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* * * 読書雑記(2017年) * * *
2017年は91冊の本を読むことができました。以下はそ
の感想、コメントです。来年も楽しめる本を1冊でも多く紹
介出来れば良いと思います。
寡作のマンガ家である高野文子の初めての絵本「しきぶとん
さんかけぶとんさんまくらさん」を購入しました。30頁に
も満たない、字もほとんど無い幼児向け絵本なのですぐに読
み終えてしまいましたが、久々の高野ワールドに少し触れら
れて満足です。実は先週、大田区にある「昭和のくらし博物
館」で開かれていた高野文子原画展を見て来たばかりです。
この博物館には実に我々昭和世代には懐かしい生活の痕跡が
満載でこんな生活だったよなぁと思わせるものがあります。
予想外だったのは高野文子がほとんど私と同世代人だったと
いうことです。同じ世代を生きて来た人の描く昭和はリアル
で共感出来るものです。
野村胡堂「銭形平次捕物控(9)(10)」嶋中文庫読了で
す。1篇が40ページ弱の読み切り捕物帳なので読み易さが
信条ですが、そのかわり興が乗るとすぐに読み終えてしまい
ます。週末も自宅に帰る前に読み切ってしまい、コンビニで
何か読む本が無いか探してしまいました。今は帰宅が夜中の
11時半頃なので途中の乗り換え駅でも夜の10時〜11時
になってしまうので1時間も何もする事が無いと本当に凍え
死んでしまいそうです。幸いにもジェフリーディーヴァーの
文庫最新刊「ゴースト・スナイパー(上)(下)」が置いて
あり早速購入して寒空の下、1時間程読み進めました。しか
し、この著者のシリーズとなっているサスペンス物では夢中
になって読み過ぎた所為で、過去2回電車を乗り過ごした経
験があるので注意が必要です。
養老孟司/名越康文の対話「「他人」の壁」はSB新書です。
他人はわかり合う事が出来るのかがテーマです。養老孟司の
本はだいたいそうですが、何らかのヒントは得られると思い
ます。
「銭形平次捕物控(7)(8)」読了です。軽快なテンポで
一話一話が進みます。短編集の上に毎回、謎解きの工夫があ
って飽きない上質な話は貴重です。
信濃毎日新聞社「日本の真社会性ハチ」読了です。さすがに
このような本はマニアしか読まないのではないかと思います。
紹介では著者の高見澤今朝雄氏はアマチュアと言う事ですが
虫の研究の世界ではこの言葉は褒め言葉です。昆虫は種類が
多いので分野ごとの専門家はアマチュアが大活躍しています。
ところでこの本ですが日本の真社会性ハチの中のアシナガバ
チ、スズメバチ、マルハナバチ、ミツバチの仲間を網羅して
います。日本産全66亜種がすべて掲載されています。ちょ
っと分厚い普通の昆虫図鑑を見た事のある人はご存知かと思
いますが、昆虫のカラ―写真よりも解説の方が多いのが普通
です。しかしこの本は生態写真を載せており、最低限の解説
と1237点にも及ぶ生態写真が堪能出来ます。驚くべき豊
富さです。普通の昆虫図鑑に物足りなさを覚えている蜂マニ
アには格好の一冊です。そんな人は私以外にそれ程いそうに
ありませんが先ずはお薦めです。6000円です。因みに私
はオオスズメバチ、クロスズメバチ、セグロアシナガバチ、
フタモンアシナガバチ、ミツバチをはじめとして各種の蜂に
刺された経験があります。蜂にはかなり親近感を覚えています。
野村胡堂の「銭形平次捕物控(6)」嶋中文庫版を読了しま
した。この本には以下の10篇が収められています。「和蘭
カルタ」「たぬき囃子」「捕物仁義」「嘆きの菩薩」「迷子
札」「小唄お政」「結納の行方」「八五郎の恋」「麝香の匂
い」「富籤政談」どれも独特の背景を持った謎解きが魅力で
す。15巻まであるのでまだまだ楽しめます。
呉善花の2017・7刊行の「超・反日 北朝鮮化する韓国」
はPHP新書です。言われてみれば確かに最近の韓国は北朝
鮮と雰囲気が似ているような気がします。日本人は中国韓国
と付き合う時はこの本にあるような韓民族の常識を良く理解
した上で対応を考えるべきだとつくづく思います。国政に与
る政治家にこそ読んで欲しい一冊です。日本人の常識は全く
通じない事は中国、韓国、北朝鮮ともに一緒です。
「銭形平次捕物控」(4)と(5)を読み終えました。現在
と比べると犯罪の手段も少ない江戸時代を背景に平次とガラ
ッ八がコンビネーション良く様々な種類の難事件を手際よく
解決します。短編集でこれだけ様々な物語を作る手際は実に
鮮やかです。読み飽きる事が無い小説です。
櫻井よしこ/奈良林直「それでも原発が必要な理由」を読み
終えました。この本を読んで本当に頭に来ました。もちろん
著者に対してではありません。出鱈目だらけの旧民主党政権
の原発事故対応、その民主党が作った素人ばかりの原子力規
制委員会、国民を間違った方向に誘導する報道を繰り返すマ
スコミなどに対して憤りが抑えきれません。この風潮に迎合
したのか高速増殖炉「もんじゅ」を廃炉に決めた政府にも幻
滅です。原発問題は単なるエネルギー問題ではありません。
日本の長期にわたる繁栄と安全にも大きく影響する国家的な
問題である事をもっと多くの人が認識すべきです。今回は特
別に少しでも多くの人の目に触れるように読書欄では無く、
トップページにも少し詳しく感想を載せました。以下参照。
櫻井よしこ/奈良林直著「それでも原発が必要な理由」を読
み終えました。科学的・経済学的・戦略的に日本で原発が必
要な理由を専門家目線で多方面から検証しています。
3・11の東日本大震災での原発事故により現在、反原発の
声が多く聞こえて来ますが、「原発は危険」という先入観を
捨ててこの本を真面目に読めば現在、主流となりつつある反
原発がいかに間違っているかが判ります。素人の集まりであ
る原子力規制委員会に強大な権限を持たせて原発再稼働を潰
しにかかっている今の行政のありかたを目にするたびに旧民
主党政権の怨霊のようなものを感じます。最近ではマスコミ、
住民訴訟に絡む裁判官の判断、近隣住民の同意すべてが反原
発に向っているように見えますが、おそらく反対と言ってい
る人は、上で紹介したような科学的な見地から解説した本な
ど読むこともなく、つまりは自分で何ら判断することなくマ
スコミやいわゆる世論に流されていることにも気付かない、
信じ易く御目出度い善良な人たちであろうと思われます。日
本が表面上平和であった戦後70年の間は良かったですが、
世界のパワーバランスが崩れかけている今日、おそらく信じ
る者は救われません。本来、中立であるべきマスコミ各社が
長年、偏向報道を繰り返した結果が今の気概の無い、自分で
判断も出来ない多くの国民を生み出してしまった最大の原因
と考えられますがもっと知識を得て自分で考えましょう。
原発を止めるリスク、世界のエネルギーの現状、世界の原発
離脱の実態、代替自然エネルギー開発の危うさや見通しの無
さ、さらには3・11の東日本大震災での原発事故に至った
