このコーナーは筆者がほそぼそと飲んだポムロールワインを紹介するコーナーです。
最近飲んだポムロールワイン(57)
Chateau la Cabanne 2005
Chateau la Violette 2006
Grand Enclos de Riffat 1995
Chateau la Rose Figeac 2005
シャトー・ラ・カバンヌ 2005 2010年8月21日 |
シャトー・ラ・カバンヌはエスタジェ・ファミリーが所有しています。
フランソワ・エスタジェはコレーズ出身で1912年にリブールヌに移住しワイン業を営みました。
現在ポムロール、サンテミリオン、ラランド・ド・ポムロール、モンターニュ・サンテミリオンに30haの畑を所有しています。
シャトー・ラ・カバンヌは面積10ha。トロタノワの北側に位置します。
砂利粘土質の表土と地下層は鉄分を含んだ砂質になります。
品種は82%メルロ、8%カベルネ・フランが栽培されています。
ねっとり感のある暗いルビー。
ミネラル、黒系のフルーツの香り。タールや海藻などの磯の香りが感じられます。
これだけ濃い色ですとビターチョコレートのような香りを期待するのですが、ほとんど感じられません。
辛いタンニン。シックな味。大人の味ですね。
無理な抽出は行わず自然な造りが感じられます。
タンニンが柔らかくない分、今飲むより少し寝かせてから楽しむのがいいようです。
ma note : 87
シャトー・ラ・ヴィオレット 2006 2010年8月29日 |
シャトー・ラ・ヴィオレットはル・パンとトロタノワの間という絶好の場所に畑があります。
前所有者だったデュマ・ファミリー時代のシャトー・ラ・ヴィオレットは気軽に飲める低価格帯のポムロールでした。
この2006年からは所有者が変わり、シャトー・ル・ゲやシャトー・モンヴィエルのオーナーであるペレ・ヴェルジェが運営しています。
生産量も少ない事と、また非常に高価なワインとなってしまったため、
日本で探すのは非常に困難でした。
幸い、今年このペレ・ヴェルジェ関連のワインの正規インポーターが決まったようです。
こちらでテクニカル等も詳しく紹介されています。
http://www.iidawine.com/asp/winary/winary.asp?Wcd=10111655
さて、新しく生まれ変わったシャトー・ラ・ヴィオレットで最も注目すべき事は、
非常に丁寧に手作業で収穫し、除梗・選別している事と、
もうひとつ、公式サイトで2006年の収穫・醸造の写真で解るようにバリックを使って醗酵を行っていることです。
こちらを参照してください。
http://www.montviel.fr/html/galerie.php?idgalerie=42
エチケットは当初、この紫色のエチケットが採用される予定だったと思います。
最終的にはこのエチケットになったようです。
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表ラベル 右下にシーリング・ワックス (封蝋)が押されています。 |
裏ラベル |
紫を帯びたルビー。
コルクを開けた瞬間に芳香が漂います。かなり香りはいいようです。
心地よい樽の香りと赤いフルーツ類の香りがうまく融合しています。
味わいは予想に反してヘヴィーではなく、自然で素直な味わいです。
黒よりもどちらかと言うと赤のイメージのワインです。
新鮮な果実味があります。
力でぐいぐいと攻撃するワインではなく協調性が感じられる良くできたワインです。
ただ値段を考えるともう少し凝縮度が欲しいところですね。
ma note : 91-92
グラン・ダンクロ・ド・リファ 1995 2010年9月5日 |
所有者のメゾン・ファミリーはコレーズのサン・シュプピュス・ド・ボワの出身で、
現在の祖父にあたるフランソワ・メゾンが19世紀後半にワイン業を営んでいます。
20世紀前半になると事業を拡大し、息子のロマン・メゾン、そして孫にあたるリュックとマルクが引き継いでいます。
4つのアペラシオン(ポムロール、サンテミリオン、グラーヴ・ド・ヴェイル、ボルドー)に126haの畑(敷地190ha)を所有しています。
場所はポムロールの西側、ペトリュスより8時の方向、シャトー・ボナルグの近くの低地にあります。
グラン・ダンクロ・ド・リファはシャトー・マルジ(Chateau
Marzy)のセカンド・ワインのようですが、
現在シャトー・マルジ・グラン・ダンクロ・ド・リファ(Chateau
Marzy Grand Enclos de Riffat)と、
名前がくっ付いてしまっていますので、近年このブランド名では生産されていないようです。
2007年版のCOCKS & FERET BORDEAUX ET SES
VINSではシャトー・マルジ(7ha)と
シャトー・グラン・ダンクロ・ド・リファ(3ha)は別個のものとして取り上げられていますが
栽培品種はメルロ80%、カベルネ・フラン20%です。
熟成したブルゴーニュのような色。
たばこ、杉、そしてブルゴーニュの熟成したようなブケ。
果実味に欠けますが、タンニンはまだ強く感じられます。
熟成した味が楽しめるワインですが、長期熟成向きではありません。
ma note : 80
シャトー・ラ・ローズ・フィジャック 2005 2010年9月11日 |
シャトー・ラ・ローズ・フィジャックはその名前が示す通り、ポムロールの南部、
サンテミリオンのシャトー・フィジャックの近くにあります。
所有者のデスパーニュ・ラパン(Despagne Rapin)サンテミリオンにシャトー・メゾン・ブランシュ等所有しています。
このファミリーがラ・ローズ・フィジャックを購入したのは1961年のようです。
裏ラベルからの情報ですと、
2005年はメルロ100%のようで、9/15〜9/20の間に収穫が行われ、
新樽で12ヶ月間の熟成後2007年7月20日瓶詰めされたことが記述されています。
また清澄、濾過も行っていないようです。
ラ・ローズ・フィジャックはポムロールに醸造設備がなく、サンテミリオンのシャトー・メゾン・ブランシュで行っています。
暗いルビー色。
赤いフルーツやミネラル分を感じます。
果実味は控えめでドライなタンニン。
このタンニンと酸のバランスが良く取れています。
濃縮したタイプではありませんが、決して弱くなく
非常に良くできたワインです。今後注目すべきシャトーです。
ma note : 88-89
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