最近飲んだポムロールワイン（36）

このコーナーは筆者がMMCのワイン会以外で飲んだポムロールワインを紹介するコーナーです。

最近飲んだポムロールワイン（36）
Ch.La Fleur de Gay 1985
Ch.Certan Marzelle 1998
Ch.Croix des Templiers 2001
Ch.Ratouin 2001

シャトー・ラ・フルール・ド・ゲイ　１９８５　２００５年2月23日

「では、お嬢さんが20歳になったら飲んでみなさい。」
そう言われてこのワインを頂いたのが1992年の夏の事です。
初めてポムロールを訪問した年です。
ラ・フルール・ド・ゲイはラ・クロワ・ド・ゲイの５区画から成る畑の一部、ペトリュスとラフルールの間にある区画などの
樹齢の高い優れたメルロ100％で造られ、1982年がファースト･ヴィンテージです。

ラ・クロワ・ド・ゲイのサロンに置いてあったユーロカーヴの中に何故か
キャップ･シールのない1985年が一本転がっていました。
「1985年はまだあるのですか？」とオーナーのノエル・レイノー氏に尋ねてみたところ、
「ほとんどアメリカに売ってしまって、もうありません。」との返事でした。
独り言のように「娘のヴィンテージなんです・・・・」呟くと、
レイノー氏はその1985年を取り出し、キャップ・シールを被せてプレゼントしていただいたのです！

もちろんハンド・キャリーで持ち帰り、約13年間セラーで寝かせていました。
当時のまま、ほとんど目減りも無く完璧な状態です。

熟成を感じるガーネット色。
香りは強烈さは無いものの健全。
下草、ドライフルーツ、きのこなどの複雑な香り。
衰えをみせない見事なプロポーションを保っています。
ミディアム～フルボディで、典型的な良質のメルロの熟成味が楽しめます。
レグリーズ・クリネ1985には及ばないものの、そのニュアンスも感じられます。
貴重な成功した1985年のポムロールのひとつです。

ma note 92

シャトー・セルタン・マルゼル　１９９８　２００５年3月10日

フランスへ旅行期間中、最終日にパリのワイン・シップ「ニコラ」で買ったポムロールです。
このセルタン・マルゼルは1999年、ジャン・ピエール・ムエックスの所有となり、
現在メルロ100％で造られています。
ラベルのデザインも変わってしまい、貴重な旧ラベルのセルタン・マルゼルです。
このラバルの所有者名は旧所有者のドメーヌ・ジローではなく、ジャン・ピエール・ムエックスになっています。
ちなみに価格は54ユーロでした。

シャトー・セルタン・マルゼルはシャトー・セルタン・ジロー（現在のオザンナ）のセカンド･ワインとして
知られていましたが、実際はどうなんでしょうか？
シャトー・クロ・デュ・ロワという銘柄がセルタン・ジローのセカンド・ワインだと書いている
文献もありました。

少し茶色を帯びた濃いルビー色。
バニラときのこ、土、枯葉などの熟成香と微かに獣臭。
今風の味ではなくオーソドックスな味。酸もしっかり感じる。
アルコールのツ～ンがちょっと気になる。
時間が経つと味はクリーミーに。

ma note 88-89

シャトー・クロワ・デ・テンプリエ　２００１　２００５年3月31日

全く無名のポムロールです。畑の場所はシャト・ラ・ポワントの北西にあります。
もともとシャトー・リファ（Riffat)という名前だったようです。
栽培されている葡萄品種はメルロ70％、カベルネ・フラン20％、カベルネ・ソーヴィニヨン10%です。
面積は3.2haです。

まだ一度も飲んだことがなく、フランスから取り寄せてみました。
他にカスティヨンやピュイスガンのワイン12種類と一緒にデギュしました。

下草や土、ヨードの香り。
アルコールがツーンと来る。
田舎でのんびりとグラスを傾けたいワイン。（ma note: 75）

それから2/3残ったボトルを翌々日に再検証しましたところ、
これがかなり変化していました。
少し甘み（旨み）が増して、クリーミーさとシルキーさが出ています。
全く別のワインのようでした。前言撤回。

ma note 81
短時間でワインを評価するのは無理がありますね。

シャトー・ラトゥーアン　２００１　２００５年4月5日

ポムロールの西側のリュ・ディ「ルネ」にある無名のポムロールです。
もともとシャトー・ランジェリュスという名前だったのですが、
サンテミリオンにも同じ名前（当然こちらのほうが断然有名です）が存在するために、
現在の名前に改名したようです。
樹齢は50年。メルロ80％、カベルネ・フラン20％です。
収穫は手作業で行われ、醸造はステンレスタンクで3週間行われます。
熟成は樽で100％、新樽使用率は20％です。
ほとんどが一般の個人客に販売されているため
あまり海外へは流通されていないようです。
ポムロールの生産者協同組合で15ユーロで買ってきました。

暗いルビー色。濃度は普通。
香りは弱め。特に際立った芳香は感じられず、
味もオーソドックスではあるが心沸かせるものは感じられなかった。
まあ１５ユーロですから文句はいえません。
一緒に飲んだヨッシーが機嫌悪くなってしまいました。＾＾；

ma note 79

	Ｉｓｓｕｅ 35へ			Ｉｓｓｕｅ 37へ
	BACK	CLOSE	INDEX	HOME