87才の女性が脳幹部梗塞にて入院となりました。
症状はふらつきと呂律不全が主体で比較的軽度の症状でした。
MRIにて脳幹部に小さな梗塞の発症を認めました。
入院後ラジカットの点滴を開始しました。
ふらつきや呂律不全の症状は徐々に改善し治療効果が確認されました。
しかし、患者本人はこの治療後ある奇妙な症状の改善効果について話してくれました。
実は、この患者さんは6ヶ月前に帯状疱疹にて入院治療を受けましたが痛みの後遺症が残りたいへん辛い思いをしていらっしゃったのです。
ところが脳幹部梗塞にて入院してラジカットの投薬を受けてから、その6ヶ月間続いた痛みが消失したと言うのです。
患者さんは脳梗塞の症状が改善したことよりもこの痛みがとれたことの方が嬉しかったようです。
何の根拠もなく理論的な推測も出来ませんが、フリ−ラジカルスカベンジャ−であるラジカットがヘルペスの後遺症である痛みを消した一症例を経験しました。
偶然かもしれませんがこの薬は保険で認められた適応以外にも効果があるのではないかと思います。
今後さまざまな分野の専門家による検討が期待されます。
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