@カクテルグラス A測定装置     P

@グラスが宙に浮かんでいるのが見える。
赤ワインが注がれるのかなと思っていると、
あれ、カクテルグラスだよねという声が聞こえる。
広口の漏斗の形だから、ワイングラスと勘違いしたんだな?

すると、通り雨のようにグラスの上から、白ワインが注がれる。
シャ ワーのようだ。あたり一面、細かな霧状の液体が浮かんでいる。
その中の一粒が、口の中でころがると、単なる水であることがわかった。
ワインじゃなく、水だったのか? カクテルグラスだもの仕方ないと思っている。
妙に納得している。仕方ないんだ、カクテルグラスではワインはないよね…と。


A大学の講堂のような、広い講義室のようなところ。
一昔前の柄の長いホウキをもって、掃き掃除をしている大学生たちの集団。
半分泣きながら、どうしようもないくらい感情をぶつけている女の人。

相手に自分の額をぶつけながら、なにやら強く訴え、非難している。
感極まっており、このままでは殴り合いになるのではないかという雰囲気に驚いている。

女子同士の「諍い」だが、顔の見えている女子が一方的にわめいているようだ。
顔の見えていない方の女子は無言で抵抗しているが、そろそろ限界が見えている。

わめいている女子が精神的に破綻してしまうのではないかと感じた瞬間、
わたしは、二人の間に飛び込んで、わめいている女子の方を強く抱きしめた。

いつの間にか、彼女の硬くこわばった「左側のでん部」を右手でつかんでいる。
左手で心臓の裏側に当たる部分をやさしく愛撫しながら、愛おしく思う。
筋肉の付き方が男性のように感じられると、密着していることに戸惑う自分がいる。

デー タが右手の甲の部分に表示され、スペック分析が開始されている。
左側の「でん部」だから、左脳に関する各種データの一覧なんだろなと思っている。
左手からは、心拍数と自律神経系統のデータが取り出されている。

いずれのデータも、正常値に近づいているようだ。
わめいていた女子は生理中であるが、ホルモンバランスも安定し
まもなく終わる時期に来ているとのコメントも付け加えられていた。
これでひと安心と思ったとき、あたしは測定装置なのだと思った。


※カクテルグラスとワイングラスの対比は、男女の体つきを表現しているものと思われる。
カクテルグラスの三角部分は男性的、ワイングラスの丸みを帯びたところは女性的といった感じ。
Aの夢に関連する部分でもあり、女性の身体だと思ったら男性的だったにつながる。

※泣きわめく女子と無言で抵抗する女子は、どちらも「わたし」
ぶつかり合いに介入しているのは、衝突を避けようとしている「わたし」がいるからだろう。
何事も無難に済ませたい、スムーズに事を運びたい、緊張関係でなく、和気あいあいでありたい。
そのような「わたし」の態度は、「無言の抵抗」となって、心に沈殿しているのだろう。
ときどき、あふれてくるものがあって、それが「泣きわめく女子」という表現を借りる。
したがって、対応すべきは「泣きわめく女子」の方であり、抱きしめなければならない。
情にほだされない「機械的対応」がわたしの選んだ生き方であり、
感情まみれのサイコな部分は、夢見によって分析される対象なのだろう。
それが、結果として「測定装置」になっているという結論を導いている。

※私たちの脳には「他者に直にかかわる自己」と、
それを「観測しているメタな自己」があるということでしょう。
「泣 きわめく女子と無言で抵抗する女子」が他者に直にかかわる自己であり、
「測 定装置として介入したわたし」が観測しているメタな自己というわけです。
この両者が融合してはじめて、「わたし」という存在が夢をみているのですね。


パスポートが「しおり」の夢   O

目が覚めると、団体に紛れて横になって寝ていたことに気づいた。
何故ここにいるんだという思いがして、周囲を見回している。

落とし物入れの箱に、わたしの黒のポシェットが放り込まれている。
出かける時には、かならず肩からさげて身に着けているものだ。
スマホ、運転免許証、カード類、車の鍵等を入れている。

どうして、落とし物として扱われているのか気になったが
手に取ってみると、軽いと感じ、中身を確認してみると
スマホがない。財布もない。パスポートもない。
免許証に挟んでいたお札も、免許証ごとなくなっている。

とたんに焦りだすわたし。
旅行にでも来ているのかと不思議に思い、周囲を観察しはじめる。

若い人たち、中学生か高校生くらいの若い男たち。
同じグループで行動をしているメンバーらしい。わたしもその一員のようだ。
左側にいるおとなしそうな、気弱そうな少年に、威圧をかけて尋ねてみる。

このポシェットに入っていたものがいくつかなくなっているけど、何か知らない?

