第125回

肺癌の脳転移48才男性その後は・・・

01.4.21

第105回で紹介した48才の男性のその後です。

48歳の男性が突然左の手の使いづらさ、左足の引きずり歩行を自覚しました。その後バイクで走行中転倒したため、奥さんに相談し私の外来を受診しました。外来でCTスキャンを施行しましたところ右大脳半球皮質下(脳の表面に近いところ)に著明な脳浮腫を認めました。MRI上はやはり浮腫を認めますが、その浮腫の中心部に腫瘍を認めました。MRIの造影検査ではこの腫瘍は著明に造影されました。画像からは転移性脳腫瘍を疑う所見でした。結局肺がんの脳転移と診断されました。脳神経症状がすでに出ているため緊急の治療の必要があり、S病院に紹介し、ガンマナイフ治療を施行しました。この時点で本人に癌の転移であることを告知しました。本人も前向きに治療を希望され、ガンマナイフ治療後、麻痺は著明に改善しています。

治療終了後数ヶ月後のMRIです。まだ病変は残っていますが著明に改善しています。
必ず再発するでしょうがこの状態が長く続いてくれればいいと思います。
現在のところ元気に社会生活をされていらっしゃいます。

治療前のMRI Gd造影

白く染まっているのは肺癌の脳転移

周囲の黒い部分は浮腫


ガンマナイフ治療後のMRI Gd造影

転移性腫瘍も縮小した

周囲の浮腫も劇的に消失した

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