真の原因など、知るべき情報がこの本にはあります。先ずは
自分で読んでから判断しましょう。この本を読んでもやはり
原発反対と言うのならそれでも構いません。真の議論はそこ
から始まります。
林房雄「大東亜戦争肯定論」をやっと読み終えました。中公
文庫に3年前の2014年11月に組み入れられた500頁
を越える大部の歴史関係の本です。本書では幕末に始まった
西欧列強による亜細亜の植民地政策に対する日本の抗戦に始
まり先の大戦終結までを「東亜百年戦争」と位置付け、史料
を積み重ねて日本の歴史を当時の日本人の目線に立って丁寧
に私論を展開しています。朝日新聞や共産党、進歩的文化人
であれば「戦争を美化する本」として一蹴するかも知れませ
んが、決してそのような底の浅い本ではありません。先の大
戦は何だったのか拘りを持つ人全てに是非読んで欲しい一冊
です。
「銭形平次捕物控(3)」を順調に読了しました。370頁
程もある文庫ですが字が大きめなので、並行して先日から読
んでいる500頁程の字の小さな「大東亜戦争肯定論」がさ
っぱり読み進む事が出来ないのと対照的です。著者の胡堂に
よる解説には銭形平次捕物控は320篇以上あるそうですが
この嶋中文庫版の「銭形平次捕物控」は全15冊で各巻10
篇程度の作品なので全部の半分となる150篇程しか収録し
ていないことになります。このような手軽に読めて江戸風物
も楽しめる娯楽読物は全編収録して、決して絶版などにしな
いようにして欲しいものです。
嶋中文庫版の「銭形平次捕物控(2)」を読了しました。バ
ーゲンブックということで本の底面には丸のBマーク付きです。
村井米子「マタギ食伝」は狩猟などをしながら山村で暮らす
マタギの獲物となるクマやシカ、岩魚などの食材探索の話題
と山野草の解説からなる少し毛色の変わった本です。著者の
女性自身が全国各地の山々を歩きまわりマタギと交流があっ
たという登山家です。薬になるという山菜の話題は豊富です。
嶋中文庫版の「銭形平次捕物控(1)」を読了しました。作
者はご存じ野村胡堂です。実は銭形平次の捕物控は好きで過
去にも何冊か読んでいますが歯抜けでしか読んでいません。
現在、銭形平次捕物控をすべて揃えるには結構難しいところ
があります。古本でも全巻揃えるのは至難です。今回本屋の
バーゲンブックでこのシリーズを全巻揃える事が出来ました。
やっとすべてを読めそうです。因みに銭形平次捕物控を知ら
ないと言う方もいるかも知れませんので、裏表紙の解説の一
部を以下に掲載しておきます。『神田明神下に恋女房のお静
と暮らす岡っ引き銭形平次が、ガラッ八こと八五郎を相棒に
難事件を解決していく捕物帳。江戸の風物詩も織り込みなが
ら人情味あふれる平次親分の活躍を描く。』本巻には平次屠
蘇機嫌」など十篇を収録しています。全十五巻です。
我が家には蔵書が5000冊以上ありますが、まともに精読
したのは4300冊程度です。700冊ほどは通読出来てい
ません。もっともこの中には全14巻からなる『日本国語大
辞典』などなかなか通読しない辞書・事典・図鑑類も100
冊位含んでいます。毎年100冊読んだとしても完読までに
あと7年は掛かります。人間最後は何を読んで人生を終了し
たら良いのでしょうか。自分の葬式は残った人が勝手に賑や
かにやってくれれば良いので、終活の本は読んでも甲斐があ
りません。最近頓に気になっているのは戦後70年も経って
いるのに一向に日本も世界も良くなっていないことです。私
の最近の読書傾向が偏っているのもその影響が大きいです。
手塚治虫のW3をもう一度読み直そうかと思う今日この頃です。
サマセット・モームは機微に飛んだ軽妙な短編集で有名です
が今回は岩波文庫の「世界の十大小説(上)」の紹介となりま
す。このタイトルをみるとベスト10の小説の解説書のよう
に見えますが内容は少し違います。表紙に書いているように
『世界の十大小説として選んだ十篇を、実作者の観点から論
じたユニークな文学論。作家の生涯と人物について語り作者
への人間的な興味を土台に痛快な手さばきで作品を解説する。』
とあります。既にこれらの古典的名作を読んでいる事を前提
に知られざる作家の生活を根拠として、その作家の個性が作
品に反映されたと思われる内容を指摘しておりマニアックな
ファンの喜びそうな作品論となっています。この本を十分に
楽しむためには先に十大小説を読んでおいた方が良いかも知
れません。因みに上巻で取り上げられた5作品は以下の通り
です。『トム・ジョーンズ』『高慢と偏見』『赤と黒』『ゴ
リオ爺さん』『デイヴィッド・コパーフィールド』
宮部みゆき「三鬼 三島屋変調百物語四之続」はタイトルの
通り三島屋のお嬢さんである「おちか」が主人公の変わり百
物語の第4作目です。550ページを越える分厚の本には4
つの物語が入っています。1冊に4話だと百物語だと25冊
まで出るのかも知れません。しかしこのシリーズはいつまで
も読んでいたいと思わせるような心に沁みる落ち着いた読後
感を与えてくれます。亡者、憑き神、守り神など様々なあや
かしの者が登場しますが、切なさや悲しみ、怖さの中に心温
まる優しさが溢れています。江戸の情緒の一端も味わえて楽
しめるシリーズです。
前著に引き続いて櫻井よしこの著作です。「日本の敵」は新
潮文庫から29年10月に出た新著です。単行本が出たのが
27年3月ですから最近の国際情勢を反映しています。東シ
ナ海、南シナ海での軍事力を背景にした中国の侵略行為、反
日親北ばかりでなく限りなく中国寄りになっている韓国、更
に加えて虚報と捏造によって歴史認識をゆがめている朝日、
などについて検証しています。真の敵は誰なのかが浮き彫り
になっていきます。正しい歴史を知るにはどうしたら良いの
か、それが我が国を守るための最大の力になってくれるもの
と考えられます。また、国の繁栄のためにはエネルギー問題
や金融、経済、防衛の分野でも充実、拡充が必須であること
が示されます。耳を傾けるべき内容満載です。
「赤い韓国・危機を招く半島の真実」は平和ボケした日本人
必読の書です。この本を読んでいた人は衆議院選挙の投票も
きっと多くの人が違った選択をしていたであろうと思います。
多くの日本人にとって北朝鮮の弾道ミサイルが落ちてきたら
怖いという程度の漠然とした危機意識しか無いと思います。
しかし本当に怖いのは爆発的に軍事力を増大させ一党独裁体
制を強化し周辺国を武力で占領し続けている中国と、そんな
中国に秋波を送りかねない韓国です。この本は韓国人の本音
が手に取るように判る対談です。著者はベトナム生まれの日
本人と韓国生まれで日本に帰化している親日派の2人ですが
そこに偏った日本礼賛は無く冷静に真実が語られています。
問題はこのような危機意識がほとんど日本国内に広まらない
ことです。今は亡き山本夏彦が冗談めかして言っていた豆朝
日新聞を産経新聞あたりが発行して世論に一石を投じる必要
があると思う今日この頃です。
