Nゲージ蒸気機関車>蒸機の紹介>9900・D50・D60
9900 1982年 | ![]() |
9900 デフなしで給水温め器は角形、ボイラーをまたぐハシゴは前側についています。先輪スポークは当時からちゃんと向こうに抜けていました。 |
D50 1982年 | ![]() |
D50 大型デフ付きで給水温め器は丸形です。ハシゴは後方です。 |
D60 1982年 | ![]() |
D60 D50の従台車をドロップ2軸にしたものです。 |
Nゲージ初のD50シリーズで、1982年に発売された古い模型です。
駆動方式はテンダードライブです。押される側の機関部もホワイトメタル一体で、見かけ以上の重さがあります。ゴロゴロと重い音を立てながらも走ってくれます。
細かいディテールはありませんが、スタイルはよいので、マイクロエース製品が出た今でも現役で活躍させている方はいらっしゃると思います。
テンダーとの間隔・キャブ下の空間・前デッキ下の空間に手を加えれば引き立ちそうです。なお、私が入手したものはどれもボイラーが後方に少し傾斜していました。
縮尺は機関車の端梁間の実測で約1/147です。動力機構の詰まっているテンダーは、それより若干大きいようです。
残念ながら現在は中古で入手するしかありません。もともと極端に品数が少ないわけではないと思いますが、さすがに最近は見ることが少なくなりました。
マイクロエースのD51はちょっと変でしたが、D52のプロポーションが割とよかったこともあり、D50も期待して待っていたものでした。
当時のマイクロエースは他社と違い、発売予定をかなり正確に守っていましたが、D50は珍しく変更されて数ヶ月遅れました。
結果は。
A6801 D50 37 岩見沢区 2002年 | ![]() |
A6801 北のD50。9本スポークの先輪で、ハシゴは前側にあります。 |
A6802 D50 140 2002年 | ![]() |
A6802 長い煙突が特徴です。こちらは南のD50ですが、商品名に所属区の表記はありません。現在梅小路の保存機であることが意識されているのだと思います。 |
どうしてこんな格好になったのかはわかりません。難しかったのだろうなとは理解できます。
個人的にはマイクロエース一番の怪作かと思いますが、現在においても唯一のプラ完成品という存在なのは間違いありません。
色んな方向から見てみますと、中には実物らしさがサッとよぎるアングルもあります。うまく割り切れれば重厚なD50の姿の一端を想像しながら遊ぶことはできます。
とにかくボイラーの長さ・大きさが強調されているので、そのへんに最もD50らしさを感じる方にはマッチするでしょう。
一部の人の改造意欲を妙にかき立て、ボイラーを作り直した方や、正中線でぶった切って幅を詰めた方もいらっしゃいました。
数ヶ月おいて、D60も発売されました。
A6901 D60 36 岩見沢区 2002 | ![]() |
A6901 今度は北のD60。スポーク先輪と、D61の従台車が装備されています。砂箱は汽車会社製の角ばったものです。 |
A6902 D60 31 直方区 2002年 | ![]() |
A6902 南のD60。プレート輪心、斜めデフです。この頃の製品は塗装の状態がとてもよいと思います。 |
これで終わりに思えましたが、2年後に貨車とのセット商品が発売されて、このシリーズは完結します。
A-8594 D60 67 2004年 | ![]() |
A-8594 「国鉄後藤寺線・D60・ホキ4200・ヨ3500 10両セット」に含まれている門鉄デフの製品です。単品売りはされていません。 |
![]() |
付属のホキ4200です。白い石灰石の積荷がアクセントになっています。 |
なおマイクロエースのD50シリーズの動輪は、最後のD60 67のみ右側90度先行で、それ以外はすべて左側90度先行です。
現在のD51のような進歩した仕様で、新しいD50が発売されればどんなによいだろうと思いますが、今後これがプラ量産化される機会はほとんどないかもしれません。
金属キットにも今のところ動きはなく、D50のファンとしては引き続き、中村精密やマイクロエースの製品に活躍してもらうことになりそうです。
(9900・D50・D60 おわり)