困惑している表情をしているが、返答はない。いや、あやしいだろう。
次に、真正面にいる女の子のような青年に、同じように質問する。
やはり、モジモジとしているだけで、曖昧なまま。とたんに疑いは増してくる。

出発なのか、グループは移動のようで、ぞろぞろと歩き始める。

わたしもついていくが、パスポートなしではどうにもならない。
あせって、ポシェットの中身を確認しようとすると
ポシェットが小学校のときに使っていた「連絡袋」に変わっている。
黄色の連絡袋の中に、旅行のしおりが入っていて、それがパスポート替わりだとわかった。

安堵も束の間で、パスポート替わりの「しおり」は水にぬれたのか破れかけている。
破れやしわを隠して、見栄えのいいように、手でしおりの形を整えるのに必死だ。
そこで、ほんとうに目が覚めた。


※落とし物入れの箱、黄色い連絡袋、中学生か高校生のような若い団体。
パスポート替わりの「旅行のしおり」という夢の設定は、わたしを「学生時代」へ誘っている。
なぜ、その時代なのか、なぜポシェットとパスポートなのか…?
わたしの事情についての説明も必要だし、「思い」についても言及しなければならない。

@連絡袋は、その日に使うもの、必要なもの、忘れてはならないものをイメージさせる。
わたしの黒いポシェットは、黄色の連絡袋の役割を引き継いでいる。
A旅行のしおりは、学生にとって「パスポート」そのもので、旅行への参加を保証するもの。
また、パスポートにはいく先々でスタンプが押され、旅行のしおりのような感じにも見える。
Bパスポートを使う機会が激減し、しかも、しばらく前にパスポートは期限が切れている。

なぜ、それらが夢に登場したのかは、日中の残滓から痕跡を探さなければならない。

※前日の夢と同じく、沖縄を修学旅行中の女子高校生水死の報道が、危機的な夢を誘発している。
水に濡れた旅行のしおりが女子高校生とともにイメージをつくり、若い時代背景を生成する。
※最近は現金を使うことが少なくなっているが、それでも現金は持ち歩いている。
財布がなくても大丈夫という安心感があり、財布の取り扱いが「なおざり」ぎみになっていた。
今日(夢見時は前日)買い物に出かけたとき、助手席に財布を置いたまま運転していた。
車外に出てから、車内に置いたままであることに気づいても、「まあいいか」と放置した。
外から丸見えで、以前なら車上荒らしを警戒していたはずなのに、気が緩んでいたのだろう。
いまどき財布をねらうなんてありえない、小銭程度をねらってリスクを冒すはずがないと…。
※期限がきれているパスポートは役に立たない。破れている「しおり」と同じってことのよう。
わたしにとって、小銭入れという「財布」もその範疇にはいりつつあるのでしょう。

生き残りのための「記憶の更新」が夢の役割でもあるから、これは非常事態だと察したのだろう。
2つの要素を取り入れて、わたしに「大変まずい状況」を生み出しかねないと警告したいのかも。

目を覚ます必要があると、現実認識が危ういと…夢はメッセージを発している。
夢の中で、何度も相手をうたがう質問をしている「わたし」は、
自問自答している状況を示しており、それでよいのかと問いただしながら、
「気 弱そうな少年」と「女の子のような青年」に自分を投影しているのだろう。
自覚のないままでは、防ぎきれない事態に巻き込まれる恐れがあると…語り掛けているのでしょう。



手に残る猫のしっぽ       N

大規模プラントの施設を査察している。
水源を管理しているだけでなく、地域の公共施設に危機時の貯蔵物資を提供している。

安全管理が徹底がなされてなく、どこか胡散臭いとの事前情報があって、
その確認のために、表向きの査察とは別に、隠密に施設内部に潜入して調査をしている。

水質の浄化という目的で注入されている薬品のタンクがあって、
その中身を調べていたら、手がただれてくるので驚いてしまう。

基準以上の濃度を使用しているらしい。
不適正な管理と報告書に記入し、次の管理施設へと移動する。

そこは断崖絶壁であり。、ちょうどダムのような景観で、下をのぞき込むと、
途中の段差のところに、太い配管があり、汚泥がたまって、噴き出している。
その排出口に、「浮沈子」がぷかぷかと動いているがみえる。
釣りをするときの「浮き」のようにピクピクと上下に動いている。
しばらく見つめていると動かなくなった。その瞬間、猫のしっぽだとわかった。

