あかりを消した子どもべやに、月あかりがさしこんでいます。
窓をふるわす風の音で、目をさましてしまった ちいちゃんは、
ぼんやりと、お外に目をやりました。

まぶしいほどに光った おつきさまが、
ますます高いところにのぼっていました。
でも、さっきより、すこしちぢんだような気がします。

木の枝がゆれ、
おいしそうな、わたあめみたいな雲が流れていきます。
おつきさまのところまで来ると、
ちょっと立ち止まり、とろっととろけていきました。


(あーっ!食べてるおつきさま!雲を食べてる、食べてる!!)


ちいちゃんのむねはドクドクと鳴り、
耳がカアッとあつくなってきました。