出久根達郎「雑誌倶楽部」は書籍を手掛かりにして昔の社会
世相や風俗を探っていく面白さに満ちています。だからどう
だと言ったらそれまでですが、大正末から昭和30年代頃迄
の人々の生活を垣間見る事が出来ます。その様な古本を読む
楽しさを伝えてくれる古本屋のおじさんが著者その人です。
講談社文芸文庫編「戦後短篇小説再発見18」読了しました。
これで第一期、第二期合計18冊完読です。サブタイトルは
「夢と幻想の世界」です。星新一、色川武大、吉行淳之介、
中井英夫、村上龍、川上弘美、村田喜代子などが執筆陣です。
副題が示す如く結論も不明確な癖の強い諸作品が並んでいます。
個人的には起承転結のしっかりとした星新一のピーターパン
の島のような作品が好みです。
講談社文芸文庫編「戦後短篇小説再発見17」読了しました。
サブタイトルは「組織と個人」です。一番わかり易いのは、
新田次郎の「八甲田山」でしょう。後に「八甲田山死の彷徨」
として刊行された雪山遭難事件の概略が描かれています。
台湾の文明史家、評論家として著名な黄文雄の「日中戦争は
侵略ではなかった」を読み終えました。こういうタイトルの
本だというだけで帝国主義の復活というような人が多いので
はないかと思いますが、本当に教育は大切だという事を実感
します。いわゆる進歩的文化人といわれる人の自虐史観や中
国韓国史観を鵜呑みにする人が増えています。逆に日本では
歴史と言えば西洋の過去の歴史と戦国時代から江戸時代まで
の日本史しか教えず、近現代の歴史は入試に出ないと言われ
て真剣に学ぶこともありません。この手の本を沢山読んで判
ることはいかに中国韓国が言っている歴史認識が虚偽で粉飾
されたものであるかということです。もういい加減に悪い点
は悪い悪くない点は悪くないと堂々と言える気概を日本に復
活させないと、いつまでも近隣諸国に侮られるままです。
北方四島も竹島も沖縄もいつまでも実質的に日本に帰って来
ません。もっと皆さん正しい歴史を勉強しましょう。
渡部昇一/谷沢永一の対談「日本人とは何か」を読了しまし
た。「日本人とは何か」を論ずる手段として「日本人とは何
か」を暗に陽に指示しているとお二人が思っている著書を取
り上げてどこが日本人的発想なのか、日本人らしいのかを論
じています。対談とは思えないほど知識の粋を集めた論考は
どれも傾聴に値します。今年のベスト10にあげたいほどの
評価をしていますが、それぞれの論考の総体が更なる日本人
論をあぶり出しているかというと、そこが弱いと思います。
もわっとした日本人論は判りますがもう少し突っ込んで結論
めいたものを提示して欲しかったという思いがあります。
この本によりまた読みたい本が何冊か増えてしまいました。
講談社文芸文庫編「戦後短篇小説再発見15」「戦後短篇小
説再発見16」を続けて読み終えました。テーマは「笑いの
源泉」「私という迷宮」です。笑いと言っても無条件に笑え
る笑いでは無く、実験的な笑いとでも言った方が近いような
笑えない話も多くあります。長過ぎる披露宴の挨拶、平成ぽ
んぽこ合戦の出来そこないのような狸が人を化かす話、せん
みつやの話、カタコトの旧かな遣いが消えなんとする話など
が一方にあるかと思えば、他方には夢の断片、妖しい商売の
裏、影のようにローラーにつぶされる女、一人旅、妖しい標
本、など様々な話が並んでいます。一点だけ現代的な起承転
結があって判り易い話としては『鹿の王』という話がありま
す。
宮部みゆきの「希望荘」も読み終えました。この本は訳あり
探偵、杉村三郎シリーズの4冊目です。「誰か」「名もなき
毒」「ペテロの葬列」がこのシリーズだといえば判る人には
すぐ判る名シリーズです。探偵自身の行く末と併せて気にな
る内容です。
講談社MOOK「宮部みゆきの怖い話」読了しました。表紙など
も稲川淳二の怪談ばりのおどろおどろしい体裁なのでさぞか
し怖い話かと思って購入したら、中身は宮部みゆき著の角川
文庫版「あやし」からの抜粋ということで拍子抜けしました。
ぞっとするような怖さではない宮部ワールドの怖さ一般です。
とは言っても詰まらない訳ではありません。お薦めです。
「ファーブル昆虫記」は日本では遍く知られていて岩波文庫
の時代以前から多くの訳者によって翻訳紹介されて来ました。
ファーブル昆虫館の館長であり、稀代の昆虫マニアでもあり
フランス文学者であり、ファーブルに造詣の深い奥本大三郎
がライフワークとして完訳した集英社「完訳ファーブル昆虫
記」は全10巻×上下の全20冊からなりますが今回はその
第10巻目の上巻である19冊目を読み終えました。寝る前
にゆっくりと読んでいたので完読までに大分時間が掛かって
しまいました。そのくらいゆっくりじっくり味わうのに相応
しい世界最高水準、というより最高無二のシリーズです。お
そらくこれを越える翻訳はどこの国でも出せないと思います。
そう言った意味で訳者と共にリアルに一読者として生きられ
た時代に感謝です。これまでに絵本であれ文庫であれ「ファ
ーブル昆虫記」を見た事のある人にもお勧めのシリーズです。
講談社文芸文庫編「戦後短篇小説再発見14」読了です。今
回のサブタイトルは自然と人間です。最初の話は素手で鯉を
捕まえるという昔どこかで聞いたような話です。二番目の話
大漁の象徴「赤いパンツ」も判り易い話です。個人的には自
然の風物描写に定評のある尾崎一雄の「閑な老人」が好みで
すが、「四万十川幻想」「菜の花さくら」「ゴットハルト鉄
道」など趣向の変わったいろいろな作品が楽しめました。
講談社文芸文庫編「戦後短篇小説再発見13」順調にシリー
ズを読み進めています。13巻目のサブタイトルは「男と女
結婚・エロス」です。坂口安吾、伊藤整、円地文子、北原武
夫、曾野綾子、など10名の短編が収められています。推理
小説風の作品や私小説的な作品、風土記風な作品など色々な
特色を持った作品がそろっています。これまでこのシリーズ
では13巻の作品集を読んで来ましたが一篇も過去に読んだ
事のある作品に出会っていません。アンソロジーだと一篇や
2編は読んだことのある作品があることが珍しくありません
がこのシリーズは戦後と銘打っているだけに読んでいない作
品だらけです。
講談社文芸文庫編「戦後短篇小説再発見12」読了しました。
サブタイトルは「男と女 青春・恋愛」です。戦後と銘打っ
て編集しているだけに戦後色が色濃く残っている作品も多く
あります。戦後という時代風景を知るためにもこのような短
編集は有用です。出征、小屋掛け、足袋、結核、ビロード、
暖簾、裁縫、アマリリス、カフェ、襦袢、宇宙遊泳など今時
の小説ではあまり見掛けなくなった風物の描写も楽しみなが
ら読み進めています。
池田清彦氏の最新刊『進化論の最前線』読了しました。池田
清彦氏の本はかなり読んでいますが、構造主義科学論を提唱
している著者としては珍しく非常に自分の主張をおさえた本
の作りとなっています。確かにダーウィンの提唱した進化論
だけでは今の多細胞生物の基礎が出来るには駒不足だろうと
