リカステ(Lycaste)

   属名は、ギリシャ神話のトロイ王プリアモス(Priamos)の娘リカステ(Lycaste)に因んで名付けられました。

   普通は着生蘭とされていますが、品種によって湿った崖地や岩で地生するものもあります。原産地は、メキシコからブラジルにかけての熱帯アメリカ高地です。

   球茎は扁平な卵形、頂部に広披針形でしわがある大きな葉(7-8cm x 50-60cm)を2〜4枚付けます。花茎は球茎の基部より1本から数本生じてそれぞれ1花を付けます。花は大きく、肉厚で、ピンク、黄、緑、赤など多彩です。萼片は大きく3方に展開し、花弁と唇弁は蕊柱を包むように前方に伸びます。

   花期は冬から春が多いのですが、夏に開花するものもあります。

   栽培は、成長期の春から秋にかけて水、肥料を多く与えてバルブを太らせ、花芽の形成を促します。落葉性の種は、晩秋になるとバルブの上の葉が黄変して落ちるので、水やりを控えます。置き場所は冷涼な半日陰の場所。遮光、通風に注意することが良い花を咲かせるコツです。

1.品種名の不明な種

   写真の株は、花屋さんで見つけて購入したもので、ラベルがなくて品種名が分かりません。葉と花が同時に見られます。この株は1月頃一旦花芽が出てきたのですが、条件悪く腐って落ちてしまい、今年の花を諦めていたところ、6月頃になって花があがってきたものです。

 

2.ファイアーバード’アイ’(Lyc.Firebird 'Ai')

   花径14.5cmにもなる大輪花を咲かせます。萼片は7.5 x 3.7cm、サーモンピンク、裏面は黄白色、花弁は4.2 x 3.3cm、朱赤、裏は白に赤の縁取りが入ります。唇弁は1.5 x 2.2cm、朱赤、花柱は0.5 x 2.0cm、黄白。扁平、卵形のバルブは3.5-4.0 x 9.0-10.0cm、厚さ3.0cm、薄緑。バルブの頂部から2〜3枚の葉8.0 x 60cmを出します。

    本種は、サカタのタネから購入したもので、1年栽培して今冬開花したものです。

 

3.ピヨ(Lyc.’Piyo’)

   2005年2月19〜27日の期間開かれた、世界らん展日本大賞2005会場に出展していたアボウオーキッドで購入した株です。

   Lyc.Koolena x Lyc.Hamana Burrittで作出されたリカステで、比較的耐寒性あり、作りやすい。花径は10cm程度と小型ですが、花付きよく、1バルブに6本程度の花茎を伸ばしてミルク色の花を咲かせます。

   バルブは卵形4 x 8cm、頂点から30-35cm x 7cmの薄緑色の葉を2,3枚伸ばします。花は、バルブの脇から25cm程度の花茎を5,6本伸ばして咲きます。花色は萼片、花弁ともクリーム色、唇片は黄色味を帯びます。

    

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