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* * * 読書雑記(2020年) * * *



今年はコロナの影響で歩く歩数が3割減、それによる筋肉減少
と運動不足が祟ってちょっとした事で膝を痛め益々運動が減り
人間ドックでは体重増加と腹囲周りの増加を指摘されてしまい
ました。しかし動かない分、読書量は増えて今年は130冊を
越す本を読むことが出来ました。しかし、やはりコロナの影響
で近くの本屋が夜1時間早い21時に閉店するようになってし
まい、本屋立ち寄りが出来ずにネットでの本の注文が増え結局
読んだ本よりも多い数の本を買い溜めしてしてしまいました。
『風が吹けば桶屋が儲かる』流なのか、『人間万事塞翁が馬』
式なのか判りませんが世の中上手い事ばかりではありません。
兎にも角にも多くの本を紹介出来た事は喜ばしい事です。来年
も多くの本を読みたいと思います。購入の参考にして下さい。

櫻井よしこ「チベット自由への闘い」読了です。1948年か
ら始まった中国によるチベット侵略(チベットは独立国なので
当然、侵略であると考えますが中国流の言い方では併合)に対
して日本は今何が出来るのかを著者である櫻井よしこが中心と
なってダライ・ラマ法王14世や亡命政府ロブサン・センゲ首
相との対話や東京で行われたシンポジウムや講演などを通して
問いかけています。法皇や首相はあくまでも中国からの独立ま
では求めておらず、基本的人権(行動の自由や宗教の自由など
)を求めているだけと主張していますが、それは独立運動と見
なされた途端に支援者である多くのチベット人民の生命が脅か
されるからに他なりません。今何が起こっているのかを知るこ
とや支援の輪を広げ情報を発信していくことには意義があると
は思いますが、中国による併合という名の下に進められている
この70年間の動き(チベット自治区、新疆ウイグル自治区、
一帯一路構想、香港国家安全維持法など)を見る限り対話を続
けようとする努力が報われるとは到底思えません。時間が長引
くだけ被害は拡大し、中国流の同化政策により民族としての固
有性は薄められて独自性は保てなくなります。百年も経てば正
に中国の狙い通りに国土を乗っ取ることが出来ます。この連鎖
を止められるとすればそれは唯一アメリカを中心とした自由主
義諸国が団結して中国に経済的、政治的、武力的圧力を掛け続
けることで中国国内体制の崩壊を目指すことでしか基本的には
断ち切る事は出来無いのではないかと思います。そのような考
え方は危険かも知れませんが、穏健的な解決の道は既に70年
間も何の効果も上げていません。チベット住民の数倍もする漢
民族を投入して自治権を奪い、チベットの優秀な若者に中国語
だけの選民教育を施し、適齢期の女性を中国人と強制的に結婚
させるなどという同化政策が続けばチベットはチベットでは無
くなります。それは誰にも判る道理です。時間はありません。
香港然り、台湾然り、沖縄(尖閣諸島)然りです。     

百田尚樹「逃げる力」読了です。著者曰く、日本人には「逃げ
る力」が足りないそうです。本当に大切なものを守るために戦
っても勝ち目がない、得るものがないと判断したら、動物と同
じようにさっさと逃げるべきであると提言しています。会社か
ら逃げる、人間関係から逃げる、目の前のピンチから逃げる事
は、消極的で後ろ向きなことだと捉えられがちですが実は逃げ
る事は戦うことと同じくらい積極的な行動であると言います。
そのためにはまず、自分にとって大切なものは何か、しっかり
見定める事が肝要だと言います。人生についての根本的な考え
方を語る一冊です。                   

壇蜜の新作「三十路女は分が悪い」読了しました。今までの日
記シリーズではなく今回は読者からの相談に答えるお姉さん役
です。人生相談に対する答えに正答はありません。質問が真剣
で重たいものであればあるほど回答する方も対応が大変だと思
います。きっと私が答えたらまったく違った答えをしているだ
ろうと思うような質問も数多くあります。人生経験豊富な著者
ならではと思える回答もあります。相談者の人生を斟酌して真
摯に回答してくれている印象を受けます。色々な見方をアドバ
イスしてくれている本書は悩んでいる人にとっては一つのヒン
トになるのではないかと思います。お勧めです。      

「動物が教えてくれるLOVE戦略」は竹内久美子の久々の著
作です。動物特に人間の行動学を専門とする著者のエッセイに
は興味深いものが多いですが、この本では一段と突っ込んだテ
ーマが多い様に思えます。例えば『男はなぜ女性のおっぱいを
もみたがるのか』などです。確かに動物行動学的にみたら何か
それによって利益があったり、動機なりが存在しているはずだ
という主張は頷けます。興味のある方は是非この本を手に取っ
てみることをお勧めします。               

角川文庫「蕪村句集」読了です。芭蕉の俳句は人口に膾炙して
いますが与謝蕪村の俳句はあまり知られていません。この本に
は1000句ほどが収められていますが私が知っている俳句は
数えるほどでした。蕪村の俳句は全般的に見て先達の俳句を踏
まえての句作りや歴史を背景にした句作りが多く時代背景や当
時の風物などを知らないと理解が難しい俳句が大多数です。こ
の本では当然、それらの予備知識や関連する俳句、季語などに
ついても詳しく説明されていますので理解が出来ない事はあり
ませんが、芭蕉の種々の俳句の様に瞬間的に情景が浮かぶよう
な雄大、絵画的な叙景句は殆どありません。ちょっと残念な所
です。600ページもある大部の本で読み通すのも大変です。
良く知られている句は以下のようなものです。       
『春の海終日(ひねもす)のたりのたりかな』       
『なの花や月は東に日は西に』              

寒川猫持歌集「僕の歌は君の歌(オンデマンド)」読了です。
思出の記、ダメだこりゃの記、グルメなわたし、告白の記、昭
和恋々、猫持ウィル・ビー・バック、猫持俳句集など多彩なテ
ーマで色々な歌を発表しています。以下参考までに一首だけ。
『核持たぬ国が核持つ国々に非核を説くは愚かなるかな』  

フェルディナント・フォン・シーラッハ「禁忌」を読了しまし
た。推理小説です。既刊累計300万部突破、本屋大賞「翻訳
小説部門」受賞作家が「罪とは何か」を問いかけた問題作です。
文字のひとつひとつに色を感じる共感覚を持ち、写真家として
大成功をおさめたセバスティアンが、若い女性の誘拐・殺人容
疑で逮捕される。捜査官に強要されて殺害を自供した彼を弁護
するため敏腕弁護士ビーグラーが法廷に立つ。裁判で暴き出さ
れる驚愕の真相とは…。以上、書評のコメントです。しかし、
個人的にはお勧めしません。ネットでこの作品の書評を検索す
ると賛否が山の様に出て来ます。誰かの書評にもありましたが
この作品は現代美術の様です。果たしてそれが美術と呼べるの
かという問いです。敢えて犯人と呼びますが、この主人公の犯
意も最後まで明確にならず、犯人の設定が芸術家であれば常人
と考える事がどの様に違っても許されるのか、極めて優秀な弁
護士像は優秀な作者を髣髴とさせますが、技に溺れて語らせて
いないかという気がします。各章のタイトルを緑、赤、青、白
という光の三原色に準えていて一つの事件について、容疑者、
検察官、弁護士の視点からそれぞれ描いた物語で、物事は見る
視点や見る人の立場によって異なるということを言っているの
であるという見方が示されていますが、「罪とは何か」という
問いに答えはなく著者から日本の読者へのメッセージにあった
良寛の詩「うらを見せおもてを見せて散るもみぢ」がその答え
という示唆もありますが、捜査官による犯意のでっち上げには
合理性もなく現在の捜査の視点では一発アウトです。さらには
共感覚という設定がストーリーに生かされていない点にも全く
共感が覚えられません。複雑な思想背景にこれまでに無かった
推理小説部門開拓に挑戦した作品といった位置付で絶賛する人
が多いのも頷けますが、現代美術は判らないという人にはこの
本の面白さも判らないような気がします。         

寒川猫持の歌集「ろくでなし(オンデマンド版)」読了です。
気に入った歌を2首だけ上げておきます。         
『地球儀に着陸したる羽虫あり不毛の星と思ふてあらむ』  
『ゴルフして地球ばっかり叩いてるたしかにこれも球ではあるが』
尚、この本には俳句も付録として20頁程も含まれています。
 
今年は百田尚樹の小説では無く評論系の本を集中的に読んでい
ますが今回は新潮新書「鋼のメンタル」です。マスコミなどか
らバッシングを受けてもへこたれず我が道を行く著者のメンタ
ルの強さの秘訣が明かされています。精神力の鍛え方の良い手
本となるかも知れません。                

世間ではあまり知られていない歌人の寒川猫持の第二歌集であ
る「雨にぬれても」がAmazonからオンデマンド出版で販
売されていることに最近気が付きました。いわゆるペーパーバ
ックです。売り切れない内に購入しようと思って未読の4冊を
まとめ買いしました。私は歌集などに詳しい訳ではありません
が、なかなか斬新な笑える歌もあってお勧めです。石川五右衛
門が釜茹でになった時に水ではなく油が使われていた事は知る
人ぞ知る事実ですが、この情景を以下のように詠んでいます。
『<石川の浜の真砂は尽きるとも>世にてんぷらの種は尽きま
じ』今ではもう石川五右衛門自身を知らない人も多いかも知れ
ませんが昔、卒業文集で尊敬する人として義賊である石川五右
衛門と書いたことのある私にとっては感慨も一入です。歌集か
らもう一、二首を上げておきます。『かぐや姫無理難題を言う
ばかりこのテの女実際にいる』『尻舐めた舌でわが口舐める猫
好意謝するに余りあれども』この歌人については故山本夏彦氏
が激賞していましたがそれ以降目にすることがありませんでし
た。久々です。因みにこの歌集には珍しく後記があります。 

科学のアルバム植物12「ジャガイモ新装版」読了しました。
発行元はあかね書房です。児童向けの選定図書の一環です。こ
のシリーズには虫、植物、動物・鳥、天文・地学などの分類が
あって既刊が全80種類位あります。児童向けとは言っても馬
鹿に出来ません。たかがジャガイモですが、新しい知見満載で
す。ジャガイモの芽の出る場所がらせん状になっていることや
水孔の話など我々はまだまだ学ぶべきことがあります。あまり
個人で買い揃えるような類の本ではないので図書館などで見る
ことをお勧めします。                  

寡作な作家である原ォの5冊目となるハードボイルド推理小説
読了です。『そして夜は甦る』『私が殺した少女』『天使たち
の探偵』『さらば長き眠り』が第一期作品群で、前作から9年
目となる本作『愚か者死すべし』が第二期の開幕作品という事
のようです。我が国には沢山の推理小説がありますがなぜか正
統的な本格ハードボイルド小説と言われるものは殆ど見当たり
ません。本作の主人公の語り口はしゃれていていかにもハード
ボイルドといった雰囲気を醸し出しています。本作は主人公で
ある沢崎が大晦日に巻き込まれた、新宿署駐車場での狙撃事件
に端を発し、引きこもりの青年、92歳で旧貴族の資産家とそ
の養女、あやしげな政治屋、暴力団の組織、警察の腐敗、プリ
ペイド携帯を使った犯罪など様々な事物が事件と交差します。
前作越えの評価が高い作品です。             

橋本治「愛の帆掛舟」読了です。軽い読み物としてみても良い
し、30年以上も前に出された本であることを考え合わせれば
当時としては異色の愛憎渦巻く愛をテーマとした衝撃的な短編
集とみなすことも出来るかも知れません。相続問題をきっかけ
として嫁と舅の間に生まれた愛を描いた表題作や、金持ちの息
子とゲイボーイの愛の結末を描く「愛の百萬弗」、堅い銀行員
の夫の意外な愛人「愛のハンカチーフ」などテーマは様々です
が現今のLGBTとの関わりで読むと違う見方も出来るかも知
れません。                       

養老孟司「AIの壁」読了しました。将棋の羽生善治さん他と
のAIに関する対談です。羽生さんは将棋だけの人かと思って
いましたが大きな誤解でした。想像していた以上にAIによる
我々の生活への影響やAIとの対峙方法について考えており、
AIについて造詣が深いことが判ります。この本には羽生さん
との対談以外に3名との対談が載せられていますが多角的な討
論になっていて楽しめます。               

「偏愛ムラタ美術館展開篇」は村田喜代子としては珍しく小説
では無く美術論です。たまたま立ち寄った本屋で見つけたもの
ですが、前著として「偏愛ムラタ美術館」「偏愛ムラタ美術館
発掘篇」もあるようです。取り上げられている作品には相当な
クセがあります。金キラキンでのっぺらなクリムト、長沢芦雪
に対するカラバッジョ、古墳内部の絵、つげ義春夫人の藤原マ
キ、藤田嗣治の戦争画、デビッド・ホックニー、ワイエス、黒
田征太郎、奥山民枝など異色の画家たちが取り上げられていま
す。豊富なカラー図版に加えて独自の視点で読み解く解説は絵
画に対する新しい視点を提供してくれます。        

