緊張型頭痛

緊張型頭痛について

日常頭痛のなかで最も多いものです。
緊張型頭痛は、以前は「筋収縮性頭痛」とよんでいたことがありましたが、現在は緊張型頭痛と呼ぶようになりました。

1988年の国際頭痛学会の新分類では、緊張型頭痛の起こり方から、反復性発作性と慢性に分け、それぞれが頭部筋群の収縮(硬直)を伴うか伴わないかに分けています。



緊張型頭痛の特徴

頭痛の原因の7〜8割を占めます。
中高年に多い頭痛で、女性、男性の頻度の差はありません

片頭痛は発作的ですが、緊張型頭痛は徐々に始まり、だらだらと持続します。

朝よりも疲れてくる夕方の方が症状が出やすいようです。
後頭部から首筋にかけて痛むことが多いようです。(頭全体のこともあります)
肩こりの合併が多いようです。
片頭痛とちがって、多くは、両側性に痛みます。
痛み方は、圧迫感、緊迫感、頭重感が特徴です。
具体的には、「鉢巻きをしているような」締めつけられた感じが多いようです。
拍動性(心拍に同期した痛み)はありません。

頭痛の程度は、軽度〜中等度で日常生活への影響は軽度です。              仕事は続けられることがほとんどです
目がつかれたり、体のだるさや、ふわふわしためまい等を伴うことが多いようです。
片頭痛の特徴である吐き気や嘔吐、音や光に対する過敏は原則としてありません。


緊張型頭痛の原因

ストレスがあると、頭のまわりの筋肉が緊張します。
筋が緊張しすぎると、痛みを覚えるようになります。
これが緊張型頭痛なのです。
頭痛があることが、またストレスになります。
こうなるといつまでも頭痛が続くことになります。
こうして緊張型頭痛がだらだらと長引くのです。

精神的なストレスと、身体的なストレスの両方で起こります。         緊張型頭痛は、筋肉や精神の緊張をうまく解消できない人に起こりやすいのです。      
ストレス、不安、抑うつなどが長期間続くと、「精神的なストレス」がたまります。
すると神経や筋肉の緊張が高まり、痛みに敏感となり、頭痛が起こります。

姿勢の異常などによる筋肉へのストレスにより、
頚や頭の回りを取り巻く筋肉が収縮して凝り固まった結果、重圧感を生じます。
この種の頭痛は、1日中コンピュータに向かう人に多くみられます。

悪い姿勢は緊張型頭痛の最大の原因のひとつです。
くびの骨に異常があったり、くびの骨の悪い力−ブ、首の筋肉が弱くても原因となります。
枕の高さにもご注意ください。


鎮痛剤の乱用も原因の緊張型頭痛の重要な原因のひとつです。
顎関節症は緊張型頭痛と関係深いこともわかってきました。


緊張型頭痛の治療

緊張型頭痛はストレスが原因している事が多いので、治療としてはやはりストレスをうまくコントロールすることです。

精神的にも、肉体的にもリラックスする事が大切です。

それぞれにストレス解消法を持つことが大切です。

人それぞれストレス解消法は異なるはずです。

当然のことですが、

1.あまり根を詰めない。休憩をとる。

2.適度な運動(散歩、ジョギング、体操等)をする。

3.ひとによっては、入浴、アルコール、カラオケ等もストレス発散になるでしょうが、逆効果のひともあるでしょう。やりすぎてもいけません。

4.普段から姿勢に気をつける。

5.もちろん、指圧やマッサージも効果的だと思います。

薬物療法としては、湿布、鎮痛剤、筋弛緩剤、軽い精神安定剤、抗うつ剤等を併用します。
慢性頭痛に鎮痛剤を毎日のようにのむと、かえって痛みに敏感となり、頭痛が取れなくなってしまうことがあります。

医師の診断のもとに、筋弛緩剤や精神安定剤なども上手に内服すると、少ない鎮痛剤で頭痛をおさえることができます。頭痛に詳しい医師とご相談下さい。

薬物だけではなく、生活習慣や環境を変えることが非常に大切です。
緊張型頭痛によく似た脳腫瘍もありますので、経過が長いときには一度医師の診断を受けて下さい。

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