思います。そのような点も含めて現在の進化論に纏わる話題
を判り易く過不足なく盛り込んでいるのではないかと素人の
私が言うのも変ですが、そのように感じられる一冊です。お
薦めです。
スティーブン・ジェイ・グールド「ぼくは上陸している(上)」
を読み終えました。このような読むに値する科学随筆が少な
いのが残念です。加えてこの著者のこのシリーズが文庫本で
さえも絶版になっているのは許しがたいです。おそらく内容
が時代に合わなくなっているという理由なのでしょうが出版
社もこの本を良く読めば読むに値する論考だと言う事は判る
と思いますが商業主義の影響なのでしょうか。残念な事です。
講談社文芸文庫編「戦後短篇小説再発見11」読了しました。
第二期全8巻は84篇の短編から構成されていますが最初の
巻の10篇が収められています。サブタイトルは事件の深層
です。殺人、失踪、復讐、誘拐、強姦などなど様々な事件が
様々な手法、時代背景で描かれています。野心的な作品多数
です。
講談社文芸文庫編「戦後短篇小説再発見10」は表現の冒険
というサブタイトル通り、表現の多彩さというよりは異質な
空間設定といった方が近いような特異な作品が選ばれていま
す。あやかしの出る話、アルプスの少女ハイジのパクリ、有
名文藝作家を材に取った諸談義、家長の権限失墜を題材にし
た馬部屋作成の話、男が棒になってしまう話、お墓の中で一
家団欒する話、家族皆が箪笥の上で座るようになる話、永遠
とも思える程の奥座敷を潜り抜けて自宅に帰りつく話、実朝
公の作った大船の繍帳の中の天平美人と鸚鵡との会話、ドラ
えもんのパクリ小説、虚空人魚、お供えやお祈りをされる家
の話など突飛な発想の作品満載です。このように一言で言う
と売れていない三流作家の短編集ととられるかも知れません
が内田百閨A石川淳、稲垣足穂、安部公房、半村良、筒井康
隆、澁澤龍彦など超一流の作家達の隠れた名作(迷作?)です。
養老孟司「京都の壁」読了です。養老孟司の壁シリーズはこ
れで何冊目のどじょうなんでしょうか。気軽に読めてちょっ
とだけ認識を新たに出来る一冊です。章建ての一部は以下の
通りです。城郭のない街、京都人のいけず、都市論と京都、
新三都物語、京都とサブカルチャー、京都と自然などです。
講談社文芸文庫編「戦後短篇小説再発見9」読了です。労働
運動、党、細胞、共闘、南京政府、同胞、解放、私服、MP、
革命、占領軍など今では殆ど見掛けない単語が頻出する小説
が多く集められた一冊です。戦後の世相をよく反映している
といった意味ではこのシリーズの目的に見事に叶った一冊です。
今年のベスト10を選考し直しました。今時点の感覚で自分
の好みに合った順番に大幅に直しました。これは養老孟司氏
が推薦している『象虫』という写真集をランクインさせるか
どうか迷った末の判断です。普通ならどうみてもベスト10
に入るような本ではありませんが公称6万種という、昆虫の
中で最も多くの種を含む上にサイズや形態の多様性で群を抜
いているゾウムシの見た事もないようなカラ―写真集は虫好
きな人にはお薦めです。帯の推薦文にもあるようにこのよう
な写真は単なる写真マニアでも撮れません。一度でも昆虫の
写真を撮った事のある人には直感的に判りますがとんでも無
い写真集です。映像的に普通はありえない写真集です。なお
この写真集で最も興味を引いた象虫はロクロクビオトシブミ
です。
「カエルの楽園」の帯には20万部突破とあって百田尚樹の
著書の中でも3本の指に入るヒット作です。物語は安住の地
を求めて旅に出た2匹のアマガエルが平和で豊かなツチガエ
ルの国に辿りつく所から始まります。その国ではある戒律を
守ることが国の平和につながっていると言われておりそう主
張するツチガエルたちが主流派となっています。この国では
僭主ともいうべき巨大な鷲が付近を旋回しており、カエル達
の敵であるヒキガエルなどがこの平和な国に近づきにくくな
っていましたが、年老いた鷲が去り傍流派が粛清された後は
徐々に平和が脅かされる事態が発生していきます。安住の地
はどうなるのか衝撃の結末が待っています。勿論この本は単
なる寓話ですが、寓話とみて笑い飛ばすか警世の書と読むの
かはおそらく三戒を信じる主流派のツチガエルか傍流のカエ
ルかの違いと同じように意見が分かれるのだろうと思います。
実に判り易く読み易い寓話です。たまにこのような本を読ん
で怒り出す人がいるようですが、その様な人にこそ読んでも
らいたい一冊です。小学生でも読める警世の書です。
「佐藤優さん、神は本当に存在するのですか?」読了です。
この本は動物行動学の竹内久美子と宗教家である佐藤優との
画期的なガチンコ対談です。もちろんドーキンス著の「神は
妄想である」を踏まえての対談なので激烈な対談を想像して
いたのですが、双方の言い分は冷静で判り易く神学者の考え
ていることの一端が理解出来る貴重な書となっています。
進化論と宗教はどこまで相容れる余地があるのか必見です。
「キューブパズル読本」という本を読み終えました。本のタ
イトルを見てすぐに想像が沸くのがルービックキューブだと
思いますが、この本にはそれをはるかに超えた立方体を構成
する様々なキューブパズルが紹介されています。マニアの本
であることは間違いありませんが、ここまで集めたら単なる
趣味を越えてキューブの学術書といえるような資料集です。
箱根細工の秘密箱、ハッピーキューブ、組み木、組み合わせ
パズル、ホフマンキューブ、スライディングブロックパズル、
ソーマキューブ、図形合成パズル、ペントミノ、ジグソーキ
ューブパズル、さいころ構成パズルなどなどキューブパズル
の歴史まで含めて大いに啓発される一冊に仕上がっています。
講談社文芸文庫編「戦後短篇小説再発見7」読了しました。
故郷と異郷の幻影というサブタイトルです。動乱の時代を題
材に生かした特異な作品がさくさん並んでいます。8巻目の
サブタイトルは歴史の証言ですがこれも読了しました。我々
戦後世代の知らない戦中戦後の生活苦の様子や精神状態が故
郷と異郷のそれぞれで苦渋とともに語られます。二度と繰り
返したくない生活がそこにあります。平和となった今の日本
では貴重な資料です。
技術評論社の「人に話したくなる数学おもしろ定理」には
ピタゴラスの定理からポアンカレ予想まで有名な定理や問題
が掲載されていますが、判り易くその証明も付いていて久々
に頭を働かせ直してみるのに手頃な本かも知れません。私も
最初は証明を追ってみましたがすぐに諦めました。ヘロンの
公式、タレスの定理、アポロニウスの円、メネラウスの定理
正弦定理と余弦定理、二項定理、フェルマーの定理などなど
過去に聞いたものや聞いた事も無いようなものまでたくさん
の定理をおさらい出来ます。たまには使わない頭にちょっと
だけ刺激を与えてみるのも良いと思います。
タイトルからしてB級トンデモ本としか思えませんが中身も
見事に予想を裏切りません。「UFOと地底人」楽しく読ま