ビートたけし「間抜けの構造」読了です。一つの分野で成功を
重ねている人はそれなりの型というものを身に付けています。
それを応用することで分野が違ってもそれなりの評論や指摘を
することが可能となります。養老孟司しかり、ビートたけしし
かりです。真似は出来ませんが言っている事は腑に落ちます。
日本はよく「空気を読む社会」と言われ、最近では忖度という
言葉が流行りましたが、「間(ま)」というのも日本独特です。
養老孟子もどこかの本で「世間」について語っていましたが、
「間抜けの構造」ももしかしたらいつか山本七平「空気の研究」
のように日本人論の嚆矢として名著と謳われるかも知れません。

脳科学者である中野信子著「女に生れてモヤってる!」は期待
していただけに少しガッカリな著作です。もう少し冷徹な論理
のもとに斬新な見解を披露してくれるかと思っていましたが、
従来から散々主張されて来た、女性は抑圧されている、男性に
比べて割を食っているという主張から大きく外れるものではあ
りません。その主張の根拠は明確では無く著者がそう感じてい
るからという点がベースにあるような気がします。性差を含め
てみても未だに日本社会は男女平等だとはいえないと思います
が、それに加えてこの本の著者2名には元から女性は損をして
いるという刷り込みが強いような気がします。そのような観点
でみればすべての女性は割を食っており、すべての男性を一括
りにして優位な側に立った論理になってしまいます。世の中に
は男性も女性も様々な考えの人がいます。その大前提のもとに
立ったもう少し冷静な分析と提言が欲しい所です。この本は単
純にこのような本に無条件に共感してくれる自分であまり考え
る訓練もしていないような無垢な若い女性をターゲットにした
商業ベースの著作の様に感じられてしまうのは穿ち過ぎでしょ
うか。頭の良い著者なのでその位は計算済みでもおかしくない
ように思えます。                    

僅か2日程で塚本克巳「世界で一番詳しいウナギの話」を読了
してしまいました。この本にはウナギに関する新しい知見満載
です。回遊魚(鮎、鮭、鰻)の回遊パターンの違い、耳石によ
る日輪推定、昼夜による回遊深度の違い、塩分濃度の違いによ
る回遊コースの割り出しなどの知見に加えて、ウナギの産卵場
所を特定するために塩分フロント仮説、新月仮説、海山仮説、
貿易風仮説などを次々に繰り出しそれらを実証し産卵場所に迫
っていく過程はわくわくする壮大な物語となっています。稚魚
が貿易風と偏西風に乗って日本に辿り着く壮大なルートの解明
や、稚魚の餌となるマリンスノーの解明は今後のウナギの完全
養殖に向けた極めて有効な知恵となります。科学の謎はなかな
か目に見えて進捗しませんがウナギの生態に関してはこの20
年で大幅に進捗しました。今後、宇宙誕生の謎や生命誕生の謎
の解明に加えて卑近な所でいえば松茸の完全養殖などについて
も進捗を期待したい所です。               

4600冊。これが私が今までに読んだ本の総数です。一年間
に100冊読んだとすると46年間も掛かる計算です。なかな
か読めないものです。多く読めば良いというものでもありませ
んが、読みたい本が尽きないのは幸いです。本1冊の価格は平
均すると1000円程度ですので未読本を含め500万円以上
は本代につぎ込んでいる勘定になりますが、とりあえず食べる
のに困らず生活出来ているのは幸いです。この程度でも毎年読
書を続けていると少しはいらない知識が増えます。本の終活を
するのには少し本が少な過ぎますが、あとどれ位の本が読める
かは考えることがあります。ボケが入らなければあと2000
冊くらいは読めるかなと皮算用をしていますが、こればかりは
成り行き任せです。気力が持つかも大事ですね。読みたい本は
店頭での閃きや、書評などを随時参考にして選んでいますが、
誰か「死ぬまでに是非読むべき本」2000冊を紹介してくれ
ないでしょうか。世の中にはきっと読んで損は無いけど殆どの
人に気付かれていない本が山の様に眠っている様な気がします。

海洋国家として1000年も続いたヴェネツィア共和国はトル
コとの長い抗争の果てに最終的にはナポレオンの侵略によって
滅亡していきます。「海の都の物語(下)」はその長い歴史を
丹念に追って綴った塩野ルネサンス作品(後編)です。第8話
から第14話まで400頁余となる大部の本です。1か月以上
掛かってもやっと半分位しか読めない程、文字がびっしりの著
作ですが何とか11月末までには読み終えそうです。それにし
てもまるでその時代に生きていたかのような具体的な記述には
感嘆せざるを得ません。文句なく著者の代表作です。    

江藤淳「閉された言語空間 占領軍の検閲と戦後日本」は今で
もその影響が続いていると思われる占領時の検閲制度について
著者が丹念に米国公文書に当たって時系列でその内容を明らか
にした意欲的な研究成果であり当時を知る貴重な資料となって
います。検閲の厳格化と当時から言論の自由を謳っていた米国
制度との矛盾・葛藤なども明確に指摘されています。WGIP
(ウォー・ギルト・インフォーメーション・プログラム)は本
当に罪深い政策でした。戦後70年も経っているのにいまだに
多くの日本人の心を蝕んでいます。この呪縛から逃れられない
限り日本の戦後は終わらないように思えます。       

百田尚樹「戦争と平和」読了です。我が国には依然として戦争
に関する発言をするのがいけないかのような論調が色濃く残っ
ています。世の中には平和念仏で70年安全に暮らせたと真剣
に思っている人がきっと多いのでしょうが幻想以外の何物でも
ありません。世界最強国のアメリカの核の傘に守られての平和
享受であることを肝に銘じておくべきです。この本はそんな平
和ボケした人達にこそ読んで欲しい一冊です。大ヒットとなっ
た「永遠の0」の作者だからこそ言える説得力のある逆説的な
反戦論となっています。著者曰く。『日本は絶対に戦争をして
はいけない。なぜなら日本人ほど戦争に向かない民族はいない
のだから。』「ゼロ戦」と「グラマン」の徹底比較は戦争賛美
ではありません。そこにこそ著者の主張の根幹があります。 

櫻井よしこはどの書籍においても社会人として必須の情報と物
の見方を我々に教えてくれています。「朝日リスク・暴走する
報道権力が民主主義を壊す」はその名の通り朝日新聞、朝日放
送がいかに偏向した報道をしているのかについて具体的に伝え
てくれています。どうして巨大組織全体でそのような偏向報道
を続けているのか、その情念が私にはどうしても理解できませ
んが、朝日、NHK、毎日の偏向ぶりはこの本1冊で十二分に
理解が出来ます。新聞の発行部数の低下やNHK離れは故ある
事と納得できます。この書籍ではマスコミが如何に偏向した報
道を続けているのかを縷々述べていますが判り易い一例が以下
の件です。加計学園問題での獣医学部の新設に絡んだ国会の閉
会中審査において話題となった前川氏の発言と前愛媛県知事の
加戸氏の発言についてのマスコミ報道時間ですが、前者がXX
時間であるのに対して後者は何とXX分です。結局森加計問題
では首相の関与は何も出なかったにも関わらず支持率はXX%
からXX%へと見事に落ちてマスコミの安倍政権へのダメージ
作りは大いに成功した形となっています。まるで韓国と朝日の
虚報により慰安婦問題で世界に日本悪者イメージ作りが定着し
てしまったのと全く同じ構図です。朝日は2つの吉田問題の責
任を取って社長が変わった後も体質は何も変わっていないとい
う事のようです。

原田マハ「ハグとナガラ」は主人公であるハグと大学時代の親
友ナガラ2人の6つの短編連作からなる日本全国旅物語です。
転職、別離、介護を乗り越えた先にあるちょっとホッと出来て
癒されるお話です。旅、温泉、食事、名物に花鳥風月、トーク
と掌編の割に盛りだくさんです。文庫オリジナル短編集です!

今年はコロナが遠因で10月末までに100冊を越える本を読
む事が出来ていますが、今年も読めた本より買った本の方が多
い一年です。是非とも読んでおかなければいけないような本や
買っておかないと後で入手困難になりそうな本や読みたい本を
ネットや書店で節操無く購入した結果、我が家の本棚に眠って
いる未読の本は現在680冊もあります。年間100冊読んで
も7年は在庫がある勘定です。特にシリーズ物や大部の本は長
年本棚に眠り続けています。「中国古典小説全12巻」や「藤
沢周平の世界全30巻」「星新一ショートショート1001」
「和漢三才図会全18巻」「千夜一夜物語全11巻」「鳥獣人
物戯画」などが筆頭格です。一般には読書対象外だと思います
が辞書、図鑑類も買って以来殆ど開いていないものがたくさん
あります。「世界のタマムシ大図鑑」「日本産カミキリムシ」
「世界のカトカラ」などがこれに当たります。残念ながらまだ
当分の間はじっくり腰を落ち着けて本を読んでいる時間が作れ
そうにありません。『貧乏暇なし』とは昔の人はよく言ったも
のです。                        

中国哲学史を専門とする東洋学者、評論家である加地伸行氏が
専門書ではなく我々一般読者向けに書いた評論「マスコミ偽善
者列伝」の続編が「マスコミ偽善者列伝 続 世論を煽り続け
る人々」です。政治家、コメンテーター、識者の方々の言論に
対して容赦なく批評を加えています。批評の対象となった著名
人には池上彰、枝野幸男、尾木直樹、柄谷行人、野田佳彦、細
野豪志、鳥越俊太郎、柳田邦男、蓮舫など良く知られた面々が
並んでいます。朝日新聞大好きという著者にとって世間に題材
は溢れているようでこの本だけで50名もの人々が登場します。
見識の無さや、一貫性の欠如、語学力の低さ、具体的提言無き
批判など批評の対象は各方面に及びます。古典の知恵に基づい
た批評には一読の価値があります。            

「現代アートをたのしむ」は東京・森美術館設立準備室で共に
日々を過ごした原田マハと高橋瑞木の共著です。小説家であり
キュレーターとしても知られる原田マハと、2019年に香港
で開設したアートセンターのチーフキュレーターという肩書の
高橋瑞木という組み合わせはこのタイトルで語らせたら最強の
2名です。私も美術には興味がありますが「現代アート」と言
われるとあまり食指が動きません。やはり判らないという所が
大きいです。そもそもどこからが現代アートなのか、鑑賞ポイ
ントはどこなのかなど、素人の我々が聞きたい所が2人の対話
で良く判ります。多様過ぎて一緒くたには括れない現代アート
の寵児たちをそれぞれの作品や時代背景を加味して詳しく解説
してくれています。総じて言えることは作品の美醜や好悪や形
態が評価の主体だったこれまでの芸術作品とは違って、芸術を
利用してメッセージ性を訴える事が主眼となっているような気
がします。それも単純に戦争への批判を謳った「ゲルニカ」な
どとは違って格段にメッセージ性が高まっており、デジタルア
ートや普通の商品を並べただけのものが芸術なのか、衆人参加
の変化する芸術、いわゆる楽屋落ちとも言えるような「どこま
でが芸術と認められるか」といった挑戦的な作品までが問われ
ています。もはやその感性に鑑賞者が気付けるかどうかに芸術
性が掛かっているような所もあります。それが判った一部の人
が喝采を送っているのが現代芸術かも知れません。確かにその
時代には受け入れられなかったゴッホなどの作品もあるので後
世に委ねる所は常にありますが、一歩先んじていることが重要
なんだと思います。おそらく100歩も進んだ芸術家は現代で
も評価されないのでしょう。色々な現代アートに触れることが
大事だと著者の2人は口を揃えて言いますが、作者が芸術作品
だと言い張ってはいても、どうみても面白くなさそうな芸術作
品が溢れているのもまた事実のように思います。      

新聞を読んでいると、少し前にニュースで騒がれていた事件が
不起訴になったという小さな記事をよく目にします。決まって
検察は不起訴の理由を明確にしていません。何だか釈然としな
いのは私だけではないと思います。裁判を行って無罪ならまだ
判りますが、裁判をすれば確実に有罪になりそうな事件でも不
起訴になっています。理由も明確にしない不起訴が多過ぎない
か?というのが正直な気持ちです。そんなモヤモヤを少しでも
解消してくれないかと思って購入した本が『暴走する検察』で
す。「黒川問題」であぶり出された官邸・メディアとの癒着、
ゴーン逃亡から見る「人質司法」、「作られる」自白、進まぬ
取調べの可視化…巨大権力機関はどこに向かっているのか。我
が国の司法問題の暗部を問う一冊です。          

