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              福岡県山門郡山川町立 山川南部小学校  下川善史

  御存じ有名な野口実践の追試です。(2000年4月26日実施)
 ただし保護者参観での実践だったので、音読の仕方を相互評価させる部分は追試し
 ていません。
  4月第1回目の保護者参観でしたが、大好評の授業でした。
  なお、「うとてとこ」の詩は次の通り。

     うとてとこ
            谷川俊太郎:作
    うとうとうとう
    うがよんわ
    うとうとうとうと
    いねむりだ

    てとてとてとて
    てがよんほん
    てとてとてとてと
    らっぱふく

    ことことことこ
    こがよにん
    ことことことこと
    とをたたく

(1)主な発問・指示と子供の反応

今日勉強する詩の題名を書きます。

 黙って「うとてとこ」と板書する。

指示 これを読んでもらいます。
   ○列起立。前の人から順に読んだらすわりなさい。

 うなずいて聞いてやり、ひとりが読み終えるごとに各人それぞれの読みの違いを確認する。

発問1 これ、何でしょう?

 これだけでは何のことかわからず、みんな首をひねる。

詩の1行目を書きます。

 「うとうとうとう」を板書する。

指示 (指名して)1行目を読みなさい。

 数名に読ませる。

発問2 これ、何でしょう?
これだけだと、何のことかわかりませんね。でも、次の2行目を書くとわかるかもしれません。

 「うがよんわ」と板書。すると、「何か鳥が4ひきいるんだ」という声。

そうです。「う」という鳥が4羽いるのです。

 と説明しながら、「鵜」と板書する。

指示 1行目と2行目を読んでもらいます。

 一斉に読ませる。
 その後、3行目と4行目の「うとうとうとうと いねむりだ」を板書。

発問3 さて、ここまでが一連ですが、一連はどんな意味なのでしょう?
実は、「鵜という鳥が4羽いて、居眠りしている」という意味なのです。
発問4 第一連は、前二行と後二行を読むときにちがう読み方で読みます。どのように読めばよいでしょう。

 ある子が、「前半は、鳥を数えるように少しゆっくりとはっきり読んだ方がよい。」と答えた。

指示 そうだね、今言ったように、前半は鵜の数を数えるようにゆっくり、後半の二行は流れるように読みましょう。

 列指名して音読させる。その後、一斉読みをさせる。
 次に、第二連の「てとてとてとて」を板書する。(この時点で、すでにかなりの子がこの言葉に気づいていた)

発問5 この後、何が来るでしょう。

 「てがよっつ」などと返ってくる。

発問6 「てがよんほん」ですね。さあ、次は何が来るでしょう。

 「そうだね。てとてとてとてとが来るんだね。」と言って、「てとてとてとてと」を板書。

発問7 さて、次は何が来るでしょうか。

 これはむずかしかったようで、「てをつなぐ」などの意見が出された。
 「らっぱふく」と板書して正解を告げる。

発問8 「てとてとてとてと」とはどんな意味だろうか。

 これもむずかしく、「ラッパの音」を表す言葉だと説明した。
 一・二連を読ませた後、次の発問をする。

発問9 この詩はこれで終わりでしょうか、まだ続くでしょうか。

 全員が「つづく」と答えた。
 理由は題名が「うとてとこ」なのに、まだ「う」と「て」しか出てきていない。この後に、「こ」が続くはずだ、という理由であった。

発問10 みんなが言ったように、この詩はまだ続きます。では、この続きの第三連は何が来るでしょう?ノートに書きなさい。

 この後、まず、三連の前半2行を発表させて確認し、「ことことことこ こがよにん」と板書した。
 そして、後半2行は異なる考えをすべて黒板に書かせて、自分の答えを読ませた。
  
  @ことことことこと    Aことことことこと   Bことことことこと
   あそんでる        あそぼうよ       こどもがあそぶ
  Cおゆがわいた      Dたいこをならす    Eこだいこだ
  Fやさいきる       Gあるきだす      Hうとてとこ
  Iくぎをうつ

 以上のような十数個の意見が出された。これらの意見を賞賛し、特に最後の行が五音になっているものをほめた。
 ちなみに、正解の「とをたたく」と書いた子は一人であった。
 最後に、次のように説明して授業を終えた。

この詩は、谷川俊太郎という人が作った詩です。「言葉あそび歌」という本の中に入っています。


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