せて戴きました。著者の中丸薫さんて何者なんでしょうか。
凄い経歴を引っ提げて話はぶっ飛んでいます。学研から出版
していることも意外です。全部が全部トンデモ本かと思って
油断して読んでいたら、多次元の話の所で何と超一流の物理
学者であるリサ・ランドールの名前が出て来てびっくりです。
お薦めはしませんがある意味興味ある本です。
今年ももう半分終わってしまいましたがまだ40冊程の本し
か読めていません。このペースだと年間80冊ですが、最近
自宅に積んである未読本の棚卸をしたら何と700冊ほども
あることが判りました。あと10年程は何も買わずに読み続
けることが出来ます。もっともこの700冊の中には事典や
図鑑なども含んでいます。広辞苑を1冊読むのにどのくらい
の時間が掛かるのか判りませんがマンガも辞書も1冊は1冊
なので読む機会があれば読んでみたいところです。我が家に
は辞典、事典、字典の類や図鑑だけでも100冊位はあるの
で一生未読の本も100冊以上となるのは確実です。年齢を
考えたらもういい加減に本は選んで読まないといけない時期
に来ています。良いと思える本から読むのが正解なのでしょ
うがついつい成り行きで読んでいるような気がします。
岩波ブックレット「二、二六事件」読了です。僅か60頁余
の薄い冊子ですが内容は詰まっています。このシリーズは結
構気になるタイトルの本が並んでいますがなかなか近場の書
店では見掛けないため気軽な立ち読みでの衝動買いが出来ま
せん。
講談社文芸文庫篇「戦後短篇小説再発見5・6」読了です。
サブタイトルは「生と死の光景」「変貌する都市」で各12
篇ずつ短編が収められています。一言では表せないほど雑多
な作品が選ばれていますが、作者は一流ぞろいです。正宗白
鳥、遠藤周作、川端康成、色川武夫、村田喜代子、林芙美子、
森茉莉、村上春樹などなど豪勢な顔ぶれですがえりすぐりの
短編と言う事でまったく見た事のない作品が並んでいます。
奥山風太郎著「ダンゴムシの本」を読み終えました。どちら
かといえばダンゴムシの事典です。世の中にはダンゴムシの
ファンは多いと思いますが、意外にもこんな身近な生き物の
本格的な図鑑がありません。そんな隙間を埋めてくれる一冊
です。とは言ってもダンゴムシの分類は結構難しそうでなお
かつ専門家が少ない事もあって分類はまだ発展途上の様です。
因みにダンゴムシの絵本は山のようにあるようで、この本の
最後にはダンゴムシの本やダンゴムシのグッズやダンゴムシ
に会える施設まで紹介されています。
講談社文芸文庫「戦後短篇小説再発見4」は「漂流する家族」
が副題です。色々な家族関係が描かれているのは勿論ですが
様々な文章様式、言葉づかい、実験的な構成が楽しめる一冊
です。ただ如何にも戦後という古い風物や観点や会話などは
それこそが戦後文学の成果とみるか現代の文学に至る発展途
上の幼稚さとみるか評価の分かれる所かも知れません。
丸谷才一の「コロンブスの卵」は著者に言わせれば第二評論
集だそうですが我々の感覚からいえば『文章読本』も『日本
文学史早わかり』も『日本語のために』もすべて評論集の様
にみえます。という訳でこの本も評論集の一冊ですが中でも
注目なのは『四畳半襖の下張裁判』の弁護人として朗読した
2編の弁護文です。この文章は構成や論点が明確で素人にも
判り易い素晴らしい文章です。この本にはハムレットを論じ
た評論なども含まれますが、それを理解するための前提がこ
ちらに無いと理解が追いつけません。そう言った意味で残念
な評論が多い事も事実ですが、『四畳半襖の下張裁判』だけ
でも読んでみる事をお勧めします。
土屋健著、技術評論社刊の古生物ミステリーシリーズ全10
巻の最後となる「古第三紀・新第三紀・第四紀の生物」上下
を読み終えました。シリーズH、Iです。巨大隕石衝突によ
り恐竜が絶滅した6600万年前から現在に至る期間の物語
です。一番近い時代にも関わらず時代区分も良く判らず生物
自体も面白みに欠けると言う何とも残念な時代ですが、化石
を詳しく見てみると現生生物とは大きく異なる点がたくさん
ある変な生物ばかりです。ライオン並みの大きさのネコ型類、
異常に長い牙、指の数の違うウマ類、4本の長い牙を持つゾ
ウ類、ヒトの祖先イーダ、琥珀に閉じ込められた昆虫、長さ
7.5mにもなる哺乳類、変な形の角を持つサイ類、歯のあ
るトリ類、巨大ザメ「メガロドン」、全長3mものネズミ類、
ご存じマンモス、ラスコーの壁画にも描かれた角幅3mにも
なるシカの仲間、現生人類とおそらく交流のあったネアンデ
ルタール人の頭骨など時代を彩る化石やカラ―復元図が我々
を楽しませてくれます。
アイザック・アシモフ著「科学エッセイG次元がいっぱい」
を読み終えました。このシリーズはどうも@〜Nまであるよ
うですが新本で買えたのは僅か3冊だけです。科学の進歩は
目覚ましいので内容が陳腐化するのは早いですが、それでも
このシリーズは得る所の多いシリーズです。是非全巻を復刻
して欲しいものです。この本では無限やπ、電波の話に加え
血液型、天文学など話は多岐にわたります。
学研教育出版の「美しい元素」には最近俄かに有名になった
ウンウントリウムも載っています。日本が命名権を得た初の
元素です。2016年11月にニホニウムという正式名称が
決定した原子番号113の元素です。2004年にはじめて
亜鉛を高速加速器でビスマスに衝突させて作られてから12
年目の快挙です。私は自宅でビスマスの結晶体を持っていま
すが、この本では原子番号1番から95番までの元素につい
てはそれぞれカラー写真で元素の写真に加えて原子量、発見
者名、融点などに加えて元素の特徴や用途などが説明されて
います。因みにビスマスはハンダの材料に使われる他に銃弾
やオモリ、超電導電磁石、スプリンクラー、下痢止め剤や胃
腸病の薬剤にまで使われていると言う事が簡便に判ります。
興味深く美しい写真が多い上に実用的な元素事典です。
出久根達郎「風がページをめくると」は著者の読書エッセイ
シリーズの第4弾です。『朝茶と一冊』『粋で野暮天』『書
棚の隅っこ』と本書でシリーズは一旦終了だそうです。いず
れの本も読んでいますが著者の本に関する蘊蓄のあれこれは
いずれも興味深いものです。但し、著作の裏話や作家の交遊
関係、人物評をそこまで知らなくても良いだろうという様な
情報までがてんこ盛りで、所謂書痴と呼ばれるようなマニア
でなければ興味の無いような情報までが盛り込まれています。
本書の最後に「書物のゆくすえ」と題して再販制度問題が取
り上げられています。この本を購入した時の事を思い出して
本の地(本を立てた時に下になる切り口)を見てみたら矢張
り○にBのマークが付いていました。バーゲンブック(B本)
です。そういえば定価を高く付けて納本制度を悪用した事件
もありました。個人的に気になるのは絶版、品切れを見越し
て仕入れた本を稀覯本なみにコレクター商品と称して高く売
りつける商売が横行している事です。本を商売道具に使うの