汚泥の中に頭をつっこんで、死にそうになっているのか、それとも死んでいるのかと気になった。

はるか下にみえていたはずが、手が届き、猫のしっぽを引き抜くと、
汚泥はするすると流れ出しはじめる。しっぽが手に残り、冷たさが伝わってくる。
猫は汚泥の中に溶けてしまった。溶けた原因は最初の施設の高濃度の薬品にあるはずだ。
公共の福祉をめざすべき施設において、このような不祥事が繰り返されており、
「猫」 が犠牲になったのは許されるべきではないと怒りながら報告書に記載している。


※たぶん、これは沖縄で発生した「水難事故」をトリガーとする夢のようだ。
新奇な出来事は夢を誘発します。引き出された関連記憶は「猫の死」だということ。
長く世話をし大切にしていた猫が死ぬ間際にやせ細っていった。
その猫はしっぽがほとんどないタイプで、12年ほど生き、3年前になくなった。
しっ ぽのない猫なのに、しっぽを残したのはどうしてなのか?
あるものが残らず、ないものが残る…。
それが不条理だからだろう。無念さのみが残る。



キーボードと紙製のコーヒーカップ       M

論文の発表会場に自動車で向かっている。運転手はどうやら女性スタッフのようで、
会場まで直通でよいですかと聞いてくる。それでいいと答える。

タブレットの画面を見ながら、誤解が生じそうな表現を直している。
ふと、彼女は寄り道したいから、「直通」と言ったのではないかと思い直した。

ファ ストフード店がありますと声がかかり、ちょっと眠いので寄りますと言う。
わたしは何も返事していないが、ハンドルは右に切れて、車内は少し揺れた。

修正箇所をキーボードで入力していると彼女が声をかける。
「コー ヒー飲んでくださいよ」「温かいうちにどうぞ」とキーボードのそばにコーヒーを置く。
コー ヒーがこぼれたら嫌だなと思いながら、紙製のカップをキーボードから離すと、
「飲 んでくださいよ」と言いたげに、カップをまた寄せてくる。

わたしは車の後部座席にいたはずなのに、いつの間にか彼女の隣に位置している。
この状況がとても気になってしかたがないし、コーヒーを飲みたいとは少しも思っていない。
彼女は間断なく話しかけてくるが、わたしは原稿のチェックをしたいと心がざわついてくる。

そこで、やっと気づいた。彼女はわたしに運転させたいのだ。そして眠りたいのだと…。

※彼女の隣、つまり「助手」席というステータスが嫌だったのだろう。
論文の発表は、現況をブレイクアウトするチャンスであって、
コー ヒーブレイクで逃してはならないという思いがあるのだろう。

※運転する彼女は、かつてのライバルの代替として登場したかもしれないと思った。
なぜなら、話し方がそっくりだったから。カップを寄せる仕草も同じだ。
休養が必要だから、少しは気分転換をしてみてはどうかということらしい。



足に毛が生え る!   L

自宅のリビング・ダイニングにいる。
リビングの床の部分にじかに寝転がると、
天井部分か壁あたりに青い服を着た上半身だけの男性が現れる。

下から見上げる状況であり、幽霊のような雰囲気をもったその男は俳優の「渡辺謙」であった。
空中に浮いている渡辺謙を見ていたら、ダイニングの床に点々と模様が敷かれ始め、
テー ブルを囲むように「結界」のようなサークルが描かれている。

立ち上がり、ダイニングに移動しようとすると、ダイニングの壁から足が突き出てくる。
ビニール素材でできているその足はバタバタと動いている。

バタバタするものは本物の女性の足であり、上半身がないことがわかって驚いてしまう。
ほっ そりとしたその足は、壁からひもで吊り下げられており、
来客向けに、鑑賞のためのオブジェの役割を果たしているのだと思った。

視線をダイニングへ移すと、私の姉妹がいて、姉が妹をテーブルに連れて行こうとしている。
私には姉妹はいないが、その瞬間は「妹の介護をしている姉」という状況を受け入れている。

妹の足を見ると、みるみるうちに剛毛が生えてきて、毛深い男の足になっている。
結界のサークル内に入らないから、こうなってしまったのだろうと思ったとき目が覚めた。

渡辺謙は、たぶん「ドクター」なのだろうと目を覚ましながら感じていた。
妹の毛深い足という「スキャンダラス」な事態をなんとかしようと登場してくれていた。
何かしら、嫌悪感があり、それを取り除こうとして「結界」という区分が必要だったのだろう。

