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tamay.gif   レトリックの夢 J      「ふむふむ」さんの夢  chibiz.gif


ご飯のメニュー

険しい山を一人で登っている自分が見える。
あと少しのところで頂上というときに
足元の岩がくずれて私はそのまま谷間に落ちていく。

落ちていく途中で、今日の昼ご飯のメニューが浮かんでくる。
このまま落ちたら死ぬのかなと冷静に考えている自分がおかしい。
いよいよ地面にぶつかるというときになって
ご飯のメニューが彼の嫌いなものばかりであることに気づいた。



道と柵

舗装された道がやがて下り坂となり 
その脇に川が並んで流れている。

川と道は柵で仕切られており、どこまでも続いている。
川側から、同僚の女の子が声をかけてくる。
柵の向こうからである。

「どんなことができるの」と私に聞いてくる。
そこで私は柵越しに近づいてキスをする。
「もっと他のことは」と女の子は聞いてくる。
そこで夢は中断してしまう。


 




夢とレトリック11 : 夢における「訂正」

夢レトリックとしての「ためらい」はかなり密接な関係にある場合
片方を示すともう一方を類推することができるものですね。

原因に対しての結果のように先行するものが後続を決める。

夢のストーリーは流動的ではあるが一方を示せば、他方が分かるとき
他方をあえて示さないことにより、その他方がより鮮明に見えてくる効果を意図的に使うことがあります。
先行するイメージを鮮明にさせるために後続するイメージをあらかじめ提出する技法や
その反対に、後続するイメージを鮮やかに意味付けるために
先行イメージを夢ステージにさらけ出すということもあるのです

 

by エリカ   




ご飯のメニュー

谷間に落ちていくことの意味は夢の後半で明らかになりますね。
ご飯のメニューが彼の要望に合わなかったということなのです。

足を踏み外せば、落ちることになる。
これを入れ替えると「落ちることになった」のは「足を踏み外した」からということになるわけです。

ご飯のメニューが浮かんできたのは彼の嫌いなメニューばかりだったからということと
組み合わせて考えることにしましょう。

この場合、夢のテーマは「彼の嫌いなメニュー」ということになるのかもしれませんね。
落ちたのだから、それは地面に激突するという結果をすでに夢は用意していることになります。
反対に地面に激突するなら、どこからか落ちたのだという先行の事実を明示することになります。

このような密接な関係は
先行とするものと後続するものを入れ替えても、ほぼ同じ状況を表すことができ
どちらを主にし、従にするかはあなたの認識しだいということになるのです。

坂道で転んだとき、そこにある石のせいにしたがりますが
石があったから、転んだのではなく、転んだからそこに石があったのかもしれませんね。
何かを失うことになるとき、諦められない気持ちが強くなることもありますね。
そんなとき、素直になれないものです。

つまり、諦めたということを表すのに直接、そのことに触れないで
その実行が困難であるという前提を述べることにその表現の中心を移すこともあるということです。


道と柵

夢は突然始まるように思える。
終わる瞬間はわりと意識されるのに、夢のスタートは意外にわからないものですね。
夢では「下り坂」から始まる。その先行イメージは何だったのでしょうか。気になりますね。

「舗装された道」のイメージに後続するものはこの場合、何を持ってくるのでしょうか。
「道と並行する川と柵の存在」から、何に帰結しようと夢はたくらんでいるのでしょうか。

「キスをしたのに、もっと他のことは?」と聞かれる。
それに対する行動を起こしてはいない。
夢がそこで中断するから、困ってしまう。
前提だけを夢に見させて、その結果を見せない。
その結果は夢見者には密接で明らかなことだからだろうか。
そればかりは、夢を見たあなたにしかわからないが
夢はそれを類推できるだけの夢要素を配置している。
そこから、導き出されるいくつかの推理はあなたを納得させるかもしれないが。
先行するものと、それを後から追いかけるもの
そして、その入れ替えによる表現は
いずれも、そこにあなた自身の認識の枠組みを見せているのです


by ふむふむ