は止めて欲しいです。と同時に少なくとも文庫本は絶版にし
てはいけないようなルール作りが必要です。
ハヤカワ文庫「科学エッセイE発見・また発見!」を読了し
ました。著者はアイザック・アシモフです。この本では殺虫
剤の話、有機物の話、粒子の話、惑星探査の話、宇宙旅行の
話など多岐に亘ります。本当に博識な著者ですが話が平易な
所がこの手のエッセイとして貴重です。
今年はベスト10の中に同じ著者の作品が多く入っています。
もっと色々な著者をベスト10に入れたいのは山々ですが
なかなかこれはという本に行きあたりません。
ジェフリー・ディーヴァー「スキン・コレクター」読了しま
した。いつもはこのシリーズは文庫になってから購入してい
ますがこの本は珍しく文庫発売を待てずにハードカバーで買
ってしまいました。この本は「このミステリーがすごい!」
の2016年版の1位に選ばれただけあって推理も良く出来
ていて例によって特に終盤のどんでん返しが素晴らしいです。
かつての名作である「ボーン・コレクター」「ウオッチメイ
カー」の犯人につながる挿話も入っていてファンにとっては
見逃せない一冊となりそうです。
ハヤカワ文庫「科学エッセイDわが惑星、そは汝のもの」は
アイザック・アシモフの科学エッセイのシリーズものですが
現在すべての巻が購入出来る訳ではありません。このような
シリーズ物の文庫位は在庫を完備しておいて欲しいものです。
この巻では主に物理学についての解説や周期律表についての
歴史の裏舞台などが興味深く描かれていますが天文学や社会
学にまで話は及んでいます。科学の功罪など著者独自の視点
からの考察は大変面白く読むことが出来ました。日本人では
なかなかこのような科学エッセイを書けるような人がいない
のでアシモフ博士の著作は貴重です。日本の著者で唯一私が
お勧め出来るのは板倉聖宣氏ですがちょっと重たく軽妙さに
書ける点が難点です。
潮匡人「司馬史観と太平洋戦争」読了です。著者は法学を学
んだ後、自衛隊を経てシンクタンク研究員、後に評論家とい
う異色の経歴です。この本は司馬史観がいわゆる太平洋戦争
の歴史観に与えている影響、および朝日・読売両陣営による
戦後60年を期に行われた戦争責任の検証作業に対する反論、
靖国問題などを包括的に扱った啓発の書です。実証的に検証
しようとする態度を含め共感できる部分は多いですが、大東
亜戦争を肯定的に捉えようとするあまり、というかスケープ
ゴードとするためなのか日清戦争を何の具体的証拠もなしに
日本側の一方的な砲撃と断定しています。日清戦争の関係者
からしたら著者の言い分はあるまじき言いがかり以外の何物
でもありません。盧溝橋事件の端緒も様々な解釈や証拠が双
方から上がっていて著者の断定には留保が必要です。著者が
大東亜戦争の論議の各所で上げている自身の親戚に関する記
述のくだりもこのような議論では不適当です。更に致命的な
のは「ルーズベルトの陰謀史観」に対する見解です。いまや
『ルーズベルトの開戦責任』で縷々述べられているように先
の戦争の責任の大半は米英中にあることは明らかです。
この本の見所は朝日・読売に対する反論や半藤一利氏や保阪
氏の発言に対する反駁にあります。因みに半藤氏のベストセ
ラーとなった『昭和史』に関する『どこか別の国の歴史を振
り返っているかのようだ。同胞の歩みを想う姿勢は微塵も感
じられない。』という記述は私が以前このコーナーで同著に
対して送ったコメントと殆ど同意見で、正当な見方だと思い
ます。この著者も熱くなり過ぎた部分では検証もなしに自分
の思いだけで勝手に断定している部分も多く注意が必要です。
「「近くて遠い国」でいい、日本と韓国」は渡部昇一と呉善
花の対談集です。20年以上も前に出版された2冊を再編集
して改定したものなので今更紹介しても仕方のないようなも
のですが、それでもこれ程の事がいまだに全く日本国民には
理解されていないと言った意味では新たな知見が得られる貴
重な一冊です。韓国人が未だに反日である理由が判ります。
韓国の新政権がまた北朝鮮寄りに大きく傾きかけている現在
韓国と言う国を少しでも理解しておくことは重要です。
今やテレビで有名となった生物学者である池田清彦が書いた
PHP文庫「オトコとオンナの生物学」は男や女やヒト全般
の性行動全般を32の項目に分けて著したものです。既に定
説となっているものや著者による独自解釈のものなど様々な
話題が掲載されています。そのような解釈も出来ると言うス
タンスで見ればそれなりに楽しめる一冊に仕上がっています。
講談社文芸文庫「戦後短篇小説再発見3」を読了しました。
サブタイトルは「さまざまな恋愛」です。確かに通常の恋愛
を越えた様々な形の恋愛が12の短編に見られます。瀬戸内
晴美、丸谷才一、大岡昇平、山田詠美、宇野千代、高樹のぶ
子等々錚々たるメンバーが並びます。短編集の良い所は色々
な特色ある厳選された文学を手っ取り早く味わえる事です。
養老孟司と南伸坊との対談「超老人の壁」を読了しました。
人生色々な事に対しての対談集です。気軽に読むのに適した
一冊です。
PHP研究所『養老孟司の人生論』をオンラインショッピン
グで購入して初めてこの本が既刊『運のつき』を改題した本
である事に気が付きました。だったらもう既に読んでいます
が買ったついでに読んでみました。元々、著者はあちこちの
本で似たような事を言っていますのでこの本も新しいつもり
で読みましたが案の定忘れている事も多く認識を新たに出来
ました。良い事を色々言っています。多くの人に薦めたい本
です。ぜひご一読下さい。
講談社文芸文庫は相変わらず良い仕事をしていると思います。
「戦後短篇小説再発見」シリーズ全10冊は青春、性、恋愛、
家族、生と死、都市、故郷、歴史、政治、表現などのテーマ
別に各巻を構成しています。全117編は基本的に一作家は
一篇のみという方針で編まれています。作家の代表作ではな
く戦後短篇小説として愧じない挑戦的な作品を選んでいる様
に思えます。現代では排除されてしまいそうな問題作なども
多く含んでいます。句読点の使い方についても点(、)ばか
りで1ページ余も繋いだ文体もあったりで時代というものを
感じます。何か刺激を受けることは確実です。第一巻目の
『青春の光と影』、第二巻目の『性の根源へ』の2冊を読み
終えました。
岩谷テンホーの四コマ漫画は相変わらず絶好調です。新作の
「大盛!! みこすり半劇場 右手で」を楽しんで読めました。
300頁超の冊子にはおそらく500篇以上の4コマ漫画が
掲載されていると思いますが、何と税込500円です。今時
こんなに安い読み物はありません。下ネタが嫌いな方もいる
かとは思いますが大いに笑えて絶対健康に良い読み物です。
世間ではあまり知られていなさそうなのが不思議です。
原田マハ「暗幕のゲルニカ」は予想通り読みごたえのある一
冊でした。戦争の悲惨さを描いたピカソの名画『ゲルニカ』
は有名ですが、著者はアメリカを中心とした連合軍がイラク
