このコーナーは筆者がMMCのワイン会以外で飲んだポムロールワインを紹介するコーナーです。

最近飲んだポムロールワイン(39)
Couvent de l'Eglise 1999
Chateau la Clemence 2002
Chateau Closerie Mazeyres 2000
Chateau Certan de May 1985


クヴァン・ド・レグリーズ 1999 2005年8月14日

クヴァン・ド・レグリーズの位置付けははっきり解らないのですが、
シャトー・デュ・ドメーヌ・ド・レグリーズのセカンド・ワインのようで、そうではなさそうなワインです。

Coks & Feret Bordeaux et ses Vinsによれば1973年にこの区画を取得したと書かれていますが、
セカンド・ワインでもなく、別ブランドでもなさそうです。
しかもドメーヌ・ド・レグリーズの所有者はカステジャ家の所有ですが、
クヴァン・ド・レグリーズの瓶詰めはその関連会社のボニー・マヌー社が行っています。

要するにドメーヌ・ド・レグリーズの畑の一部からボリー・マヌーが造った、
ポムロールのジェネリック・ワインと考えたほうがいいのかもしれません。


やや薄めのガーネット。
パプリカ、ピメント、茎っぽい。
エレガントで軽い口当たり。
ma note : 75


シャトー・ラ・クレマンス 2002 2005年9月17日

このシャトーの存在を知ったのは2002年3月初旬、ワイン・アドヴォケイト139号にて2000年ボルドーの
評価が出ていた事からです。
全く知らなかったポムロールだったのですが、サンテミリオンのシャトー・デスティユーの所有者であることを
辿って少量だけ引張り、初めてデギュしたのが2002年4月19日です。
(ワイン・アドヴォケイトでは2000年がファースト・ヴィンテージと書いていましたが1996年から造っているようです。)
その約1ヶ月後、5月21日にはシャトーを訪問しました

2002年からこの新しい醸造所で造られた、記念すべきシャトー・ラ・クレマンス2002かもしれません。
楽天市場で\7,800で販売されていましたが、1日間限りの特別価格\6,500を見て購入しました。
輸入業者はサントリーで、大手のインポーターがこんなマニアックなシャトーを輸入していたのには
聊か驚きです。



光を透さない程のダーク・ルビー色。
カカオ、ビターチョコレート、ミネラルの香り。
時間と共にミネラル分が強く感じられる。
口中では、色の濃さと裏腹にそれほど重くはない。
ミディアム〜フル・ボディ。
2002年の地味なヴィンテージとしては魅力あり。
ma note:89-90


シャトー・クロズリー・マゼイル 2000 2005年12月25日

ポムロールに精通している人であれば、マゼイル(Mazeyres)という言葉を聞くだけで、
そのロケーションもある程度把握することができ、またこの名前を冠するシャトーには
興味が湧かないという事実も否定できないかもしれません。
実際、畑はポムロールの最も西側(SNCFよりもさらに西側)で最も低地で、
砂が多い土壌になります。
シャトー・クロズリー・マゼイルはシャトー・ラ・コマンドリー・ド・マゼイルのセカンド・ワインになります。

14世紀からの歴史がありシャトー・マゼイルが分割され、2000年6月にクレマン・ファヤ(サンテミリオンのラ・ドミニックも所有)が
購入し、設備投資が行われました。

面積:9.5ha 栽培密度:6,000本/ha 平均樹齢:40年以上 メルロ55%、カベルネ・フラン45%、
手摘みで除梗 70hlの木製タンクで25-35日間の仕込み ミクロオキシジェナシオン
新樽でマロラクティック醗酵 50-70%新樽で15-18ヶ月の熟成
生産量:18,000本のうちの35-50%がこのセカンド・ワインにまわされる。



暗いルビー色。
微かにビター・チョコレートの風味があり、ミネラルとスパイスを感じる。
赤いフルーツよりも黒スグリなどの黒系のフルーツ。
無名シャトーのセカンド・ワインとしては堂々としてちょっと生意気な感じ。
レベル的にはシャトー・ネナンのセカンドに匹敵する。
ma note:87


シャトー・セルタン・ド・メイ 1985 2006年2月8日

ここ数年のうちに飲んだ1985年のポムロールで感動したワインはシャトー・レグリーズ・クリネ、
そしてシャトー・ラ・フルール・ド・ゲイです。
それに較べてシャトー・ペトリュス1985は植物的で魅力に欠けていました。

セルタン・ド・メイ1985は長いことセラーで寝かせていました。
突然無理矢理起してしまって機嫌が悪いのではないかと思い、
恐る恐る抜栓してみました。
コルクの状態も比較的良さそうです。

香りは全く健康そのものです。お漬物系統の香りは全くありません。
むしろ赤系のフルーツが充満しています。
開けた瞬間からGoサインです。
ブルゴーニュのようなチェリー系統のフルーツも感じられます。
「これは、なんとも言えない美味さ。」
時間と共にタールの香りが混ざってきます。
当初女性的だった果実味が男性的に変化し始め、そして獣香と変わってきました。
あまりにも美味かったのですぐに空になってしまいました。

ma note:92


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