久々にビートたけしの本を買いました。新潮新書「バカ論」で
す。巷に蔓延るバカバカしい愚問や行動をたけし流の諧謔で切
りまくった一冊です。「一線は越えたのか?」「男女の関係は
あったのか?」と聞くレポーター、「どうしたら売れますか?」
と聞く若手芸人、「この責任をどう取るつもりか」と偉そうに
語るコメンテイター、「やりたい仕事が見つからない」と口先
で嘆くだけの若者……。などなど確かにその通りと頷けるバカ
らしさのオンパレードです。笑い飛ばすというよりはしょうも
ない人々の行動をネタを肴に世評や芸論や人生論を語ったそん
な一冊です。                      

ジェフリー・ディーヴァー「監禁」読了です。この著者の有名
なリンカーンライムシリーズなどで見られる高い知能や言語能
力を持った犯罪者の心理描写が秀逸な作品です。加えてそれに
対抗する弁護士や警官らと犯人との追いつ追われつする緊迫感
溢れる展開はやはりこの著者独特のものです。牧師である犯人
のアーロンはミーガンという17歳の少女を、神への生贄とす
るために誘拐し教会に監禁します。突然姿を消した娘の行方を
追う弁護士である父親テイトと警察官、娘の恋人などが犯人と
対決する展開は息を飲むサスペンスです。         

百田尚樹「幸福な生活」は全18話を収めた掌編小説集です。
最後の1行で謎が解ける推理小説といっても良いと思います。
阿刀田高の奇妙な味の掌編よりも全般的に、もう少しピリッと
した結末となっています。このような掌編が書けるのであれば
もっとシリーズ化して1000篇位書いて欲しいものです。 

原田マハ「たゆたえども沈まず」幻冬舎刊は結構分厚い文庫本
です。それでも読み始めるとゴッホ兄弟の苦節の生涯とそれに
関わる日本人画商との関り合い、ストーリーの展開が気になっ
て一気に読み進められました。それにしても時代の要請という
のは皮肉なものです。当時は美術品としての価値が異常に低か
った浮世絵や印象派作品が今では非常に高い評価を受けており
損保ジャパンが購入したゴッホの「ひまわり」は何と53億円
でした。本作品は史実にかなり基づいたアート・フィクション
です。画商の林忠正は実在の人物でその活動は広く知られてい
ます。脇役である加納重吉は創作の配役ですが林との対比で効
果的に描かれています。日本に憧れる極貧で売れない無名画家
ゴッホと、兄を献身的に支える画商テオの生涯については同じ
著者の「ゴッホのあしあと」や岩波文庫の「ゴッホの手紙」な
どが参考になります。                  

植木理恵「図解使える心理学大全」を読了しました。心理学の
基本スキルは人生の様々な部分で使えるということをこの本で
は判り易く体系立てて解説してくれています。職場での人間関
係、スキルアップ、会議、セールスでの交渉をはじめ、恋愛で
の交際関係、人生での悩み、トラブル対応まで幅広い分野で活
用が出来ます。自信の取り戻し方やモチベーションの上げ方に
までヒントを与えてくれています。豊富な事例と図表は判り易
さアップに大いに貢献しています。更に余裕のある方にとって
は数多くの心理学用語まで平易に覚えられるというまさに盤石
な心理学解説書です。                  

百田尚樹「偽善者たちへ」を読了しました。2019年11月
の発行です。日本の国益に不利益となる偏った発言や報道が恰
も正義だったり人権だったり環境保護名目としてまことしやか
に巷に拡散されています。これが単なるローカルニュースであ
れば笑って済ませられますが、出てくる名前は朝日、毎日、読
売、共同通信、NHKなど大御所ばかりです。一体、日本はど
うなってしまっているのでしょうか。都合のいい正義を振りか
ざすマスコミ、犯罪者を擁護する人権派、隣国の横暴には見て
見ぬふりをする人々、無責任な発言ばかり繰り返す野党議員。
この国に蔓延する数多の「偽善」をベストセラー作家が諧謔を
交えて剔出してくれています。これも皆さん必読の書です。 

呉善花/加藤達也による「韓国・北朝鮮はこうなる!」を読了
しました。加藤達也を知らないという方も多いと思いますが、
2014年に韓国旅客船セウォル号沈没事故が起きた当日に当
時の韓国大統領である朴槿恵氏が7時間に渡って行方不明とな
っていた事件の転載記事により名誉棄損の罪で起訴され9ヶ月
程も出国禁止となった産経新聞支局長です。この本は韓国生ま
れの評論家である呉善花氏とそんな韓国通である加藤達也氏の
対談です。韓国・北朝鮮の最近の発言の真意や動向の裏にある
思惑や国民感情などを見据えて北東アジアの近未来を予測して
います。それぞれの論客の発言には関係者ならではの説得力が
あります。日本ではいまだに国会議員、マスコミをはじめ一般
庶民に至るまで無責任な発言や能天気な発言に溢れていますが
少しはこのような本を読んで危機管理能力を高める必要があろ
うかと思います。自由主義体制側にいるにも関わらず北朝鮮に
すり寄る文在寅政権下の韓国は米国に見捨てられるだけでなく
北朝鮮からも剣突を食わされている状態ですが、中国や北朝鮮
の狙いは朝鮮半島からのアメリカ軍の撤退にあります。一時期
見掛けの平和ムードに乗って、朝鮮戦争の終結という噂も飛び
出しましたが、朝鮮戦争終結=南北融和=韓国での米軍の駐留
不要・撤退となったその時が朝鮮半島の共産化の始まりです。
1992年に米軍がフィリピンから完全撤退しましたがそれを
虎視眈々と狙っていた中国は早くも2014年にはフィリピン
領である南沙諸島に人工島を作り上げています。韓国から米軍
が撤退した先のシナリオは、北朝鮮による朝鮮半島の実質支配、
中国による尖閣諸島、沖縄への侵攻、台湾の締め付けと実効支
配です。既に現実の恐怖となっていても我が国はいまだ世論も
盛り上がらず、尖閣諸島なども中国船に領海侵犯されるままに
なっています。2012年の石原都知事による尖閣諸島購入の
際に港の建設か建物の一つでも出来ていればと悔やまれます。
今の様に国有化したが放置しておけばいずれ近いうちに中国が
本格的な実効支配に乗り出すのは確実です。        

百田尚樹「バカの国」を読んでいて昔の人生幸朗(じんせいこ
うろ)のボヤキ漫才を思い出しました。「責任者出て来い」で
は無いですが、「バカの国」では我が国に溢れている信じられ
ないような数々のバカが白日の下に晒されています。クレーマ
ーを始め理解不能な迷惑行為をする人々、保身に走るお役人や
政治家、モラルの欠如など巷はいったいいつからこんなに嫌な
世の中になったのでしょうか。百田尚樹がツッコミながら警鐘
を鳴らす笑いと怒りの123篇には一読の価値があります。 

ハヤカワ文庫「さらば長き眠り」は原ォの沢崎探偵シリーズの
第3弾です。前作から6年、デビュー以来30年で長編5作と
いう寡作な作家ですが、読みたいミステリランキングでは常に
上位にあります。本作では1年以上も東京を離れていた主人公
が抱えていた重大な秘密が判明するとともに、八百長試合の疑
いが掛けられていた元高校野球選手の魚住から、義姉が自殺し
た真相を突き止めてほしいという調査を請け負う事から、更な
る事件やトラブルに巻き込まれていくというストーリーですが
八百長事件や義姉の自殺に纏わる驚愕の事実が主人公の機転に
より一気に解決へと向かいます。期待を裏切らない一冊です。

10月10日に箱根の岡田美術館に行って来ました。この美術
館では陶器、磁器などの焼き物のコレクションや屏風絵を多数
所蔵しています。今回の主目的は若冲没後220年の記念展で
の若冲作品7点の拝観ですが、同時代人や若冲に影響を与えた
画家たち(光琳、応挙、蕭白)の作品も併せて展示がされてい
ます。現在、高任和夫著「光琳ひと紋様」を丁度読んでいる所
ですが、この本の主人公である尾形光琳と尾形乾山のコラボ作
品である絵皿や光琳の「菊図屏風」などが見られて感動もひと
しおでした。光琳の生涯がよく判る一冊です。       

呉善花「日本人はなぜ「小さないのち」に感動するのか」は著
者がこれまでに様々な本で紹介して来た日本人の感性、行動、
文化などをベースに新たに纏め直した一冊です。韓国人から見
た日本人の不思議な点、日本人の考え方や行動様式、自然と一
体となった感受性、死生観、安全神話、などなど通常我々が気
にしていない日本人のルーツとでもいえるような深層に迫りま
す。この本を通して韓国人の一般的な考え方も判るのでどのよ
うに付き合って行けば良いのかの参考にもなります。    

櫻井よしこ「親中派の嘘」を読み終えました。このような本を
読むたびにマスコミは一体何を報道しているのだろうと思いま
す。トランプ政権になってからよく偏向報道(フェイク)とい
う言葉を聞くようになりましたが、この分野に関しては我が国
も決して負けていません。我が国のマスコミは挙って報道しな
い自由を謳歌しているように思えます。NHK、朝日、毎日で
は決して報道されない重要過ぎる報道内容がこの本には満載で
す。教育の重要性はよく話題になりますが、報道の公平性はそ
れにも増して重要です。なぜ報道諸機関が国民を誤った方向に
挙って誘導したがるのか依然として謎ですが、このような本を
読んで少しでも呪縛を解いていかないと50年後の日本が大変
な状況になっているかも知れません。そう言った意味で多くの
方に読んで戴きたい一冊です。内容は武漢ウイルス、米中貿易
戦争、香港デモ、台湾総統選、韓国・北朝鮮問題など重要項目
ばかりです。著者が6名の論客とともに真相に迫ります。  

呉善花「反日をやめたら成り立たない国・韓国」読了です。こ
の本が出版された2015年は朴槿恵大統領が弾劾される直前
の段階です。韓国と日本の関係に大いに影響を与えている韓国
と中国との関係、韓国と北朝鮮との関係についてもよく判る本
です。我々はどこまで韓国と親しくなれるのか、時折このよう
な本を眺め直して考えを新たにする必要がありそうです。  

スティーブン・ムーア「トランポノミクス」は行間、空白が少
なくかなり読み出がある本ですが読んで損は無いと思います。
第二章あたりまでは少し冗長ですが、最終章の9章に向かって
ギアが加速していきます。我々がこの本から読み解くべき事は
マスコミの報道を素直に信じてはいけないと言う事、経済成長
の為には、不要な規制の廃止、減税、生活保護ではなく雇用の
創出、地球温暖化などという壮大なプロバカンダに騙されるこ
と無く石油、石炭、原子力などの安価なエネルギー利用による
国民負担の軽減、自由で公正な貿易などが重要という事です。
今の日本が元気が無いのは上にあげたほぼすべての項目が足枷
になって経済成長を止めているために他なりません。この本は
アメリカ大統領トランプ氏と行動を共にしてきた側近ブレーン
たちが、トランプ政権の経済政策に焦点を当てて語った一冊で
す。トランポノミクスがどのように誕生し、どのように実現さ
れていったのかが良く判ります。私もトランポノミクスで採用
した減税による経済回復対策には賛成ですが、日本では相も変
わらず増税論が主流です。今までの消費税増加の変遷と国税の
収入増をみると判りますが増税の効果はまったくありません。
また法人税減税を行えば、単に税収増加が見込めるというメリ
ットだけではなく日本企業回帰による国内経済の発展、国際競
争力の強化、企業の成長、雇用促進などのメリットが期待でき
ます。                         

呉善花「韓国を蝕む儒教の怨念 反日は永久に終わらない」を
読み終えました。韓国の国民性、行動倫理などがよく判る一冊
です。我が国では、話し合えば判るというのが凡そ合意が得ら
れている考え方ですが、おそらく韓国はそれ以前の儒教、朱子
学、小中華という縛りに基づいた行動規範が前提にあって我々
の常識が通じない国の様です。個人的には韓国と付き合うには
日本がもっと外交的にもたくましくなって、こちらの言い分を
一歩も引かずに突き付けていくしかないのではないかと思いま
す。また、世界に向けては韓国・中国などのプロバガンダに負
けないように、しっかり予算を確保して、相手方を圧倒する質
と量の正しい情報発信を行っていくしかないのかと思います。

江藤淳「一九四六年憲法−その拘束」読了しました。商品解説
には、『戦後憲法や日本の言説空間を覆う欺瞞、さらには戦後
知識人の倒錯を鋭く批判し続けた江藤淳による日本戦後論の代
表作。』とあります。検閲により一切の批判を封じられ成立し
た日本国憲法の成立過程を、米国公文書館の史料等を基に検証
し、憲法批判がタブー視される時勢のなか、「押しつけ」憲法
だと鋭く批判した表題作のほかに、占領期から主権回復を果た
した日本国内において、アメリカの影響下から脱却できない日
本の「言語空間」の問題点を問う評論、更には遊戯性と虚構性
の域を出ない戦後日本の政治運動に対する批評を載せています。

