月の魔力が人を狂わす?
其の弐
あれから二週間が過ぎようとしていたある日、突然コキバヤシからの呼び出しを受けた。
ドロナワ「一体何なんだ、突然呼び出したりして。」
タノナカ「何でも月の魔力の謎を解明したとか言ってましたよ。」
ドロナワ「まだ調べていたのかあの野郎。そんなのこないだ関係ないことがはっきりと判ったじゃないか。」
そこへ、コキバヤシが現れた。
コキバヤシ「みんな揃っているようだな。」
イケイケ「あ、コキバヤシさん、おはようございます。」
ドロナワ「一体何なんだよ、こんな朝っぱらから人を呼び出して。」
オマル「月の魔力を解明したと言う話ですけど?」
コキバヤシ「ああ、二週間近く調べて、やっと判ったんだ。月の魔力の秘密がな。」
ドロナワ「いい加減にしろ、月に人を狂わす力なんかが無い事は、こないだの調査でハッキリしただろ。」
イケイケ「確かに何の関係も無い事は、こないだの調査でハッキリしましたよね。」
コキバヤシ「そう、確かにあの調査で、月に人を狂わす魔力がないということは証明された。」
タノナカ「だって、電話では、月の魔力の謎を解明したって。」
コキバヤシ「落ち着けタノナカ。確かに月に人を狂わす魔力はなかった。しかし、それは空に浮かぶ月の話だ。」
トマル「空に浮かぶ月?」
コキバヤシ「そう、普通の人が月と聞いて、まず思い浮かべるのは、空に浮かぶ、あの衛星の月だ。」
ドロナワ「だって、月って言えばあれだろう。」
コキバヤシ「そう、俺たちは月の魔力と聞いて、空に浮かぶ月を想像し、そして、満月と新月に着目してしまった。しかし、それこそが奴らの狙いだったんだよ!!」
ナワヤ『奴らって一体誰なんだ?』
コキバヤシ「そう、実際の人を狂わす月の魔力は、全く別の所にあったんだよ!!!」
イケイケ「それじゃあ、それは一体何なのですか?コキバヤシさん」
コキバヤシ「これを見ろ。」
そう言って、コキバヤシは、ダンボールに入った、手紙の山を皆に見せた。
一同「こ、これは」
コキバヤシ「これは、講〇社の倉庫で見つけた、数年前に、ある漫画当てに送られてきたファンレターだ。」
その手紙を読む一同。
『アニメの顔のほうが好みです。』
『パンチらシーンを増やせ』
『ちびウサちゃん可愛いです。』
その他、妙に上手いイラストが書いている手紙も多数あった。
ドロナワ「ま、まさか、これは!!!!」
コキバヤシ「そう、それは、あの伝説のオタクの夜のおかず漫画(冗談です)セー〇ームーン当てに送られてきたファンレターなんだよ!!!!」
オマル「でも、この手紙、みんな野郎が書いたものじゃないですか!!」
コキバヤシ「そう、皆男が書いたものだ。」
ナワナワ「噂には聞いていたが、これは想像以上だな。」
コキバヤシ「お前たちも、この漫画の伝説は知っているな?」
イケイケ「ええ、たしかこの漫画の版権やらなんやらで、新社屋を立てたとか言う話でしたよね。」
コキバヤシ「そう、この漫画は、天文学的な金額の金を講〇社にもたらした。」
ナワナワ「確かにあの新社屋は、影では、セー〇ームーンビルとか陰口をたたかれているからな。」
タノナカ「でも、どの時代でも、大ヒットする漫画と言うのはあるものでしょ、『Drスランプ』とか、『巨人の星』とか。』
コキバヤシ「確かに、受ける漫画はいつの時代にもある。しかし、このセー〇ームーンは今までのヒット漫画とは、一つだけ違うところがある。」
一同「違う所?」
コキバヤシ「そう、この漫画は、少女漫画なんだよ、しかも小学生向けの!!!!!!」
一同「何だって!!!!!!」
ドロナワ「しかし、ここにあるファンレターは、皆野郎が出したものだろ!!」
コキバヤシ「そう、そしてこれこそが、実は人を狂わす月の魔力なんだ。」