第二部
工業技術院の秘密
其の壱
通産省の下部組織、工業技術院。筑波の中心部に位置する。
ここには「電子総合研究所」「機械技術研究所」「生命工学技術研究所」などが存在する。
ここには「地質調査所」に付属する「地質標本館」と言う一般公開施設がある。
通常、筑波の研究施設は基本的に内部見学は基本的に「予約制」、もしくは、「期間限定公開」になっている。これは言うまでもなく、内部の秘密を守るための国家統制である。「内部非公開」、とすると人は内部を逆に知りたがる。当然余計な詮索をする輩が現れる。それでは困る。
「予約制」とすれば、その間にその人物について調べることなどが出来、「期間限定公開」の場合はその間だけ、みられては困るものを隠せばいいのである。(もっとも本当にみられては困る所は立ち入り禁止などで公開はされないが)
しかし、「地質標本館」はつくばでは珍しい常時公開施設である。これはなぜか?
大体なぜ、「地質調査所」が、「工業技術院」、などにあるのだろうか。つくばには「国土地理院」や「建築研究所」「土木研究所」などもっとふさわしい所があるのにである。
実は「地質標本館」は、いわゆる「おとり」なのである。常時公開施設を一個置いとけば、来た人間は皆そこを見学して、なんとなく全体を見てきたような気になってしまう。こうすることで、他の研究所に人々の余計な関心が集まることを避けているのである。
「一つ目立つものを置いておき、衆目の目をそこに集中させておく。」古来より良く使われている騙しのテクニックを使っているまでである。
「工業技術院」はいうまでもなく兵器の研究開発生産の中心地となる。その事実を隠すために、一般公開施設を会えて敷地内に置いているのである。
では次に工業技術院内を見て見る事に使用。