中国の台頭に伴い近年、我々のような一般庶民でも実感せざる
を得ないような形振り構わぬ横暴な目に余る出来事が続いてい
ます。各国が領有権を主張している南沙諸島周辺の埋め立てや
滑走路の整備、軍事基地化は既に常態化し、50年間は一国二
制度が約束されていた香港は中国による一方的な国家安全維持
法制定により民主化が踏みにじられ人権は守られなくなり、尖
閣諸島周辺の日本の領海では中国公船2隻が日本漁船に接近す
るなど異常事態が続いています。それでも中国にすり寄る国内
勢力には呆れるしかありません。ささやかながら本雑談では少
しでも正しい情報を伝えるために、色々な本を読むようにして
いますが、櫻井よしこやケント・ギルバート、呉善花、百田尚
樹などだけでなく、なるべくならそれらの情報の原点となる本
や関連する資料も今後は読むようにしたいと思っています。最
近、気になって購入した本は以下の通りです。       
「閉された言語空間・占領軍の検閲と戦後日本」 江藤淳 文春文庫
「殺劫・チベットの文化大革命」 ツェリン・オーセル 集広舎
「墓標なき草原(上・下)」 楊海英 岩波文庫
「尖閣反駁マニュアル」 いしゐのぞむ 集広舎
「世界がさばく東京裁判・85人の外国人識者が語る連合国批判」 佐藤和男 明成社
「平和はいかに失われたか・大戦前の米中日関係・もう一つの選択肢」 ジョン・アントワープ・マクマリー 原書房
「全文リットン報告書新装版」 リットン調査団 ビジネス社
「情報と謀略(上・下)」 春日井邦夫 国書刊行会
「憲法改正、最後のチャンスを逃すな!」 田久保忠衛 並木書房
「トランポノミクス・アメリカ復活の戦いは続く」 スティーブン・ムーア 幸福の科学出版
「トランプ経済革命・側近ブレーンたちの証言」 スティーブン・ムーア 幸福の科学出版
「シャドウ・ウォー 中国・ロシアのハイブリッド戦争最前線」 ジム・スキアット 原書房
「「南京大虐殺」のまぼろし」 鈴木明 文芸春秋
「尖閣諸島・竹島が日本領土である理由がわかる本」 別冊宝島編集部 宝島社

「Zoom120%活用術 ビデオ会議アプリの新定番!」は
宝島社から今年7月に刊行されたオンライン会議の定番となり
つつあるZoomの解説書です。これから始めようという人に
も、既にある程度使っている人にも参考となる一冊です。私は
職場ではホストになることがないため、この本を読んで自宅で
色々な機能を試してみたいと思っています。        

米中の最新の国際状況を知りたいと思い藤井厳喜/坂東忠信の
「トランプの最後通牒 墓穴を掘った習近平」を購入しました。
武漢ウイルスや、「超限戦」を仕掛ける習近平中国への対峙方
法、ポストコロナ時代の中国を本気で潰しにかかるアメリカに
ついて最新の情報、状況がよく判る一冊です。武漢ウイルスは
本当に「生物兵器」だったのか、中国共産党の「超限戦」をい
かに乗り越えるか、コロナ終焉後の世界覇権に大きく関わるチ
ャイナ依存、「日中友好」などについて熱く語っています。い
まだに我が国マスコミは米中日本の友好的なリップサービスだ
けを好意的に報道し続けて国民を誤った方向、判断へと誤誘導
していますが、米中は既に実質的には戦争状態に突入していま
す。日本の曖昧な態度は中国に付け入る口を与え非常に危険で
す。菅さんは安倍首相以上に心して中国対応を行う必要があり
ます。中国に媚び諂うような二階幹事長とは距離を置く必要が
あります。自由主義圏の先鋒として頑張って欲しいものです。

「ホンマでっかTV!」でお馴染みの武田邦彦先生の「他人に
踊らされたくないのなら、疑う力を鍛えなさい」を読了しまし
た。言いたい放題の感はありますが最新の科学的知見を踏まえ
ての発言も多い様ですので読むほうもよく真偽を確認しながら
参考にするのが良いと思います。特に健康や病気、医療につい
ての学説は最近、昔の常識と違って来ている部分があり要注意
です。                         

好況感が全然感じられないのに日経平均株価のみが回復してい
るように見える株式市況に対応出来ていません。そこで久々に
株式に関する本を2冊購入してみました。ダイヤモンド社「ビ
ジネスエリートになるための教養としての投資」と「10万円
から始める!小型株集中投資で1億円」です。前者は長期に渡
って成長し続ける企業を見極めて、株も長期保有することを勧
めており、後者はこれから成長する会社を早期に見つけて利益
を確保しようとするものです。そのために前者では「投資」と
「投機」の違いから始まって投資家の思想についての見解や、
日本人が投資が苦手な理由、ファンドマネジャー流株式投資で
成功するコツや、資産形成で失敗しない方法などを紹介してい
ます。色々参考になることはありますが、長期にわたって成長
し続ける企業が日本には少ないので残念ながら日本株取引の参
考にはあまりなりません。後者は小型株集中投資こそ、最低の
リスクで最高のリターンが得られる手法であり題名の通りの株
運用をするための少額から始められる個人投資家におすすめの
究極の投資法を、判り易く具体例を示して解説しています。巻
末には株式投資でやってはいけないことも具体的に書かれてい
ますが、あくまで著者独自の見解であり世間で言われている株
の運用法とは合わない点も多々あります。こちらの書籍の方が
実際に取り組んでみる価値が高い提言が多いように思えます。

河出文庫「ヌード・スペシャル」は興味本位で買った本ですが
ずっと本棚に眠っていたものを見つけて今回眺め終えました。
時代の流れを感じさせられる一冊です。昨今は大女優や有名な
美人タレントのヌードも珍しくなくなりましたが、昔のモデル
はこの本の著者の言にもあるようにもっと悲しい眼をしていた
ように思えます。今の雑誌グラビアと比べると隔世の感があり
ます。現代は美人度も大幅アップし笑顔で明るいポートレイト
になっています。良い時代です。             

岩谷テンホー「大盛!!みこすり半劇場突進」読了しました。
まだこんなアホなアイデアが残っていたのかと思えるほど毎回
新たな笑いを提供してくれます。たったの500円で560話
以上が楽しめます。笑いは大事です。馬鹿らしいと思わずに下
ネタにもめげずに手に取ってみましょう。絶対お買い得です。

ヤマケイ文庫から2019年に発売された矢口高雄の初期代表
作「おらが村」は何と800ページという大部の文庫本です。
厚さが4cm程もあって枕のようです。作者の古里である秋田
県奥羽地方の山村が漫画の舞台です。主人公である高山一家の
暮らしと人間ドラマ、自然との関わり合いが繊細なタッチで描
かれています。諸処にちりばめられた自然風景だけを切り取っ
てみても上質な風景画となっていて飽きることがありません。

セブン&アイ出版「中野信子の生きるのが楽しくなる脳に効く
言葉」は2016/3発売ですが現在、本の通販では入手不可
となっています。たまたま近所のセブンイレブンに立ち寄った
際に本のコーナーをみたらこれの復刊本がプレジデント社から
「生きるのが楽しくなる脳に効く言葉」としてしっかりと何冊
も並んでいました。この本はレイアウトをゆったりと取った大
胆な構成になっていてとても読み易い本です。脳科学に基づい
た各種提言は悩み多き現代人には大変役立ちそうです。じっく
り本を読みたい人にとってはスカスカの本ですが、忙しい合間
にちょこちょこ読むのには適しています。         

開高健「破れた繭」は岩波文庫の近刊です。自伝的長篇『耳の
物語』二部作の前篇です。戦争を中心とした著者の青春時代に
耳底に刻まれた“音”の記憶を隠喩に満ちた文章で綴っていま
す。著者が、戦争が終わった後の静穏と澄明を語る時にはその
時代を生きた人にしか表現しえない何かが確かにあります。 

一時的に話題となった「ツチノコ」ブームもとっくに過ぎ去っ
てしまいましたが、矢口高雄の漫画本「幻の怪蛇バチヘビ・シ
ロベ」がヤマケイ文庫から新刊で出たのを機会に購入、読了し
ました。文庫なのに560ページという大部の本です。「バチ
ヘビ」は「ツチノコ」の方言名です。「ツチノコ」のような大
型の生物が本当に生息していて新発見されたらどんなにワクワ
クするかと思います。少なくともネス湖の「ネッシー」よりは
存在確率は高いと思いますが幻の生物であることに変わりはあ
りません。「ツチノコ」についてはこれまでに山本素石著「幻
のツチノコ」、木之倉茂著「ツチノコ」などの本を読んでいま
すがいつまでも果たせぬ大人の夢であり続けて欲しいものです。

藤井厳喜著「米中最終決戦 アメリカは中国を世界から追放す
る」徳間書店刊を読み終えました。近年、米中が一段と対立を
深めており、世界情勢は緊迫の一途を辿っています。コロナ禍
を巡る対立をはじめ、中国の海洋進出、一帯一路などの覇権戦
略、韓国の反日反米の真相など直近の政治情勢を読み解くのに
必読の書です。トランプ大統領については何かと批判が多いで
すが、戦後70年にして初めてとなる本格的な自由主義諸国と
中国共産党との闘いでトランプ大統領が果たしている役割、我
が国へのメッセージなどを正しく受け取ることが大切です。眠
れる獅子日本の覚醒も重要なテーマです。我が国を愛し大切に
思う人にとっては必読の書です。             

百田尚樹/有本香の対談本「「日本国紀」の副読本」読了です。
同感することの多い内容でした。以前に半藤一利の本を読んで
いた時に、「この国」という言い方に強い違和感を感じました
が、この対談本でやっとその思いを共有出来た気がします。真
っ当な日本人なら自国のことを言う時には「我が国」と言うだ
ろうと個人的には思っていますが皆さんどうなのでしょうか。
「「日本国紀」の副読本」はその名の通り、発売前から大反響
を呼んだ「日本国紀」成り立ちの裏話やまともな日本再生に欠
かせない教育の話について深く突っ込んだ提言をしています。
「日本国紀」は大部なため、お勧めベスト10には入れていま
せんが勿論、多くの人に読んで欲しい本です。同様にこの「「
日本国紀」の副読本」もお勧めの一冊です。        

櫻井よしこ「日本の決断」は文庫になってからこの度やっと読
みました。元となるハードカバーが出たのは7年も前ですが、
読み飛ばしてもよい話は一つもありません。およそ時事問題を
テーマにしたコラムは少し経つと状況が変わってしまっていて
読む価値がなくなったり陳腐な内容になることが多いですが、
この本は今だからこそ当時はそういうことだったということが
腑に落ちる様な話題も多く、日本の未来にとって重要な事だら
けです。逆に言えば多くの重要な外交問題や国内の懸案事項が
解決していないということなのかも知れません。この著者のコ
ラムは裏付けが確かで説得力があります。是非読んで欲しい一
冊です。                        

ヤマケイ文庫の新刊「手塚治虫の山」を読み終えました。手塚
治虫の作品の中で山がメインテーマとなっている漫画を集めた
ものです。手塚治虫が亡くなって既に30年以上が経ちますが
手塚作品は色褪せることがありません。単に人類愛を謳い上げ
るだけでなく人間臭さが感じられる作品が多かった事に今更で
すが気付かされます。                  

「昆虫の哲学」ジャン=マルク・ドルーアン著は確か養老孟司
が紹介していた本だと思います。判らないという程では無いで
すが、そのタイトルに愧じない程の難解さです。商品解説によ
ればアリストテレス以来、人間は昆虫をどう考えてきたのか?
ファーブルとダーウィンを軸に、生物多様性、ユクスキュルの
環境世界論、デリダの動物論まで論じる、刺激的な科学エッセ
ーだそうです。以上の説明だけでは殆どの人に?マークを思い
浮かべさせるだけで何のイメージも喚起させられないと思いま
すので、長いですが普通の本の解説も以下に付しておきます。
人間は昆虫をどう考えてきたのか、という問いに科学哲学から
答えようとするアリストテレスはクモやサソリまで昆虫に入れ
ていたし18世紀フランスの博物学者レオミュールはワニまで
昆虫に分類することを提案していた。また、人間に比してはる
かに小型なその存在は、スケール効果にかんする議論のきっか
けとなった。ハチやアリの巣に君臨しているのは王か女王かも
さんざん論じられた謎だった。昆虫学者の文体はプルーストの
ような作家にも影響をあたえ、社会生活をする昆虫は、共和制、
王制、奴隷制度、労働といった人間社会の制度をめぐる議論と
かさねられた。本書は「法の哲学」「芸術の哲学」「科学の哲
学」「自然の哲学」などと同じ意味で「昆虫の哲学」だと序文
にある。古代から現代まで、昆虫をめぐって人間が考えてきた
ことを、ダーウィン、ファーブルはもちろん、多角的にふりか
えり、生物多様性、ユクスキュルの環境世界論、デリダの動物
論にまで言い及ぶ、刺激的な科学エッセー。        
虫について考えさせられる刺激的な本だといえると思います。