あれ、妹の足の毛深さは、渡辺謙の足じゃないのかという考えがよぎると、
それじゃ、壁の足のオブジェは、妹の足なのかもしれないと妙に合点がいく自分に気づいた。

※上半身のみの渡辺謙であり、青いオペ衣を身に着けている。
妹の病変は下半身、とくに足に剛毛が生えるという「スキャンダラス」な状況。
上半身と下半身は、もともと一体のものですから、それが分離している状況にあって、
別の組み合わせとなっていることに問題の根があるようだ。
妹の足は「渡辺謙」の足に変化し、本物の妹の足は壁のオブジェとなっている。
本来の組み合わせなら、つまり元通りなら支障は生じていないというメッセージ。
年度末であり、役員の人事の変更が予定されている。
会長が辞任したいという申し出があり、それに対応すべき人選がもめている。
副会長が収拾を図ろうとして、わたしに解決策を求めてきたが、相談にはのらなかった。
わたしが解決するべきではなく、会長が果たすべき役割を果たしていないだけなのだ。

※上半身がまず登場した。だから、下半身である足が出てこなくてはならない。
でも、男の上半身に壁にある女性の足では組み合わせが不自然であるから対象外となった。
とりあえずは見送ったが、どこかでつじつま合わせが必要になる。
そこで、狙いを変更し、ひとひねりを入れて妹の足に剛毛を生えさせるが、
そうなると妹の上半身とは不釣り合いで、やはり不都合が生じてしまう。
すでに気づいているだろうが、妹が副会長で、姉が会長の代替である。
一方でうまくいけば、他方に支障が生じる。
その繰り返しであり、まわり回って…だれに行き当たるのかがテーマなのだ。

※渡辺謙が登場することの意味は、わたしにとって、ふたつある。新会長へのイメージだ。
ひとつめは「頼れる上司・任せて安心な男性」という状況を打開する要素が欲しかったから。
ふたつめは、下半身がないことから、「駆動力」をもたない外部の新規参入をイメージしているから。



逃 げるが勝ち、熊から子熊へ、そして人!   K

スクランブル交差点のようなところを、こちらに向かって歩いてくるわたしがいる。
つまり、歩いているわたしと、それを見ている「わたし」がいる。

歩いているわたしの前を遮るように横切る人がいる。
嫌な感じだなと思いながら、目的地に向かって、人がまばらな道を歩いていく。

誰かに追われているようで、逃げるために高台に向かっている。
追っ てくる姿が見えて、大きな倉庫の屋根に上ると、眼下にその男が見える。
屋根の上には包丁や鎌などの刃物が散乱していて、わたしが歩く振動によって落下する。
鎌が回転しながら、その男の腹部に命中し、刺さって仰向けに倒れたようだ。
高台をおりて、すすきの生い茂る道を歩き、祭りが開かれている大きなため池に到着する。
たくさんの人たちが池の周囲にいる中を、男に見つからないように隠れて逃げている。

池の水際に隠れようとしたときに、どうやら男に見つかったような気がしている。
どこにいるのだろうと、あたりを見回したが、男の姿を見つけることはできなかった。
いなくなってしまったのかもしれないと思った。

前回の相手が熊だったけど、今回は男なのかと変化を受け止めているわたしがいる。


※続編がある夢Aの記事を参照
熊の夢では、わたしは「どうにでもなれ」と身体を投げ出している。
今回の夢では、追ってくる男が鎌が刺さったままで仰向けになっている。
闘う武器が屋根の上にあったのは状況をコントロールしていることを意味する。

こちらからアプローチすべきことを、相手側にゆだねたという現実が反映されているようだ。
プロジェクトを共有する相手側から、承認を求める連絡があり、それを許諾したからだろう。
以前は、こちらから事前に書類を送付し、打ち合わせを進め、許認可の手続きを完遂していた。
つまり、手続きを一部簡略または省くことにより、状況が逆転していることを夢は伝えてきている。

※不安の発生はわたしたちを守る自然な防御メカニズムであり、
脳が正常に機能しているということを示しています。

かつての狩猟採集の生活においては、脅威から逃げることは最善の方法でした。
農耕の生活はごく最近のことであり、現在のような生活は始まったばかりで、
脳にとっては、狩猟採集の生活の期間と比較すると
現在のような生活の期間はほんの一瞬のことにすぎないのです。

人間の脳は「狩猟採集」の生活に適応しており、危機からは基本的に逃げるが勝ちなのです。



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