新世紀、ついに人類のファイナルカウントダウン?
其の弐
調査を再開したM〇R。
なぜ人類は、世紀末にあそこまでヒステリックに大騒ぎをしたのか?
タノナカ「いろいろ調べてみましたが、面白い事がいくつか判りました。」
コキバヤシ「どんな事だ。」
イケイケ「まず前回の世紀末、1800年代末、つまり19世紀末にも似たように、世紀末にかこつけた馬鹿騒ぎがあったようです。」
一同「!!!」
タノナカ「有名なハイズビル事件を発端とする、スピリチュアリズムの大流行です。」
ドロナワ「スピリチュアリズム?」
イケイケ「今で言えば心霊現象とか、超能力とかそういうものと思えば良いかもしれません。」
オマル「100年前にも流行していたんですね。そういうものが。」
タノナカ「そのあまりの流行ぶりに米政府は、専門の調査チームを作ったくらいなんです。」
コキバヤシ「超能力者を探す組織か?」
イケイケ「いえ、その手のもののいんちき、嘘、トリックを暴くためのチームです。」
コキバヤシ「チッ」
なぜか悔しがるコキバヤシ。
ドロナワ「で、トリックを暴けたのか?」
イケイケ「いえ、暴けなかったそうです。」
コキバヤシ「では、実在したのか!!」
なぜか目を輝かせるコキバヤシ。
タノナカ「いえ、科学者だけの時は、トリックなどを暴けなかったのですが、有名な、奇術師、ハリー・フーディーニがチームに加わった後は、彼の力で、インチキ霊媒のトリックなどを次々に暴いていったそうです。」
ドロナワ「なるほど、蛇の道は蛇と言ったところか。」
イケイケ「それで、それらの心霊ブームも、新世紀、つまり20世紀に入ると、下火になり、カルト的なものになってしまったそうです。」
オマル「100年前とあまり変わりませんね。なんだか。」
タノナカ「さらに200年前、つまり18世紀末なんですけれども、このとき何があったか知っていますか?」
ドロナワ「200年前と言うと・・・・。あ、アメリカ独立(1776)とフランス革命(1789)か。」
イケイケ「そうです、歴史上に残るあれらの事件ですけれども、当時のイギリスな、ヨーロッパの貴族たちは、あれらの出来事を、世紀末の不吉な出来事と思い、ハルマゲドンが起こり、世界が滅びるのではないかと心配したそうです。」
オマル「でも世界は滅びなかった・・・・」
ドロナワ「つまり、どの時代も世紀末には、なんやかんや言って、世界が滅ぶとか騒ぎたがるんだな、人間と言う生き物は。今回の騒ぎも人間のそういう心理からだ。」
少しあきれたように言うドロナワ。
タノナカ「まあ、そう言う事ですね。」
ドロナワ「ま、一件落着と。飲みにでも行かないか?」
皆を誘いながら立ち上がるドロナワ。
イケイケ「そうですね、調査も終わった事ですし。」
皆立ち上がるが、一人だけ黙って座り込んでいるコキバヤシ。
タノナカ「どうしたんですか、行かないんですか、コキバヤシさん。」
ドロナワ「また何か引っかかったか?え」
コキバヤシ「まあ、そういうことだ。」
オマル「何が引っかかるんです。」
ドロナワ「いいじゃねえかよ、人間のサガ、心理で決着ついたんだからよ。」
少しウンザリしたように言うドロナワ。
コキバヤシ「確かに、人間の心理なのかもしれない、それでも何か引っかかるんだ。」
相変わらずネガティブなコキバヤシ。
ドロナワ「じゃ、勝手に一人で調査したらいいだろ、俺は帰るぞ。」
まいどまいどなコキバヤシにウンザリしたのかそう言って部屋を出て行くドロナワ。
コキバヤシ「確かに、俺の考えすぎかもな・・・・」
イケイケ「ま、また明日考えればいいじゃないですか。それよりコキバヤシさん、飲みにいきましょうよ。」
コキバヤシ「そうだな。飲みに行くか。」