組織行動論の学者であるチップ・ハースが上梓した啓蒙書『ア
イデアのちから」は全米で150万部の大ヒットをした本の翻
訳書です。人を動かし世の中を動かす、凄いアイデアの仕組み
の秘訣に迫ります。著者によれば単純明快、意外性、具体的、
信頼性、感情に訴える、物語性がその鍵だそうです。成功する
これら6つのアイデアの法則が豊富な事例をもとに解説されて
いますので誰にでも腑に落ちる内容となっています。    

喜国雅彦「本棚探偵の生還(2冊組)」読了しました。漫画家
が本業の様ですが、個人的には喜国氏の漫画は読んだことがあ
りません。もっぱら本棚探偵としての書物だけの読者です。こ
のシリーズは今どき珍しい箱入りの凝った装丁です。おまけに
今回は2冊組です。単なる本好きというよりマニアックな本好
きには共感出来る一冊ではないかと思います。今度は世界が舞
台です。古本マニアでなくても楽しめる「本棚探偵」の第3弾
です。切ってたたむと「豆本」になる月報付きです。    

池田清彦「もうすぐいなくなります絶滅の生物学」読了です。
地球上に現れた生物の99%はすでに絶滅しているそうです。
そう言われれば確かに6億年ほど前に出現した軟体動物以降、
5億年前から3億年程前に栄えた三葉虫やアンモナイト、2億
5000万年前から6500万年前の中生代に栄えた恐竜など
は1匹も生き残っていません。人類についても一説には25種
類もいたとされていますが現生人類は1種類だけです。生物の
絶滅の原因やプロセスを探り、「進化」や「生物多様性」が「
絶滅」と深い関係にあることを明らかにしています。絶滅とい
う観点から進化の謎に迫る一冊です。この本では哺乳類、鳥類、
爬虫類、両生類、魚類、貝類、昆虫類、その他無脊椎動物に至
るまで現在の絶滅危惧種についても詳しく述べられています。
私も前から気になっていますが、1種類だけになってしまった
人類は進化生物学から見たら先細りでいずれは絶滅に向かう種
なのか、まだ進化繁栄の道が続いているのか、本当の意味で新
人類誕生の可能性はあるのか知りたい所です。       

原田マハ「アノニム」がこの7末に角川文庫から発行されまし
た。中国による香港民主化弾圧で揺れているこの時期に発売さ
れたことは奇遇と言えると思います。物語は美術品愛好家集団
「アノニム」による現代抽象画家ジャクソン・ポロックの幻の
傑作の香港でのオークションに関わる壮大な計画とアーティス
ト志望の高校生が民主化デモとの関りでこの計画に巻き込まれ
ていくというエンターテイメントです。著者の美術品オークシ
ョンに関わる人達に対する造詣の深さが味わえる一冊です。 

呉善花/石平/黄文雄の対談「「反日種族主義」後の近未来」
(上)(下)を読了しました。日本に定住して久しい黄文雄(
台湾出身)、石平(中国出身)、呉善花(韓国出身)の3人が
日中韓台湾問題の本質を独自な視点で語り合った傾聴すべき一
冊です。なぜ中国・韓国は近代化できないのか。伝統的な国家
観、民族観、領土観、歴史認識、反日意識のあり方、中華主義
と小中華主義のイデオロギーなどの面から論じています。中韓
の洗脳を解かなければ東アジアの飛躍はないという指摘は正し
いと思いますが、付け加えて我が国日本についてもGWIPの
洗脳が抜けていない所が大いに問題です。それにしても救いの
無い状況に呆然とせざるを得ません。           

「ファーブル昆虫記完訳全20巻」は奥本大三郎の畢生の大作
ですが小学館「虫の文学誌」もこの著者ならではの力作です。
文学に現れる古今東西の虫たちを緻密な愛情をもって収集し判
りやすく紹介してくれています。日本の古典や西洋の文学に登
場する虫たちは数知れませんが、言語に堪能な良き翻訳者がい
ない限り私たちはそれらを十分に窺い知ることは叶いません。
後世に残る良い仕事だと思います。全400頁余という大部の
本です。                        

サンクチュアリ出版から「カレンの台所」が出版されて異例の
15万部という売り上げを上げていることに遅ればせながら気
が付きました。著者はご存じの滝沢カレンです。私がほとんど
行くことのないお料理本のコーナーに山積みされていました。
テレビで滝沢カレンの料理の紹介を見たことのある方にとって
は期待通りの本です。独創的な言葉遣いに満たされたこれまで
見たこともない料理本です。調味料の分量についても「お醤油
を全員に気付かれるくらいの量」といった決して定量的とは言
えない言い回しとなっていて「目分量」より混乱するかも知れ
ません。その分、個人個人の嗜好に合わせて味付けに工夫が出
来るかも知れません。私の様に単に面白いというだけでこの本
を手に取るのも勿論ありだと思います。          

壇蜜さんご結婚おめでとうございます。壇蜜ダイアリー2「結
婚してみることにした。」読了しました。2018年から20
19年までの日記帳です。本の紹介にはタイトル目次として以
下のようにあります。2018−2019冬 嘘は少しついた
が比較的善人のふりをして生活できた。2019春 脱いでも
「衰えたものを見せるな」という地獄。脱がなくても「何気取
ってやがる」という地獄。2019夏 理解できない、不透明
なことに直面すると怒りが込み上げてくる人間にはなりたくな
い。2019秋 結婚してみることにした。2019冬 私的
には新妻を棒でつつく祭りが好きだ。面白そうだと思える方は
立ち読みでもして現物をご確認下さい。          

ちくま新書「カラー新書 日本の花火」は最近の花火の美しさ
を判り易く伝えてくれる好著です。通勤に使っている御殿場線
がイノシシとの衝突の為に遅延した影響により途中駅で90分
も足止めを喰ったお陰で一日で読み終えてしまいました。今年
は花火見物は出来そうもありませんが、コロナが収まったら見
に行きたい全国の花火大会を見どころも含めて紹介してくれて
います。併せて花火の種類や演出の趣向なども判ります。  

この所奇妙な味わいの短編集を続けて読んでいます。「海鰻荘
奇談 香山滋傑作選」「人外境通信」「薔薇忌」それぞれ情趣
が違っていてどれもお勧めです。「薔薇忌」は皆川博子の短編
集です。実業之日本社文庫から出されています。舞台に秘めら
れた男女の謎―妖しく華やかな幻想ミステリーです。降りしき
る薔薇の花びらに埋もれて死ぬことを夢見た劇団員、濃密な淫
夢に日常を侵される歌舞伎小道具屋の娘、スター歌手の再起に
賭ける芸能プロデューサーなど、舞台芸能に生きる男女が織り
なす世界を、幻想的な筆致で描いた珠玉の短編集です。著者の
独創性は全7編のタイトルだけでも窺い知ることが出来ます。
薔薇忌、祷鬼、紅地獄、桔梗合戦、化粧坂、化鳥、翡翠忌。気
になった方はぜひご一読下さい。             

講談社文庫「人外境通信」は日本探偵小説史上の三大奇書と並
び称される『虚無への供物』の作者である中井英夫による奇妙
な味わいの短編集です。紹介文には以下のように記されていま
す。『地上の一隅にたしかに存在する影の王国、すなわち人外
境。そこへの扉は容易に開かれないし、かりに偶然彼ら人外の
宴にまぎれこんだとしても、人は気づかず通り去るのだ。これ
から著者が招待するのは、その秘められた宴…。イマージュに
光沢と飾り付けを与え、短篇の至芸を示す作品集。』    

「海鰻荘奇談 香山滋傑作選」は河出文庫2017年初版です。
「オラン・ペンデク」3部作はかなり楽しめました。香山滋と
いう名前はあまり馴染みがないかも知れませんが、「ゴジラ」
の原作者というと興味が沸くかも知れません。10篇の短編が
納められています。古生物学などの素養のもとにいかにもあり
そうなプロットで仕上げた空想科学小説集です。      

櫻井よしこ「議論の作法」を読了しました。しっかりと事実や
その背景を理解して冷静に自分の主張を行うことが肝要だとい
うことがよく判る一冊です。余程の勉強と忍耐強さが必要です。
改めて私には絶対無理だなと認識しました。第一章の反日対談
を読んだだけで、私などは相手の無体な言い分が頭に来てしま
いますが、それでは議論はとても覚束きません。それにしても
なぜこれほどまでに正論と思われる意見が世の中では通らない
のか不思議です。正論が共有認識となるような新しい方法論の
模索がこれからは重要になるのではないかと思います。   

百田尚樹「今こそ、韓国に謝ろう」読了しました。これは久々
に面白い読み物でした。著者の本領発揮といった所です。今や
日本人の中にも著者の考えと180度違った考えを持った人々
が多くいると思われますが、本当は韓国の若い方々にこそ読ん
で欲しい一冊です。その上で反論を戦わせるのであれば、そこ
にこそ両国間の未来が垣間見えるのではないかと思います。お
そらくこの本の内容を頭から信じない人が多いのではないかと
危惧されますが、ちゃんと読んだ上でしかるべく根拠を提示し
て反対するのが議論を進める上で大切です。日本の場合は市井
の本屋さんにさえ反対論、賛成論ともに溢れていますので後は
各個人の情報収集能力と判断力だけの問題ですが、韓国の場合
は書物も偏向的に制限されている上に今やハングルだけしか使
用出来ず、歴史の証言である漢字の読めない国民が増えており
洗脳は簡単に解けそうもありません。残念な国柄ですが、当時
文盲に近かった韓国に頼まれもしないのに学校を沢山作りハン
グル教育をしてしまったために、今の韓国をその様な残念な国
柄にしてしまった責任の一端は併合当時の日本にあるそうです
ので謝らなければいけないようです。           

櫻井よしこ「日本の試練」読了です。平成28年3月初版発行
の文庫本です。僅か4年前ですが新書が出てからだと既に8年
が経っているので時事問題を扱っているこのような本では隔世
の感があります。それでも後から振り返って実はそういう事だ
ったのかという点もあって為になります。中国漁船が海保の巡
視船に体当たりした挙げ句、船長を解放して締まった事件など
はまだ記憶にあるかと思いますが、震災、原発事故を始め現在
も問題になっている中国問題などが熱く語られています。  

原田マハ「総理の夫」読了です。おそらく著者がこの本を書こ
うと決めた時期の時代背景があるのだろうと思います。またこ
れは小説であって著者の政治信条そのものではないと思います
が、時代背景をベースにした小説というのは共感を得られるか
どうかは読み手側の各個人の政治的信条と深く関係するものだ
ということに思い至りました。総理の再選の場面は大いに共感
すべき所だと思いますが、個人的には残念ながら熱くなれませ
んでした。原発に賛成か反対か、消費税増税に賛成か反対か、
段階的な法人税増税に賛成か反対か、各種補助金政策に対して
どのような考え方を持っているかなどこれらは当然各人各様で
すのでそれ自体は仕方のないことですが、この著書ではその前
提を自明のものとして物語を紡いでおり、当然それらの賛成・
反対の根拠を詳しく述べる物語でもないので反対の意見を持つ
読者としては一層不満が募ることになります。著者の力量を持
ってしてもこのあたりが限界だという事でしょうか。    

ファーブル昆虫館館長、奥本大三郎の「蝶の唆え」読了です。
大人のための児童文学との紹介がありますが、著者の幼少期の
昆虫を中心にめぐる生活のあれこれが時代考証のように詳細に
描かれています。終戦直後の大阪郊外。製粉工場経営の父、シ
ベリア帰りの叔父さん、進駐軍の横流しなど、敗戦直後の様子
もよく判ります。結核により学校が長期休暇となった著者は病
床でラジオや新聞の絵物語、昆虫標本や図鑑を見ながら昆虫採
集への憧れを募らせていたようです。ギンヤンマ、カウボーイ、
ラジオなど当時子どもだった人にとっては懐かしいものが一杯
詰まった「大人のための児童文学」となっています。    

宝島社「地球温暖化「CO2犯人説」は世紀の大ウソ」読了し
ました。『玉石混交』それがこの本の感想です。すごく真面目
に大切なことを話しているのにトンデモ本のように見えてしま
います。この本には少なくとも2つの重大な欠陥があります。
(1)サブタイトルで事もあろうに『IPCC』を『ICPP』
と書いたまま校正もされずに販売されるような重大なミスや誤
字が多すぎます。(2)貧弱な歴史認識に基づいた記述の所為
で、言いたい本論さえもが怪しくみえてしまっています。本書
は丸山茂徳/戎崎俊一/川島博之を始め約10名もの筆者がそ
れぞれの立場で表題の議論を展開しています。主題のテーマの
根拠となる種々の科学的資料の提示に始まり、メディア報道や
学会に嘘がまかり通る構造的問題、本当の地球環境問題とは何
か、国連が招くカオスとプラネタリー・バウンダリーの真実、
自然エネルギーの嘘など幅広く論じられています。個人的に一
番重要だと思えたのは、貧困国にとって経済発展より環境問題
が本当に重要だといえるかという議論です。最貧国の人へのア
ンケート結果は特に思い込みだけで環境問題を捉えている多く
の人にとって真剣に傾聴する価値がある内容となっています。
同様に環境クイズは我々の間違った思い込みを粉砕するほどの
衝撃があります。もう一点、傾聴に値するのは『人はどのよう
な条件や言動で騙され易いのか』ということが明示されている
ことです。「グレタ騒動」でいったい誰が儲けているのか。以
上で述べたどれか一点でも気になる方はぜひご一読下さい。 

