デンドロビウム(Dendrobium)

   品種名の由来は、木や崖に着いている姿から樹木(dendron)+生ずる(bios)を意味するギリシャ語から名付けられました。

   着生蘭。原産地は熱帯アジア、オーストラリア、ハワイ、日本です。本属に分類される蘭は約1,000種を数えます。日本にはセッコクなど3種が自生します。

   栽培は割合と易しく、東京近辺では無暖房でも越冬可能とも言われます。成長期と休眠期がはっきりしていて、成長期には十分な日光、空気、水および肥料を与えて良く伸ばし、休眠期には水を控えて開花を促すことが栽培のポイントです。冬の適温は7℃〜10℃、最低2-3℃の低温下でも乾き気味にすれば耐えられます。花付をよくするには、直射日光でない光線によく当て株を充実させることです。

1.ファーメリ(Den.farmeri)

   インドからマレー半島にかけて広く分布。茎は紡錘形、上部3,4節ががふくらみ菱形となります。茎の長さは20cm前後、菱形となった部分の直径は1.5-1.7cm。葉は茎の先端から2−4枚生じ、緑色、革質で卵形〜披針形、16-18cm x 3.5-3.7cm。花は径5cm、萼片白〜淡藤色、唇弁は基部が黄色。開花は春から初夏にかけて。

   写真の株は、蘭展で購入したものが長年開花しなかったところ、2001年にようやく花を開いたので展示しました。

 

2.キンギアナム(Den.kingianum)

 

  オーストラリア原産。茎は棒状で基部が太く、上部にいくにしたがい細くなります。長さは15-20cm、太さは太い部分が径1cm前後、細い部分が径3-5mm。葉は披針形、8-10.5 x1.5- 2.8cm、3−6枚を先端部分につけます。花は茎の先端部分から長さ7-9cmの花柄を1−3本伸ばし、6本前後の小花柄の先に開花します。花は13 x 7mmの萼片3枚、1 x 0.5cmの花弁2枚および1 x 0.7cmの唇弁からなります。花色は白から濃赤紫、唇弁には赤紫の斑点が入ります。濃密な匂いは強烈で、部屋の中に置いておくと部屋中匂いに満たされます。開花は春。

   非常に丈夫な蘭で、摂氏零度前後でも耐えられます。ただその場合は花付きが悪くなります。生育適温は10℃前後です。又株立ちがよく、どんどん増えていきます。従って、温室がなくても十分楽しめる洋蘭です。

3.ポケット・ラブ(Den.Pocket Love)

      白花形の小型種で、育てやすい。蘭展で購入したものを培養したもの。

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