勝手にM〇R
新世紀、ついに人類のファイナルカウントダウン?
ついに迎えた21世紀。講〇社の廊下を何やら考え事をしながら歩いている一人の男がいた。
『ついに迎えた21世紀。我々人類は、何とか滅びることなく、この新世紀を迎える事ができた。しかし何だ、この胸の奥に残るこの不安な感じは。俺はまだ何か重大な見落としをしているのではないのではないだろうか?』
廊下を歩いていたのは、御存知、世界一ネガティブな嗜好の持ち主、我らが、M〇Rのリーダー、コキバヤシであった。彼はこれから月一回の編集部内のミーティングのために会議室に向かっていた。
ガチャ!!
コキバヤシが会議室の扉を開けた。すると・・・・
パン、パン
何やら爆発音がした、とっさに身構えるコキバヤシ。
ドロナワ「いえーーい、ハッピーニューイヤー、コキバヤシ。」
オマル「コキバヤシさん、明けましておめでとうございます。」
そこには、M〇Rの他のメンバーがいた。今日は、新年第一回目の会議。それにしてもこの浮かれ様は・・・・・・
コキバヤシ「なんか、妙に浮かれていないかお前たち。」
ドロナワ「だってよ、新世紀だぜ、新世紀。」
タノナカ「そうですよ、旧世紀中に滅ぶと思われていた人類が、無事に新世紀を迎える事ができたんですよ。」
イケイケ「めでたいじゃないですか。僕たちの調査が実を結び、奴らは人類を滅ぼす事に失敗したんですよ。」
奴ら、そう、M〇Rが生命の危険も顧みず、調査を通じて戦いを挑んだ、世界征服、人類滅亡をもくろむ悪の組織、太〇の住人達の事である。人類が、無事新世紀を迎えられたという事は、とりもなおさず、彼らの多くの陰謀が、彼らの、命がけの取材のために、失敗した事を意味するのだ!!すくなくとも彼らの中では・・・・・・・・・
ドロナワ「編集長からの許可も取ってあるんだ、あまり馬鹿騒ぎはできないが、ちょっとしたパーティーをしようと思ってな。」
机の上を見ると、清涼飲料と、ちょっとしたお菓子なぞが置いてある。賑やかな事が好きな彼らしい。しかし、そんな彼らを前に、コキバヤシは、相変わらず沈んだ表情をしている。
オマル「どうしたんですか、コキバヤシさん。何やら沈んだ表情をしていますが。」
コキバヤシ「お前たち、少し浮かれすぎてはいないか。」
暗い表情のままコキバヤシがやっと口を開いた。
ドロナワ「確かに少し浮かれているかもしれないけど、新世紀だし・・・・」
コキバヤシ「確かに無事新世紀を迎える事はできた、しかし、それがどうしたと言うんだ。」
ドロナワ「だって無事に新世紀を迎えたわけだし・・・・」
相変わらずクールと言うか、根暗と言うかな彼に戸惑う一同。
コキバヤシ「確かに、人類は、旧世紀を無事に乗り切り新世紀を迎える事ができた。それはめでたいかもしれない。しかし考えてみろ。旧世紀と新世紀で一体何が変わった?」
オマル「20世紀から21世紀になって・・・・、」
イケイケ「そりゃ何も変わりませんよ、たった一年では、これから100年かかって変わっていくんですから。」
コキバヤシ「そうだ、20世紀から21世紀へ、呼び名が変わっただけ、年号が変わっただけで、実際は何一つ変わっていないだろ。」
タノナカ「まあ、そういわれれば、身も蓋もありませんけれども。」
コキバヤシ「大体2001年とは何なんだ?」
ドロナワ「そりゃ、西暦だろ。」
コキバヤシ「では、西暦とは一体何なんだ?」
オマル「キリストが生まれたときを1年として数えた年号でしょ。」
コキバヤシ「そうだ、世紀末、新世紀だと騒いでいるが、その元になっているのは、2000年程前に生まれた、イエス・キリストとか言う、おそらくは電波の入っていたであろう、怪しげな教祖のおっちゃんが生まれてから、2000年経ったということに過ぎないんだ。考えても見ろ、日本の元号では、今年は13年、紀元では弐千六百六拾壱年(間違っているかもしれません、間違っていたら御免なさい)その他にもイスラム暦などこの世には多くの年号の数え方があるんだぞ、それなのに、なぜ、西暦だけここまで馬鹿騒ぎするんだ?」
ドロナワ「そりゃ、世界中が使っているからだろう。」
コキバヤシ「そうだ、世界中が使っている。しかしそれは、毛唐どもが欲望の赴くままに世界を征服し、キリストを世界中に広めると言う大義名分の元、いや、キリスト教の、物欲びんびんの坊主とどもと一緒になって、世界中を荒らし、搾取しまくった結果であろう。なぜ、そんな世界中を不幸にした邪教の年号の数え方でここまでお祭り騒ぎをするんだ?」
何やら危ない思想に染まった事を言うコキバヤシ。
タノナカ「そういわれて見れば・・・・・」
オマル「でも、人類は、1999年に滅亡するって。」
コキバヤシ「誰がそう言っていたんだ。」
ドロナワ「ノストラダムスが・・・」
コキバヤシ「そう、そう言っていたのは、400年程前に生きていた、やはり電波が入っていたであろう、キリスト教徒のノストラダムスとか言う、い〇れたオッサンがほざいていただけだろう。そして、それを、五〇勉とかいう、やはり電波の入っている、お頭に病理が有りそうなオッサンが日本中に広めただけに過ぎないんだぞ。」
イケイケ「確かにいわれて見れば、人類が世紀末に滅ぶと言う根拠は、ノストラダムスの預言だけですよね。」
コキバヤシ「そうだ、そんない〇れたおっさんの戯言に踊らされるほうが、本来はどうかしている。」
ドロナワ「いや、一番踊らされていたのはお前だと思うんだが・・・・・・・」
しかし、そんなドロナワの言葉は、天上天下唯我独尊男、コキバヤシにあっさりと無視された。
コキバヤシ「大体、年号の呼び名が変わったというだけで、公害問題、エイズ問題、南北問題、食糧問題、地域紛争、エネルギー問題、その他諸々、我々人類の抱える問題は、何一つ解決していないだろ。」
一同「た、たしかに。」
コキバヤシ「それなのに、この地球を上げてのお祭り騒ぎは一体何なんだ!!裏に何かがあると思わないか?」
一同「ま、まさか、奴らが・・・・」
コキバヤシ「M〇R、活動再開だ!!!」