百田尚樹「日本国紀」は縄文時代からの日本の歴史を正しく見
つめ直すのに役立つ本です。脈略の無い歴史の断片を覚えるの
は大の苦手でしたがこの本では脈略がよく分かるように、また
不確かな所は状況証拠も含めて中立的に記載しており内容が腑
に落ちます。昔、学生だった頃にこのような本に出合っていれ
ばもう少し歴史が好きになっていたかも知れません。また、個
人的には歴史は現代に一番近い歴史が大切だと思っていますが
通常の学生が習う受験用の歴史は、入試に出ない近代を教えな
いという欠点があります。多くの人がこのような本を手にして
現代までの正しい歴史を学ぶ必要があると思います。500頁
という大部の本で2千円は安い買い物だと思います。本書が冗
長だと思われる方は昭和の所だけ読めば良いと思います。  

渡部昇一「知的生活の方法・続」は1979年、今から40年
も前に初版が出版された本です。今や取り扱いもありません。
そんな古い本でも我々が知的生活を送る上で参考となる知恵を
多少なりとも含んでいるものです。自分の知的領域にふれあう
本を一冊一冊精選収集して、自分のライブラリーを作りあげ、
学問を行う環境を整えることが、知的生活の第一歩であると説
きます。また、知性生産を行うためには、構想を温めておくだ
けでは駄目で先ずは書き始めてチェックし、間違いだったら書
き直すということを継続して毎日、何時間か機械的に取り組む
ことが大切だと言います。                

三浦瑠麗「私の考え」はタイトル通り、著者の発想や行動の原
点を知るのに役立つ本です。概ね著者の普段の発言を裏打ちす
るような中立公平な視点、立場で物事を捉えており評価出来ま
すが、女性専用車両に対するコメントなどをみているとやはり
女性側だけからの視点だなあと感じられます。今や邪悪なのは
男性だけではなく女性の中にも同様に存在します。そのために
痴漢の冤罪なども増えています。立証する手段の無い善良な男
性は両手を上げて列車に乗り込んだりしている始末です。概ね
男性の方が乗客が多い世の中で女性専用列車だけを作るのは公
平性を欠いています。同じ数の男性専用列車を作るべきです。
珍しい事にこの本では自身の子育てについても綴っています。

宮部みゆきの「昨日がなければ明日もない」を読了しました。
『誰か』『名もなき毒』『ペテロの葬列』『希望荘』に続く私
立探偵杉村三郎シリーズの第5弾です。表題作のほか「華燭」
「絶対零度」の2篇のストーリーを含んでいます。     

泡坂妻夫のオンデマンドブック「鬼女の鱗(宝引の辰捕者帳@)」
を読み終えました。ペーパーバックということでソフトカバー
です。紙質はなめらかです。ずっと入手できなかった本なので
オンデマンドブック化されて良かったです。ハードカバーでも
なくて1870円が高いか安いかは議論のあるところかも知れ
ません。よく検索してみるとこの宝引の辰捕者帳シリーズとし
て3冊が発売されています。第2巻が「凧を見る武士」第3巻
が「鳥居の赤兵衛」です。本書第1巻には目吉の死人形、柾木
心中、鬼女の鱗、辰巳菩薩、伊万里の杯、江戸桜小紋、改三分
定銀、自来也小町、雪の大菊、毒を食らわば、謡幽霊の捕り物
小説11篇が収録されています。因みに宝引の辰捕者帳シリー
はこれまでに「夜光亭の一夜」「朱房の鷹」「鬼女の鱗」「自
来也小町」「凧を見る武士」「鳥居の赤兵衛」など色々な文庫
で出ているので本書との重複はあるかも知れませんが現在ほと
んどの文庫は入手できないので仕方ありません。      

ケント・ギルバート「世界は強い日本を望んでいる」読了です。
著者の主張は一貫していてブレがありません。アメリカ人だか
ら発言しやすい面もあるのかも知れませんが、日本人の中にも
もう少し正論を主張できる人材が欲しい所です。メディアの偏
向報道、反日の朝日新聞、国益を害する談合組織記者クラブ、
歴史改ざんがあたりまえの海外との対応、ためにする軍備問題、
などなど日本には今だ問題山積です。加えて先の戦争への罪悪
感を日本人の心に植えつける占領軍による宣伝計画WGIP(War
Guilt Information Program)の洗脳がいまだに解けていない
多くの日本人指導者層、組織の根深い問題があります。おそら
くこの洗脳が解けない限り、「強い日本の復活」はやって来な
いだろうと思われます。我々、一般人に出来ることはせいぜい
このようなささやかな情報発信を通じて、興味ある人にこの様
な本を紹介すること位ですが、多くの良識のある国民が納得出
来るような社会になっていくことを期待したいです。国を弱体
化するのは「情報弱者」という著者の主張はよく腑に落ちます。
漢字を捨て、日本が復活させたハングルだけになった韓国が自
国の歴史を振り返ることも出来なくなったのは実に象徴的です。
日本のメディア(テレビ、新聞)は共産主義国家ほどでは無い
にしても多様性が少なく論調が偏っています。読書とネットに
よる情報の継続収集は大切です。             

筒井康隆『エディプスの恋人』読了しました。七瀬完結編です。
「ある日、少年の頭上でボールが割れた。音もなく、粉ごなに
なって。――それが異常の始まりだった。強い“意志”の力に
守られた少年の周囲に次々と不思議が起こる。その謎を解明し
ようとした美しきテレパス七瀬は、いつしか少年と愛しあって
いた。初めての恋に我を忘れた七瀬は、やがて自分も“意志”
の力に導かれていることに気づく。全宇宙を支配する母なる 
“意志”とは何か?『家族八景』『七瀬ふたたび』に続く美貌
のテレパス・火田七瀬シリーズ三部作の完結編。」と本の紹介
にあります。わくわく感を持って読むことが出来た一冊です。

先日、筒井康隆「家族八景」を読んでから続編が気になって、
『七瀬ふたたび』『エディプスの恋人』を購入しました。『七
瀬ふたたび』では生まれながらに人の心を読むことができる超
能力者、美しき主人公火田七瀬の周りにテレパシー、念動力、
予知能力などを持った超能力者が次々と登場します。超能力者
3名で移動する中、超能力者を抹殺しようとたくらむ暗黒組織
が徐々に近づいて来ます。壮絶なバトルとなるラストまで息を
つかせぬ展開です。3部作目に如何に繋がるのかが気になる所
です。                         

たかぎなおこ「浮き草デイズ」は文藝春秋から出ている漫画本
です。「イラストレーターになりたい」という夢の実現のため
上京した著者が貯めたお金は住宅費と生活費で瞬く間に消費し
仕事もお金も友達も無いという東京暮らしが始まります。バイ
ト情報誌を手にドキドキふわふわ暮らしていたという著者が、
つまずきっぱなしだったという「あの頃」を描いています。 

塩野七生「海の都の物語(上)」読了です。文庫版ではなく塩
野七生ルネサンス著作集4、5の上下2巻からなる重厚な書物
の前半です。群雄割拠、他国からの侵略も絶え間ないイタリア
にあって1000年もの長きにわたり、自由と独立を守り続け
た海洋国家ヴェネチア。その興亡を描いた華麗なる一大叙事詩
ということで、評判も高く前から読もうと思っていてやっと読
み始めた一冊です。個人的には地理、歴史が大の苦手ですが、
この本はそんな地理、歴史音痴な読者にも実に判りやすく一千
年の歴史、文化を描いてみせてくれています。司馬遼太郎の著
作にあるような歴史小説ではなくいわゆる社会の教科書に載っ
ているような歴史を歴史嫌いな生徒に上巻だけで400ページ
もある大部の本を飽きさせずに読ませるその技量は讃嘆すべき
ものです。読んで納得の一冊です。本の解説には以下のように
記載されています。『異教徒との取引にも積極的であった一方
聖地奪還を旗印にする十字軍に荷担しつつ、これを巧みに利用
して勢力範囲を着々と拡大する、そんな現実主義者たちが地中
海を舞台に壮大なドラマを繰り広げる。政治経済はもちろんの
こと、そこに生きた人々の暮しぶりや息づかいまで詳述した、
塩野ルネサンス作品中一番の大作。』日本と同じ資源の少ない
海洋国家であるヴェネチアを日本と引き比べて評価する見方も
解説にあります。                    

筒井康隆「家族八景」読了です。何とウィキペディアにも載っ
ている作品です。人の心を読むことができてしまう18歳の超
能力者、火田七瀬が家政婦の仕事で入った家庭の秘め事を暴い
ていくというSFでホームドラマ化もされています。70年代
初期の作品ということで既に50年もの歳月が経過しています
が、内容は古びていません。一話完結の8編の短篇小説から構
成されています。タイトルは「無風地帯」「澱の呪縛」「青春
讃歌」「水蜜桃」「紅蓮菩薩」「芝生は緑」「日曜画家」「亡
母渇仰」。後に続編として執筆された『七瀬ふたたび』『エデ
ィプスの恋人』をあわせた「七瀬三部作」の原点です。主人公
の七瀬は自身がテレパシストであることを隠す為に転々と奉公
先を変えますが、女性として成熟が増すにつれて性的な関心を
向けられるようになることで葛藤が増して、行く先々の家庭で
亀裂や事件を起こす事も増え20歳を迎える最終話ではお手伝
いさんをやめることを決意しています。          

泡坂妻夫「蔭桔梗」は初めて買ったオンデマンドブックです。
出版元は新潮社です。税込み2970円という納得のいく価格
で装丁もシンプルで悪くありません。もっとも電子書籍ですと
現在500円程度で購入出来るので、紙で見たいと思わなけれ
ばもっと安く見ることが出来ます。本の内容は短編集ですが、
期待通りのものでした。著者の稼業である紋章上絵師に関係す
る内容のものや推理もの、人情ものと呼べるようなものなど色
々な作品が楽しめます。もっと読まれて良い作家だと思います
が意外と知られていないように思えます。どの著作にしても内
容は古びていないし、特に推理もののトリックには定評があり
ます。                         

創元推理文庫「星を継ぐもの」はまさにSFの傑作と呼ぶのに
相応しい一冊です。著者はジェイムス・P・ホーガンです。何
と現在増刷100刷を越えています。本の紹介は以下の通りで
す。『月面調査隊が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。
すぐさま地球の研究室で綿密な調査が行なわれた結果、驚くべ
き事実が明らかになった。死体はどの月面基地の所属でもなく
世界のいかなる人間でもない。ほとんど現代人と同じ生物であ
るにもかかわらず、5万年以上も前に死んでいたのだ。謎は謎
を呼び、一つの疑問が解決すると、何倍もの疑問が生まれてく
る。やがて木星の衛星ガニメデで地球のものではない宇宙船の
残骸が発見されたが……。』生命の進化や宇宙の謎を巧みに取
り入れながら無理の無い議論が戦わされます。博士の閃きによ
り一気に謎は解明されたかに思えましたが、謎は更に二転三転
しつつエピローグに向かっていきます。火星と木星の間にある
小惑星帯の謎、月面の裏側の謎、生命進化の謎など科学少年が
はまり込むのに十分な要素を備えた壮大なSFです。    

最寄りの本屋さんがコロナの影響でずっと閉まっていたため最
近はオンライン書店をネットサーフィンしていることが多く、
かえって余計な本を買っているような気がします。電子書籍を
見ている訳ではありません。ネットだと読んでみたい本がイモ
ずる式に検索出来てしまうので歯止めが効きにくい所がありま
す。普通の本屋さんだとまず置いていないような部数限定の本
やマイナーな作家の本でもネット上だといくらでも探し出す事
が出来ます。今回嵌ったのは泡坂妻夫のオンデマンド出版本で
す。10〜20年も前から既に品切れで入手出来なくなってい
た本がオンデマンド出版という形で最近は比較的安く販売され
るようになっています。この著者の本は総じて内容が古びる事
無く読める内容で、トリックなども粋を凝らしたものが多いの
で、近年でも時々文庫本で再販される事がありますが、全てを
待っている訳にもいかないのでオンデマンド出版はありがたく
利用させてもらうことにしました。古本でも販売されていたり
しますが、美本は必ずしも安いとは限らず値段の折り合いが付
かないこともあります。                 