空爆に踏み切るという前夜、当時のブッシュ政権パウエル国
務長官が国連安保理会議場のロビーで会見した際、背景にあ
るべきゲルニカのタペストリーに暗幕が掛けられていたこと
に非常にショックを受け、それを契機にこの著作を書いたと
いうような発言をしています。もともと芸術に殊にピカソに
造詣の深い著者が描く真実とも仮構とも見分けのつきにくい
ストーリーはアメリカ同時多発テロ後の時代と、ナチス全盛
の時代のゲルニカを描き出して秀逸です。方や9.11同時多発
テロを経て軍事色の強まるアメリカに、門外不出のゲルニカ
を呼び戻そうと奮闘する女性キュレーター、方や大戦前夜に
ナチスの軍靴迫るパリで世紀の大作を世に送り出すピカソと
その恋人の写真家ドラが生き生きと描かれています。芸術に
少しでも興味のある人には一読の価値ある作品です。因みに
ゲルニカは現在もっとも借り出すのが難しい作品だそうです。
2017年4月現在静岡県にあるポーラ美術館では『ピカソ
とシャガール展』が開催されていますが、ここに幅6mを越
すゲルニカのタペストリーが飾られているそうです。5/11
までだそうですので興味のある方はぜひお出掛け下さい。
呉善花著「朴槿恵の真実」は文春新書の一冊です。この本は
2015年8月初版なので、当然2017年の大統領失脚や
その前の数々の贈収賄疑惑などが起こる前の大統領時代の話
です。今となってはインパクトが薄れてしまった感がありま
すが、韓国という国を理解するためには貴重な示唆を与えて
くれる本です。韓国歴代大統領はなぜ政治信条を簡単に変え
ても平然としていられるのか、なぜいつまでも反日なのか、
なぜ歴代大統領の近親者は必ずと言っていいほど汚職に紛れ
ることになるのか、なぜ韓国は太陽政策などを推進した挙句
に北朝鮮の核開発推進の資金源となる1兆円を超える資金を
提供しているのかなど我々、日本人からは理解出来ない数々
の謎のすべてに明確な解答を与えてくれます。
テレビドラマにもなった向田邦子の長編小説の代表作である
「あ・うん<新装版>」を読み終えました。解説を読んで納
得しましたが、この作品のストーリー展開は実にテレビドラ
マ向けに作られています。そういった意味で普通の長編小説
とは趣が少し変わっています。それでも流石に言葉の魔術師
である向田作品は味わい十分です。ストーリーは戦友とも言
うべき男二人の友情を軸にその妻との葛藤が織りなす家族間
の情景を描いています。反戦小説、恋愛小説、友情小説など
複雑な要素を背景に物語は判り易くテンポよく進みます。
文豪、森鴎外の代表作の一つである「舞姫・うたかたの記」を
初めて読みました。当時としては画期的な文体だったようで
すが、現代人からすると大変読みにくい文体で苦労します。
表題の2作品のほかに「ふた夜」「文づかい」の2作品の計
4作品からなる文庫本は解説まで含めても150ページ足ら
ずですが読み終えるまでに2週間程も掛かってしまいました。
問題作と言ってよい自伝的作品である「舞姫」も一度くらい
は読んでおいた方が良いと思って今回取り組んでみましたが
大人になって読んでもまだ難しいのでどうみても学生向けで
はないような気がします。
「米国弁護士が「断罪」東京裁判という茶番」を読み終えま
した。著者は昔一時期テレビにもよく出演していた弁護士の
ケント・ギルバート氏です。何と来日から40年だそうです。
2016年12月初版の本なのでまだ刷りたてです。この本
の主題は東京裁史観の完全否定にありますが、私から言わせ
れば正直言って遅過ぎます。日本通の弁護士なのに最近にな
って東京裁判が茶番劇だった事にやっと気が付いたなどとは
余程真実を見たくなかったのかふざけているとしか思えませ
ん。日本史や世界史が大の苦手だった私でさえ大昔に真実を
理解出来ました。ありもしない共同謀議のでっち上げ、事後
裁判、暗号解読のあった真珠湾の真実、戦争をしないと公言
していたルーズベルトが議会を騙して英国、ソ連と諮って日
本を戦争に引き込んだこと、不公平な東京裁判などすべては
インドのパル判事の判決文を見ただけで判る事です。そうは
言っても未だに自虐史観に染まっている日本人は是非読んで
おくべき本です。本当の学問は自分の常識を疑ってみる所か
ら始まります。新聞の投書欄などもバカな発言ばかりですが
少しは真実を知る努力をすべきです。一番困るのは戦争体験
はしたけれど、自分では学門をせずに流言を信じて投書など
をする輩です。それをまた信じて自虐史観に染まってしまう
若者が増えているのが現状です。
最近は原田マハにはまっています。今回は「独立記念日」を
読みました。連作短編集といった作りのほんのり暖かくなる
小話です。ちょっと勇気を与えてくれる物語と言った方が良
いかも知れません。いずれの物語にも現状からちょっとだけ
踏み出して新しい飛躍を遂げようとする主人公がいます。
フレッド・ピアス「外来種は本当に悪者か?」をやっと読み
終えました。どうにも不満です。この著者は外来生物と在来
種はどこで線引き出来るのか、外来種の導入によって生物の
多様性が増えているケースが多いこと、自然は保全など出来
ずどんどん変わっていくなどの持論を展開して、だから外来
種は積極的に導入した方が良いというような論調が目立ちま
す。環境変化の影響だけでなく、人為的に外来種を導入した
ことにより固有種が絶滅したケースや生息数が激減している
ケースは確実にあるし、今後どのような影響が出るかも慎重
に見極めておく必要があります。そのような検討がほとんど
議論されていません。自分の説に都合のよいケースだけを取
り上げて、だから外来種全体が悪者では無いという話にはな
りません。科学者であればもう少し公平な目で見て両方の視
点から語って欲しいものです。結論ありきの論調が残念です。
書評を見て日高敏隆の新刊「人はどうして老いるのか」を早
速購入して読みました。一流の動物学者が語る話は実に判り
易い内容に仕上がっています。流石です。特に前半部分が良
いです。遺伝子からみてどうして老いるのかという話かと思
っていたらどうもそのような観点では無いようです。死を迎
える心構えを養うのに役立ちそうな本です。
日垣隆の本を2冊読みました。「ラクをしないと成果は出な
い」「こう考えれば、うまくいく。」の2冊です。前者はそ
の名の通りラクをして如何に成果を出すかをテーマに100
項目のアイデアが述べられています。実践している著者直伝
のノウハウです。無理な話も無く極めて有意義な本です。
タイトルの例を上げてみると『「好き」をお金にしてゆく』
『数値目標とその根拠を明白にもつ』『常に確率を意識する』
などそれ自体が明確です。更に各項目に対しての説明と纏め
のポイントがあります。先ずは立ち読みでもどうぞ。
2冊目は著者自身の仕事術をベースにこうすれば上手くいく
という成果を上げる為のノウハウです。帯に曰く−リッチな
情報力とリッチな予測力。週休3日で4倍の成果を上げる方
法。また「まえがき」に曰く−自身が発行する有料メディア
