このコーナーは筆者がほそぼそと飲んだポムロールワインを紹介するコーナーです。
最近飲んだポムロールワイン(60)
Chateau Roy Rene 1975
La Roseliere 1982
Chateau Trotanoy 1974
Domaine Roses Camille 2006
シャトー・ロワ・ルネ 1975 2010年11月13日 |
シャトー・ロワ・ルネ。
初めて聞いた名前のシャトーです。
海外のオークションに出ていました。
25ユーロで入手しました。
生産者名はDomaine Dubourg, Fermiers-Vignerons (ドメーヌ・デュブール、小作人-栽培者)と書いてありますが、
Proprietaireとは書かれておりませんので、所有者ではないようです。
名前から察するとクロ・ルネ辺りにある畑だと思います。
やや薄めのガーネット。
素晴らしい香りが立ち上ってきます。
湿った土、石灰、マシュルーム、杉そして甘い香り。
バーガンディー・グラスで飲みたくなります。
まさにブルゴーニュの熟成した究極の素晴らしい香りに似ています。
時間が経つと紅茶のようにだんだんと枯れてきます。
ma note : 88
ラ・ローズリエール 1982 2010年12月11日 |
ラ・ロゼリエールという表記で販売されていますが、
日本語表記ではロズリエールまたはローズリエールが正しいでしょう。
ちなみにラ・ローズリエール(ラ・ロゼリエール)という畑は存在しません。
どこかのシャトーの売れ残りのワインをネゴシアンが購入し、その名前を伏せて販売されてたのかもしれません。
(ブルゴーニュでもよくある話です。)
ラベルにはMIS EN BOUTEILLE PAR VS A F33390 と書いています。
瓶詰めしたのは VS と略され、所在地は郵便番号が33390です。
検索するとBlaye (ブライ)界隈の業者であることが判明できました。
(ちなみにポムロールの郵便番号は33500です。)
澱はまったくありませんので最近瓶詰めされた事が伺えます。
暗いルビー色。
1982年とは思えない程、濃い色をしており、まだエッジには紫色が残っています。
若いワインを相当ブレンドしたのでしょうか?
香りはほとんど揚がってきませんが、
鉄っぽさ、かすかに感じる腐葉土、ピーマン香がりますが、フルーツの香りはほとんど感じられません。
ポムロールとしては深みに欠けるワインですね。
ワインとしては悪くはありませんがこのワインはACボルドー、ACボルドー・シュペリュールのレベルです。
また1982年というヴィンテージは全くの偽りのように思えます。
ma note : --
シャトー・トロタノワ 1974 2010年12月23日 |
トロタノワ大好きなMMCメンバーの女史と飲む事にしました。
1974年はオフ・ヴィンテージですので期待はしておりません。
数週間前に立てたままで澱を沈ませて万全の体制で臨むことにしました。
が、澱はあまりありません。
ますます期待度が薄れてきました(笑)
コルクを抜いてみますと、ワインの染みは半分までしか達していません。
海外(ヨーロッパ)のネット・ショップで購入したものです。
ですから、状態も全く解らなかったのですが、
これは保管状態は良かったものと思われます。
濁りも無くクリーンな色合いです。
落ち葉が堆積した晩秋の森を連想させる香り。
劣化したような香りは微塵も感じさせません。
熟成したトロタノワが良く喩えられるペトリュスのようであり、
熟成した果実味と酸とタンニンとのバランスが非常に取れています。
ボディはやや軽めのタッチですが、熟成したワインですから当然の事。
意外性のあったトロタノワ1974年です。
若いときのトロタノワ1974年の評価はどうだったのでしょうか?
ロバート・パーカーの初版の「ボルドー」を拝見しますと、
このヴィンテージ最高のワインの一つ(明らかにポムロールで最高)です。
完全に熟成していて、ここ2〜3年の間に飲むべきです。
ミディアムからフル・ボディで、好ましく濃縮されて・・・・87点と、かなり賞賛されています。
このコメントは1984年12月の時点のものですが、それからもう20年以上も経っているのにも関わらず、
まだまだ健在で十分に楽しませてくれたトロタノワの底力が感じられました。
1974年のワインをお探しの方には是非お勧めです。
しかし、保存と流通の状態で大きく味が左右されます事をお知りおきください。
ma note : 90
ドメーヌ・ローズ・カミーユ 2006 2011年1月9日 |
2005年初リリースのポムロールです。
もともとシャトー・デュ・カステル(Castel)という畑の一部から造られる特別キュヴェです。
シャトー・デュ・カステルというポムロール・ワインは過去に飲んだこともありませんし、
国内で見かけたことはありません。
このワインはバルドー・ファミリーが所有するシャトーで醸造所は
ラランド・ド・ポムロールとネアックとポムロールの境界付近にあります。
バルドー・ファミリーは現在2世代でジャン・ルイ・バルドーとクリストフ・バルドーが運営し、
他にラランド・ド・ポムロールにシャトー・グラーヴ・ド・ラヴォーを所有しています。
このスペシャル・キュヴェは面積1haの畑からクリストフ・バルドーが造っています。
畑はシャトー・レグリーズ・クリネ、シャトー・ルジェ、シャトー・ラ・ヴィオレット、シャトー・クリネに囲まれた
素晴らしい位置にあります。
メルロ100%で収量も20hl/haと抑えられ、伝統的な製法で醸造。
熟成は新樽2/3使い14ヶ月間行われます。
クリストフ・バルドーは醸造学科在籍中にシャトー・レグリーズ・クリネで研修を行い、
デビュー・ヴィンテージの2005年はレグリーズ・クリネのメートル・ド・シェであったジャン・クロード・ジローのアドヴァイスを受け造られました。
ドメーヌ・ローズ・カミーユの生産量は非常に少なく、
2005年が900本、2006年2007年が2,580本です。
重厚なボトルに詰められています。
赤みを帯びた明るいルビー。
赤いフルーツとまだ溶け込んでいない新樽の香りが前面に出ています。
まだ飲むべきではありませんね。
酸も十分に感じられます。ボディはミディアム〜フル。
2006年は濃縮されたタイプではなく、赤い果実を前面に出したタイプです。
ma note : 88-89
![]() |
Issue 59へ | Issue 61へ | ![]() |
||
BACK | CLOSE | INDEX | HOME |
Copyrights (C) 2001〜2011 All Rights Reserved