たかぎなおこの漫画をネットで探していたらおづまりこの「お
ひとりさまのゆたかな年収200万生活」がよく登場するので
買ってみました。著者累計24万部も売れているシリーズもの
だそうです。ほっこりする系の漫画です。面白いという漫画で
はありませんが、節約生活のノウハウ満載の漫画です。食事、
暮らし、ファッション、その他生活全般について具体的に細か
く節約ノウハウが綴られています。特に都会に住む年収200
万程度の一人暮らしの女性には役立ちそうな一冊です。   

新潮文庫「スタインベック短編集」は300ページ程の冊子で
すが字が細かいので1ページ当りの文字数は770文字程です。
これは原稿用紙2枚分です。やっと読み終えましたがこの本は
実際の感覚ではヘミングウエイ短編集などと比べるとはるかに
読み易いです。ヘミングウエイ短編集などは時代の雰囲気は伝
わって来ますが今の短編集の様に起承転結という形式を取らな
いで淡々と主人公の周りの出来事や風物を描写しているだけで
終わってしまい、結局何が言いたかったのか判らないような作
品が多いですが、スタインベック短編集は落ちがあるような今
風の作品構成となっています。              

たかぎなおこの3冊目は「上京はしたけれど。」です。漫画家
を目指して上京してからの現実や戸惑いを情感豊かに描いてい
ます。ちょっと絵が小さいのが今一つです。        

高任和夫「リストラ・転職・起業」は岩波ブックレットのぺら
ぺらの小冊子です。高任和夫は三井物産に勤務しながらおもに
『商社審査部25時』『架空取引』『偽装報告』などの企業小
説を執筆してきた作家ですが、この小冊子は著者が2000年
に多数の起業家を探訪してその時点の起業家の特色(起業家の
前歴、起業パターン、起業家の資質、起業の目的など)を統計
的にまとめたものです。会社消滅、合併・統合などにより解雇
やリストラされた人達、自ら会社を辞め企業を起こした人達、
定年後の起業家たちとの取材を通して起業とは何か、会社とは
何かを考えるものです。著者自身が50歳になってから著述業
に専念するようになったこともあって起業についての状況を興
味深く伝えてくれています。但し、現時点で既に20年も前の
資料なので、最近の起業状況はまた様変わりしていますので一
つの参考資料です。                   

光文社文庫「四次元の殺人」読了です。15人の推理・SF作
家による短編集です。編者の石川喬司をはじめ小松左京、海野
十三、都築道夫、川端康成、半村良、江戸川乱歩、筒井康隆、
安部公房等の名だたる作家のSFミステリー作品が揃っていま
す。30年も前に出版された本ですがこの手の本は決して古び
ることはありません。このようなアンソロジーによって新たに
読みたい作家が見つかる事も多いので是非出版社は絶版、品切
れにしないようにお願いしたいものです。そうは言ってもアマ
ゾンなどでは定価よりもはるかに安く古本が売られているので
良しとするしかないかも知れません。この短編集で気になった
作品は筒井康隆の「邪悪の視線」と香山滋の「オラン・ペンデ
クの復讐」の2作品です。いずれも連作集ともいえる「家族八
景」「七瀬ふたたび」、「オラン・ペンデク後日譚」「オラン・
ペンデク射殺事件」を見たい誘惑にかられています。幸いに前
者2つは新潮文庫、後者2つは「海鰻荘奇談 香山滋傑作選」
として河出文庫の新刊が入手出来そうです。        

たかぎなおこのマンガ本のシリーズは品切れが多くて意外と入
手出来ないことが判りました。残念です。「ローカル線で温泉
ひとりたび」は購入できた数少ない作品の内の一つです。本の
紹介には以下の様にあります。イラストレーターとして多忙な
日々を送る著者が仕事の合間を縫ってローカル線に乗って温泉
に出かける様子をホッコリとしたマンガと写真で紹介した一冊
です。向かうのは日本最北と言われる北海道の温泉郷から愛媛
の道後温泉まで。だけど、著書が温泉マニアでも鉄ちゃんでも
ないところがポイントです。旅の費用明細も掲載されています。
ツアー旅行ではない一人旅という所がポイントかも知れません。

国際政治学者、三浦瑠麗の近著である「21世紀の戦争と平和」
を読み終えました。商品解説には以下の様にあります。「逆説
の平和主義」を注目の国際政治学者が読み解く。日本の安保法
制施行、フランスの兵役復活論、スウェーデンの徴兵制再開…
これらの動きは、軍国主義への回帰ではない。ポピュリズムが
台頭する中で、国民の間に負担共有の精神を甦らせ、戦争を抑
止するための試みである。カントの『永遠平和のために』を下
敷きに、徴兵制の存在意義を問い直し、平和主義の強化を提言
する。このように書かれるといかにも難しそうな本という印象
ですが、この著者の論旨はクリアです。難しいことを我々凡人
にも分かりやすく説明する頭の良さがあります。戦争反対と騒
ぐ事だけが必ずしも戦争抑止とはならないことは自明ですが、
多くの人はそこで思考停止しているように思えます。一歩先へ
冷静に思考を進めたい方にお勧めの一冊です。国際情勢が流動
化し、ポピュリズムが台頭する中で、いかに戦争を抑止するか
は米中の対立が次第に鮮明になりつつある現在喫緊の課題です。
徴兵制の存在意義を問い直し、「血のコスト」の視点から、国
民の間に負担共有の精神を甦らせ、戦争を抑止するための試み
です。平和主義の強化を提言しています。なお、本書では韓国
の徴兵制、イスラエルの徴兵制、ヨーロッパの徴兵制について
も解説されています。                  

加地伸行「マスコミ偽善者列伝」の良さを紹介し切れていなか
ったので追記しておきます。アメリカが強国である要素とはい
ったい何なのかという問いに対して、<いまでしょ先生>や<
池上彰のなんとやら>での物識りテレビ番組作りでは、即ち軍
事力、経済力、工業力……等が世界第一位であるとか何とか幼
稚園児並みの回答が出てくるだけと言い切り、著者は自身時代
遅れであるがゆえに正解を出すことが出来ると言う。    
即ち、アメリカは世界第一位の工業国であると同時に、世界第
一位の農業国であり、最近ではそれに加えて、エネルギー源を
自国地下から得て自給自足が可能であるためとずばり指摘しま
す。すなわちアメリカはグローバル化などと喚かなくても独自
に国家運営が出来る世界唯一の国であるがゆえに世界最強国で
あり得ると喝破します。納得せざるを得ません。      
真の知識とは何かについてこの本では教えてくれています。 

大岡信「折々のうた」は正・新合わせて20冊にもなる詩歌集
の大ヒット作ですが、最初の1巻目を買っただけで既に30年
以上が過ぎ去ってしまいました。岩波新書200ページほどの
小冊子なので決して大部の本でもないのですが、最初に見た時
に読みにくいと思ってしまったのが運の尽きです。今回やっと
読み始めました。読む側の能力はさほど進化していないので、
やはり読み解きがたい所はありますが色々な詩歌を織り交ぜた
本書からは幅広い感動やら見識を得られる余地もあるかと思い
ます。良く知られている有名な俳句や短歌、歌謡なども登場し
短く簡潔に的確な見どころを教えてくれるので為になります。

「マスコミ偽善者列伝」はちょっと難しい所もありますが久々
に読み甲斐のある本でした。内容はマスコミに発信された所謂
著名人の発言に物申すという体のコメントを集成したものです。
判りにくい所は、対象者の発言がどのような経緯で言われたの
か、またその全文はどのようなものなのかが時に記されていな
いことです。(その話題がホットな時点でのコメントだったり、
紙面の都合もあるので仕方が無い所があります。)もう一つは
教訓として故事来歴を引用して諭してくれていますが、時には
漢文読み下しの意味が取りにくかったりすることです。(これ
はこちらの無教養のなせるわざでこれも仕方がありません。)
ということでもろ手を挙げて推挙するまでにはいきませんが、
読んで損はないと思います。著者の加地伸行という名前をどこ
かで見掛けたような気がして調べてみたら20年以上前に谷沢
永一/加地伸行/山野博史による読書鼎談集「三酔人書国悠遊」
潮出版社という本を読んでいました。この本は現在ではすでに
購入困難となっています。いわゆる絶版本が多すぎます!  

たかぎなおこ「おかあさんライフ。」は四コマ風の漫画です。
今回、初めてこの著者のマンガを見ましたがほっこり出来ると
思います。お勧めです。40代になってから授かった子どもと
の生活を通して、世間との付き合いが変わって行ったり、自分
が小さかった時の親の愛などが想像出来たりすることが綴られ
ています。裏表紙のところをみたらこの著者には長い独身時代
からの相当数の同様のマンガのシリーズがある事が判りました。
見たくて仕方ありません。近々、爆買いして読み始めることに
なるかと思います。                   

土屋賢二「日々是口実」読了です。物事を重層的に見る訓練が
出来ていない人にお勧めです。単なる言い訳の仕方ではなく、
物事をどのようにとらえて、どのような言い回しが可能なのか
その話術とプロセス思考には見習うべきものがあります。単な
る笑い話として読んでももちろん構いません。       

ネットで話題になったきくちゆうき「100日後に死ぬワニ」
が小学館から発売されています。どんなに頑張ってゆっくり読
んでも2日あれば読み終えてしまいます。やはり日々のネット
配信向けならではのマンガかも知れません。何気ない平凡な人
生を送っていたワニ君に100日後にどんな運命が待っている
のかは誰にも判りません。現在流行している新型コロナウイル
スで突然、人生を奪われてしまう方がいますが重ね合わせてし
まうと辛いものがあります。見掛け以上に重たいテーマの漫画
かも知れません。人生無常です。             

ケント・ギルバート「まだGHQの洗脳に縛られている日本人」
読了です。文庫なので読みやすいです。著者にしては珍しく文
章が過激です。色々な事に対して怒っているのが伝わって来ま
す。中国、北朝鮮、韓国、日本、そして自国アメリカ。GHQ
による日本国民洗脳政策である「WGIP」で失われた愛国心
を取り戻すことができれば、日本は世界で一番幸せな国になる。
韓国・中国・アメリカの理不尽な主張や言動に日本が縛られる
必要はないと説き、GHQの「洗脳」からの解放を呼びかけま
す。戦後70年を過ぎてもなお、というより戦後70年間にも
わたる期間、多くのマスコミ、教育界、政治家がなぜかGHQ
が定めた30項目の報道規制を淡々と遵守し伝えた結果、今で
は嘘が真実化してしまっている歴史があります。この本を読む
ことで日本の、そして世界の正しい歴史を知る第一歩となるこ
とは確実です。この書の内容に疑いを持つ方はぜひ色々な本も
読んでみて下さい。特にお勧めなのがアメリカ人の書いた「ル
ーズベルトの開戦責任」です。ルーズベルトとスターリンが夢
見た「世界二分割統治計画」は形を変えて、今では中国がアメ
リカに「中国とアメリカで太平洋を二分しよう」と提案する時
代となっています。将に眠れる獅子(惰眠を貪っているだけ)
ともいえる日本が危うい状況になっていることを知るべきです。

「ヘミングウェイ短編集(2)」読了しました。300頁弱の
文庫本ですが文字が小さいので読みでがあります。と、書いて
いて『読みで』って何だよと自分で突っ込みを入れてしまいま
した。辞書を引くと『で』は『出』で「予想以上に労力・時間
を要すること。また、それによって得られる充実感・満足感」
という説明があります。納得です。            
これまでフォークナー短編集、ローレンス短編集、O・ヘンリ
短編集、マークトウェイン短編集、マラマッド短編集、マンス
フィールド短編集、ハーディ短編集、ヘミングウェイ短編集、
アンダスン短編集などを読んでいますが今ではもう文庫本では
売っていないものもあるようです。当然ですが作家によって味
わいがそれぞれ異なるので長編よりも取り付きやすい短編集は
是非ともいつでも入手出来るようにしておいて欲しいものです。
買ったのにまだ読んでいないものも沢山あります。サキ短編集、
スタインベック短編集、モーパッサン短編集が未読、コールド
ウェル短編集、モーム短編集は未購入です。        

通勤途中で立ち寄れる本屋さん2軒が4/8頃から営業自粛し
ています。幸いに私はパチンコ依存症はありませんが立ち読み
が出来ない禁断症状がそろそろ出そうです。仕方なくネットで
本の検索をしてなんとか癒やしを得ています。外出できないス
トレス解消も兼ねてほっこり出来る本や笑える本をネット購入
しています。つい最近買った本はマンガ「おかあさんライフ」
「100日後に死ぬワニ」そして哲学書「日々是口実」です。
誤解する人がいるといけないので補足しておくと3冊目に紹介
した「日々是口実」は哲学者が書いているというだけで内容は
笑話です。皆さんも是非、笑いで免疫アップしましょう。  

