裏木戸通信 175号

 

らしさ

 

男らしさ、女らしさ、日本らしさ、都会らしさ、田舎らしさ、お宅らしさ、etc

女らしさと言えば、一昔前までは(ひょっとすると今でも)

 

しおらしく、穏やかで、優しく、美しく、おしとやかで、etc、

 

とか言った所かも知れないし、

男らしさと言えば、やっぱり、一昔前までは

 

雄雄しく、たくましく、力強く、潔く、etc、

 

と言ったところかもしれない。

日本らしさと言えば、

 

和風の家で、和食で、侘び寂で、和を持って尊しとし、派手な物は良くなく、静かで、滅私奉公で、神風で、腹切で、、武士道は死ぬことと見つけたり、見つけなかったり、etc、etc

 

田舎らしさといえば、

 

茅葺屋根の、昔ながらの日本家屋に、梅干みたいなばあさんがいて、農家で、美しい山と森と、渓流が残っていて、住む人は、朴訥で、質素で、すれていなくて、みな人がいい、etc、etc

 

とか言った所だろうか?

 

まあ、らしさ、とは、ある意味、世間一般の、大多数の人がそのものに持つイメージ、もしくは、ステレオタイプ化された、その物に対する、物の見方かもしれない。または、そのものに対して、人が抱く、理想的な、その物の姿かもしれない。

だから、かどうかは、判らないが、おしとやかで、おとなしく、控えめな女性を見れば、男性一般は、たいていの場合、

 

 

 

○○さんて良いよね

 

 

と成るし、田舎に行って、田舎らしい風景を見つけ、そこで、田舎者らしい人に出会えば、人は、

 

 

 

やっぱり田舎はいい

 

 

とか何とか成ってしまう

まあ、私も、なんだかんだ行って、単純な男なので、やっぱり、女性らしいとされる女性のほうが好きだったりする(まあ、力強い女性も、それはそれで魅力ではあるが・・・・・・・・・・・) が、今は、下手にらしさを求めると、とんでもないことになったりする。

女性に、下手に女性らしさを求めれば

 

 

女性蔑視!!

 

 

とか、

 

 

セクハラ

 

 

などと、言われるし、下手な立場にある人が言えば、マスコミや、何やらで、色々槍玉にあげられたりする。

らしさ」を求めただけで・・・・・、と思う反面、やっぱり、言うべき事は、言うべきだとも思ったりする。

世間一般の、所謂、女「らしさ」、やっぱり、男性にとっての、都合のいい女性像であったりするし、 下手に、「らしさ」を、その対象に求めるのは、価値観の押し付けに 成る恐れもある。強要でもすれば、それは、他でもない、価値観の押し付けでさえある。

らしさ」を基準に、そのものを見たり、その物の価値を判断するのは、個人の自由ではあるが、それを、その対象に、下手に求めてはいけない。女性に「女性らしさ」を求めることは、やっぱり、自分の価値判断の中に、留めるべきで、それを女性に求めてはいけないのであろう。

が、やっぱり、女性に「女性らしさ」を求める事は、いけない事といわれても、釈然としない物を感じるときもある。

やっぱり、私も男である以上、「男らしさ」を求められたりする時がある。

で、基本的に駄目人間なので、その「らしさ」に、答えることは出来ず、自分の株を下げてしまう。

勝手にそっちが、俺なんかに「らしさ」を、求めるんじゃない。と思っても、そうは行かない。というか、「男らしさ」を求められたりした時、それに対して、なんか言ったり、反発したりしたら、その時点で

 

 

 

男らしくない

 

 

とか何とか言われてしまうし、思われたりしてしまう様な気がする。

個人的にも、そんな場面では、「言われちゃうかな?」、とかびびって言えなかったり、言われんでも、思われてしまうかも知れないし、こんな事を言うと、「男らしくない」かな?とか何とか思ってしまい、結局、曖昧なまま終わらせてしまったりする。

男らしくない」事をしてしまったり、「男らしくない」結果に終わってしまって、「男らしくない」男。と、面と向かって言われたり、その様な事を言われたり、言われないまでも、そんな風に思われても、それに対して、とやかく、弁明がましい事を言ったり、反論したりするのは、「男らしくない」かな?とか何とか思って、やっぱり、ぐぐっと堪えたりする。まあ、堪えるとか、堪えないとか言う前に、反論できないというのか、反論する勇気が無いというのか・・・・・・

兎に角、「男らしさ」を求められて、それに答えられなくて、なんか言われて、その、求められる、「らしさ」に、釈然としない物を感じながらも、結局、「らしくない」自分に少々自己嫌悪を覚えながら、せめて「男らしく」あろうと、黙ってしまったりする。

やっぱり、私も男である以上、

 

 

 

男らしくありたい

 

 

と思うのもまた事実だったりするしね。

ええい、五月蝿いわい、こっちとら、体力ないし、うらなりくんだし、おつむも弱いし、引きこもりがちの、根暗君だから、性格も陰険だし、潔さはないし、見苦しいし、顔だって十人並み以下だし、あれで、これで、こんなんだから、こんな俺に、「男らしさ」を求めるんじゃあない。陰険で、情けなくって、弱弱なのを「男らしくない」って言うけど、男だって、弱いし、陰険に成りたくなる場面だってあるし、大体、弱くて、陰険で、情けない男だって、確実にいる、と言うか、最低でも、ここに一人いるんだ!!男に世間一般の「男らしさ」を、そんな奴ら、というのか、俺に求めるねい、馬鹿野郎。

 

 

余り度が過ぎるぞ、呪うぞ、こら!!

 

 

とか何とか思いたくなるが、こんな事を、あからさまに言うのは愚か、思うのも「男らしくない」かな、とか思うので、

 

 

 

 

情けない男でごめんよ〜♪

 

 

 

と、自分の駄目さ、「男らしくなさ」を、素直に認める振りをして、せめて、自分で出来る範囲内で、「男らしく」あろうとする、と言うのか、「男らしい」と思われたいとか考えたりする。

最近は、男に対して、「らしさ」を求めることに対する運動もあるが、女性のそれに比べれば、まだまだ、知名度の面でも、勢いの面でも、マイナーな運動といわざるを得ない。

 

 

女が女らしく無くても良いように、男が男らしくなくてもいいじゃないか(涙)

 

 

まあ、こんな事を、グダグダ書いている時点で、十分「男らしくない」ので、自分の「男らしさ」を、これ以上下げないためにも、これ以上は書くまい。と言うか、やっぱり、「男らしく」ありたいしね。

 

 

 

進め駄目人間