をもって10年間、毎週、毎年、読者数を増やし続けている。
………自分でも驚くことに、サラリーマン時代最後の給料よ
り今年の年収は20倍になった。とあります。極めて有能な
著者による成功譚なので、凡人には1割くらいしか役立たな
いかも知れませんが何らか得る所はありそうです。個人的に
はこの著者による『そして殺人者は野に放たれる』を過去に
読みましたが衝撃的でした。
福永武彦「草の花」を読み終えました。この文庫の初版は何
と昭和31年です。既に60年以上経っていますが既に74
刷以上という長ロングセラーです。サナトリウムが舞台とな
って始まる物語は非常に古い時代の設定ですが、それにも関
わらずにこの青春の愛の挫折の物語が長く読まれているのに
はそれなりの理由があります。解説では『このような切望的
な孤独は、多分作者のものであろう。その絶望の中から自分
を見つめ人生を見つめることは〜そのような深淵の底でこそ
真物が作られる』というように読み解いています。その通り
だと思います。
読みたいハードカバー本を沢山買いこんでいますがなかなか
読むことが出来ません。もっと時間が欲しい今日この頃です。
講談社学術文庫は昔の岩波文庫のように良い書物をそろえて
くれています。今回読んだ「昭和金融恐慌史」もそんな一冊
です。著者は知る人ぞ知るエコノミストの高橋亀吉と森垣淑
です。石橋湛山と同時期の人です。多くの銀行が倒産する程
の昭和初期の金融恐慌の実態とその原因を我々素人にも判り
易く平易に豊富な図表を使って解説してくれています。平成
2年に発生したバブル崩壊を念頭に置いて読み重ねると一段
とこの一書が身近に感じられると思います。このような本を
読むと、やはりどのような分野でも第一人者と目される人は
素人にも判り易く説明が出来ると言うことを改めて感じます。
阿刀田高「コーランを知っていますか」を読み終えました。
このシリーズの本は何冊か購入済みですが、阿刀田高の奇妙
な味の物語と比べて個人的にはあまり興味が沸かないために
ついつい本棚に積み残したままとなってしまっています。今
回この本を読んで少しイメージが変わりました。コーランは
我々日本人には馴染みの薄いもので、この本の解説を読んで
みても適当な入門書が無いそうです。その点でいくとこの本
はなかなか手頃な入門書としてお勧め出来ます。堅苦しく無
い所が良いです。
3月までは午後からの出勤がほとんど無いため電車の乗り換
え待ちの時間に読書する時間があまり確保出来ません。また
寒い日が多くて駅のホームで素手で本のページをめくるのも
寒くて大変です。そんな条件が重なって文庫本を読むペース
がこの季節は格段に落ちています。ハードカバーの本は就寝
前に読んでいますが最近は疲れが溜まっているのかすぐに眠
くなってしまい、こちらも読書が捗りません。早く暖かい陽
気になって欲しいものです。因みにハードカバーで読みたい
本は棚に沢山並んでいますがなかなか手が付けられません。
乙川優三郎「脊梁山脈」読了しました。この著者にしては珍
しい戦後小説です。戦後の混乱をくぐりぬけて来た男女の恋
の行方、木地師を巡る物語、戦争とは何だったのかなど様々
なテーマが盛り込まれています。三浦しをんの巻末の解説が
際立っています。ここだけでも一読の価値があります。
ミシェル・ド・モンテーニュ「エセー5」白水社刊をやっと
読み終えました。はっきり言ってかなり退屈な一冊です。エ
セーといえば短い警句が有名でそのイメージが強いと思いま
すが、この5巻はだいぶ様子が違います。物凄い労作である
ことは確かなのですが、あまりお薦めしません。「エセー1」
を読んでみてよければ2巻、3巻と読んでみて下さい。一気
に7巻まで買う必要はありません。
椎野勇太著「凹凸形の殻に隠された謎」は東海大学出版会の
発行です。タイトルを見ても何の本なのか判りません。化石
の本と言ってしまうとざっくりし過ぎですが、腕足動物の本
と言った所でそれが何者か知名度が低過ぎてほぼ全員が判り
ません。シャミセンガイもホウズキチョウチンも有名ではあ
りません。腕足動物の化石の写真をみるとホタテ貝のように
もみえますが全く別の生き物です。この謎に包まれた腕足動
物の化石採集(地層調査)から始まって形態のデザインに含
まれた生態の謎に迫るフィールド物語です。学究の徒には嬉
しい興味深い一冊となるかも知れません。
壇蜜「壇蜜日記3 泣くなら、ひとり」読了しました。どうし
ても自虐ネタが多いのが気になります。壇蜜さんを嫌ってい
る人も、まったく眼中にない人もいるでしょうが、壇蜜さん
のマルチな才能を評価している人もいる事を少しは考えた上
で「壇蜜日記」ではもう少し視点を広げて政治経済社会の話
にも言及して欲しい所です。多分、トークで間髪をいれずに
面白い話が出来る人ではないと思いますが日記のような形で
あればもっと人にアピール出来る思考がある人だと思います。
今後の一層の才能の開花を期待しています。
ジェフリー・ディーヴァー「シャドウ・ストーカー(上)(下)」
を読了しました。著者の一連の推理物は多くが科学捜査の天
才リンカーン・ライムが主役ですが、この作品ではキネシク
スによる心理分析を専門とする捜査官キャサリン・ダンスが
主役として活躍します。さらに著者も造詣が深いという音楽
関係を舞台に物語が展開していきます。次々と起こる殺人事
件の犯人は果たしてストーカーなのか最後まで謎は続きます。
一定の水準は保っていますが、この作品は少しレベルが低い
ように思えます。従来作品に比べて手に汗握る展開が少なか
った気がします。
原田マハ「ジヴェルニーの食卓」読了しました。美術の造詣
が深い著者ならではの一冊です。傑作「楽園のカンヴァス」
は成るべくしてなったと思わせる素材がこの短編集にありま
す。有名な画家であるマティス、ドガ、セザンヌ、モネを召
使いの少女、弟子の女性画家、画材商の娘、義理の娘という
近しい人々の視点から描き出すという構成のストーリーは実
際には誰も見ていなかった当時の状況を如何にも的確に現実
のように捉えて飽きさせません。「楽園のカンヴァス」同様
に改めてこれらの画家たちの描いた作品をもう一度見てみた
い気にさせてくれます。
2016年は結局96冊で読み納めでした。あと4冊で百冊
でしたがちょっと及びませんでした。通勤距離は短いですが
通勤時間が長いのでどうしても文庫本や新書が多くなります。
自宅には2016年に購入したハードカバーで読みたい本が
現在山積みになっています。これらの本を読むのを阻害して
いるのがモンテーニュの有名な警句集「エセー」第5巻です。
「エセー」は1巻目の短編の警句集で十分ですね。第5巻あ
たりになると長文で読みにくいし、思索も複雑で直感的に判
り易い内容が少なく警句的な良さが逓減します。
気に入った本があったら読んでみて下さい。
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