えると、彼も「ベテラン俳優」なんですね。(笑) 
その他に、袁小田(ユアン・シャオティエン)も出てました。
 

 
 



NEXT PAGE


我愛香港 TOP