映画化もされ大ヒットした元副大統領アル・ゴア著「不都合な
真実」が出版されたのは2007年です。人為的CO2増加に
起因する地球温暖化に警鐘を鳴らす衝撃的な書籍です。これに
真っ向から対立し、常識化しつつある温暖化説を粉砕しようと
して戦いを挑んだのが2019年に出版されたマーク・モラノ
著「「地球温暖化」の不都合な真実」です。今回、併読したの
は勿論、どちらの言い分が正しいのか見極めたい為ですが我々
素人には正直言って判断は困難です。しかし脅威派が20年近
く前に警鐘した不都合は、温暖化対策が何も前進していない現
時点でも発生しておらず、その後の統計はゴアの予測をすべて
を裏切っていることや、ゴアの話の核心となる統計資料の取り
方が恣意的だったり改竄と思われる痕跡が認められたりするこ
とは否めないことなどを考え合わせると真実の分は懐疑派にあ
るというべきだと思います。加えてモラノの書が指摘する様に
温暖化論者や団体、業界に巨費が投じられゴア自身が大儲けし
ているだけでなく、毎年100〜200兆円、今後100年間
で1京円という途方もない費用がパリ協定の為に費やされても
その時点までに気温を0.3℃しか下げず、僅か4年分だけ気
温上昇を先延ばしする効果しかないという指摘には一傾の価値
があります。それにしても「不都合な真実」が出たときのマス
コミ、政府を含めた熱狂と打って変わって本当の衝撃の書であ
る「「地球温暖化」の不都合な真実」が何も取り上げられない
のは不可解です。今後多くの人に読まれる事を切望します。 
 
「ヘミングウェイ短編集(1)」は新潮文庫で出している短編
集のシリーズをまとめて昭和の時代に買ったものの一つです。
やっと今頃読んでいます。中には16の短編が収められていま
す。いずれもヘミングウェイの時代(今から80〜100年前)
の時代の雰囲気を色濃く伝える好編です。この作者の作品は特
に生活の体験と密接に結びついているということで作者の思想、
精神の成長の過程を窺い知るのにも好適です。今の読み物に比
べると話に落ちが無いものが多いので物足りない部分もありま
すが独白など精神の描写が少なく行動を描くことでそれを表現
しようとしているので読みやすくなっています。      

原田マハ「風神雷神(下)」読了しました。著者の壮大な絵画
創作小説です。ほぼ同じ時代に生きた俵屋宗達、カラヴァッジ
ョを天正遣欧少年使節団の史実に織り交ぜて想像を掻き立てる
物語を組み立てています。西欧各国の美術品の描写は美術を専
門とする著者ならでは現実感に溢れています。信仰と美術との
コラボについても新しい試みかと思われます。全編を読み終え
て感動で終われるかと思っていましたが、終わり方は著者には
珍しくどうみても失敗に終わっているように思えます。現代か
ら信長、俵屋宗達、天正遣欧少年使節団、カラヴァッジョまで
来て風神雷神と西欧のユピテル、アイオロスと無理に結び付け
たところまでは良いとしても、帰国の段は無く信長は再登場せ
ず、物語の引き金となった現代の邂逅の場に戻って研究者とし
ての独白が続く中で、そもそもの信長、宗達、使節団の構想そ
のものを全否定するような独白が混じります。これでは苦労し
て読んだ多くの読者を興ざめさせるだけです。       

P.ハミルの有名な随筆「ニューヨーク・スケッチブック」を
読み終えました。コラムなのか掌編なのかともかくも一時代の
ニューヨーカー達の生活の一旦を切り取ったスケッチです。こ
の本には35篇の短編が収められていますが、その中には時代と
地域に密着した話題も多く納められており、単純に共感が難し
い作品も多いですが、起承転結や落ちがあるような話しも中に
はあって、特に日本で有名になった「幸せの黄色いハンカチ」
の原作となった掌編も含まれています。必見です。     

「絶滅酒場(コミック)(3)」読了です。古生物を学ぶのに
一役買いそうなコミックです。エラスモサウルス、ペゾシーレ
ン、エオマイア、オヴィラプトルなどマニアックな古生物が登
場したかと思うと、単弓類の解説に入ったり大陸の離合集散に
ついて触れたり、スミロドンの「ドン」=「歯」、ティラノサ
ウルスの「サウルス」=「トカゲ」など名前の由来についての
解説まであったりしてサービス満点の解説込みです。    

山本周五郎「扇野」新潮文庫読了です。短編9篇が納められて
います。何気ない会話や独白の中に男女の機微と人生の深い意
味を伝える武家や市井での愛情ものの秀作集です。手練れの作
者だけにどれを取っても味わい深い作品ばかりです。    

原ォの直木賞受賞作「私が殺した少女」は著者の2作目となる
ミステリ作品です。探偵事務所を構える主人公の沢崎が誘拐事
件に巻き込まれる所から物語が始まります。ストーリー展開の
秀逸さとハードボイルド風の主人公の行動が独特の味わいを作
っています。最後まで飽きさせること無く物語りに引き込まれ
ること請け合いです。                  

「絶滅酒場(コミック)(2)」読了です。登場人物?はカン
ブリア紀、ジュラ紀、白亜紀から新第三紀までの幅広い時代の
有名な生き物達です。現代人と同じような色々な葛藤を抱えた
登場人物達が酒場で織りなす物語です。          

原田マハ「風神雷神(上)」は前半部分が冗長でなかなか読み
進めませんでしたが途中からは興味を引く内容になった為加速
した状態で下巻に進めそうです。その生涯に謎の多い俵屋宗達
の謎の部分に織田信長、天正遣欧少年使節団などの実在史を嵌
めこんで風神雷神図屏風で一篇のストーリーを作る手腕には脱
帽です。見事としか言いようがありません。後半が楽しみです。

土屋健「アノマロカリス解体新書」はカンブリア紀の怪物であ
るアノマロカリスの最新情報を素人向けに判りやすく解説した
科学読み物です。恐竜や化石に興味のある人にはお勧めです。
これからも新しい化石が発見される毎に情報が更新されるはず
ですが、おそらくこの本が現時点での世界最新知見です。  

櫻井よしこ「韓国壊乱」読了です。初出が2017〜2018
年の著作なので主役は韓国の文在寅大統領です。大多数の人は
既に気がついていると思いますが文在寅大統領は親北・親中で
すがその実態を判りやすく解説した一冊です。今の韓国が如何
に危険な方向に突っ走っているのか、その危険性がよく判りま
す。日本人もですが韓国人ももっとその実態に気がついて目覚
めることが必要です。                  

星新一「きまぐれエトセトラ改版」読了しました。ショート・
ショートでは無いエッセイ集です。36篇を読んでみると著者
の好奇心のありかがよく判ります。このような基盤の上に千篇
の創作が出来上がっていることを意識して読むと一層楽しめる
のではないかと思われます。しかし、現実は著者の想像を超え
て予想も出来なかった実態を生み出しています。そのようなギ
ャップも味わえる一冊です。               

「絶滅酒場(1)」読了しました。絶滅生物が集う酒場が舞台
の人生劇場といううたい文句のコミックです。ディアトリマ、
スミロドン、アノマロカリス、オパビニア、ハルキゲニアなど
有名どころが出演しています。古生物ライターの土屋健が監修
を行っていることもあって最新の知見に基づいた古生物の生態
や形態がこの漫画には反映されています。因みにアノマロカリ
スは会社員、オパビニアは社長秘書、ハルキゲニアは介護士と
いう設定です。著者は黒丸、出版は少年画報社です。    

ケント・ギルバート著「中華思想を妄信する中国人と韓国人の
悲劇」を読み終えました。中華思想を妄信する中国とそれを信
奉する韓国を冷静な筆致で解析している本書は、2017年売
上げNo.1新書となった前著である『儒教に支配された中国
人と韓国人の悲劇』に続く好著です。日本にとって中国、韓国
は良くも悪くも政治、文化、経済に大きく影響を及ぼす国であ
り、その実態を知ることは大切です。これまでこの両国の行動
に納得いかなかった事柄が腑に落ちる一冊です。残念なことは
その対処法についての記載が少ない点です。もっともその点に
関しては呉善花の各種著作を読むことで補えますので併せて読
むことをお勧めします。                 

島本理生は「ファーストラヴ」で第159回直木賞を受賞した
新進気鋭の作家ですが、「Red」はこの著者による500頁
程の初の官能小説です。「チャタレイ夫人」の時代だったら絶
対に発禁処分となるような内容です。今は良い時代で、どこの
書店でも店頭に衝撃的な表紙が平積みにされています。かく言
う私もその表紙に釣られて本を手に取った一人です。450頁
を過ぎてもまだ普通の不倫小説の域を出ませんが、この本の肝
はおそらく最後のエピローグにあるのではないかと思います。
不幸な環境で成長してきた世代から逆の立場へと成長した女性
の生き様が直木賞作家ならではの筆力で描かれています。  

星新一の旅行記「きまぐれ体験紀行改版」は好奇心溢れる著者
がソ連、東南アジア、香港、台湾、、韓国などを作家仲間や関
係者と共に体験旅行に出た時に感じたあれこれを記したもので
す。色々な発想のネタが詰まっています。針灸から心霊手術、
四柱推命占い、果ては断食まで何でもありです。      

「アノマロカリス解体新書」が2月10日に発売されました。
それ何という人も多いかと思いますが、私の様に興味ある人も
多いと信じています。私は中身もよく見ずに速攻で18日には
購入しました。古生代カンブリア紀は初めて生存競争が始まっ
た時代ですが、その生態系の頂点にいたのがアノマロカリスで
す。地球上にこれまで出現した生物の中で最も奇妙な生物です。
J・グールドの名著『ワンダフル・ライフ』で紹介されて以来
不思議な生物だと思ってはいても、それ以上の情報が無く欲求
不満だった生物ファンにとって楽しい一冊でありますように願
うばかりです。まだ見ていませんがスマホで表紙を撮影して、
アプリを組み込むことで捕食シーンを再現したAR(拡張現実)
が楽しめるそうです。                  

原田マハ著「原田マハの印象派物語」は絵画のカラー写真満載
の読みやすい本です。印象派の人たちのそれぞれの生きざまが
簡潔に判る一冊です。商品解説には「モネ、マネ、ドガ、ルノ
ワール、カイユボット、セザンヌ、そしてゴッホ。光満ちあふ
れ、幸福な色をたたえる名画誕生の陰には、画家たちの壮絶な
闘いのドラマがあった。貧しくても、どん底に落ちても、志高
く新しい道を切り拓いていったそのあしあとをたどって、アー
ト小説の名手が紡ぐ、7つの物語。モネの愛したノルマンディ
ーへの旅も。」とあります。今でこそ印象派の画家たちは評価
されていますが当時は貧困や、世間の評判や、病と闘いながら
志を曲げずに新しい道を切り拓いていかざるを得なかった印象
派の画家たちの物語が、作品とともに紹介されています。  

岩谷テンホーのお色気4コマ漫画「大盛り!!みこすり半劇場
バズーカ」を読み終えました。最近買う本で本当に安いと思え
るのはこのシリーズだけです。4コマ漫画1つが1円以下で大
いに笑えて楽しめます。下ネタだからといって怒ってはいけま
せん。純粋に楽しみましょう。絶対に笑えるネタがあります。
笑うことで免疫力を上げて新型コロナウイルスに対抗しましょ
う。下ネタだけで半年に一冊500篇ペースの4コマ漫画を作
り続けるのは、星新一ファンは怒るかも知れませんがショート
ショート1000篇達成と並ぶ快挙だと個人的には思っています。

奥田英朗/原田マハほか計5名による「恋愛仮免中」はキュン
となるような珠玉の恋愛小説アンソロジーです。様々な形の甘
く切ない物語が楽しめます。               

「告白 三島由紀夫未公開インタビュー」が講談社文庫として
没後50年もしてから初めて世に公開されました。三島由紀夫
のおそらく極めて珍しい素の言葉に出会うことが出来ます。そ
う言った意味でも貴重な一冊です。自決九ヶ月前の肉声テープ
を起こして活字にしたものだそうですが、併録している評論 
「太陽と鉄」と併せて読むことで終結へと向かう著者の思索の
一端が理解できるかも知れません。            

星新一「あれこれ好奇心」読了しました。著者がショート・シ
ョート1001篇を完成させ休養中に浮かんだアイデアなどを
随筆風にまとめたものです。いわばアイデアの原石です。好奇
心旺盛な著者の目の付け所、疑問に思った種々が脈絡なしに綴
られています。                     

原田マハ「デトロイト美術館の奇跡」読了です。130ページ
ほどの小冊子です。デトロイト市が財政破綻したのは2013
年7月です。負債総額は米国自治体最大の180億ドルです。
再建計画の柱は(1)年金額を減らすことによる市が抱える年
金債務31億ドルの圧縮、(2)市所有の美術館(DIA)に
ある6万点を超える美術品(総額は100億ドル以上の価値)
の売却などです。美術品を愛する老人の情熱をきっかけとし、
アートを愛するチーフ・キュレーターと連邦裁判所の裁判官兼
調停人らが下した結論とはどのようなものだったのか。奇跡の
ハッピーエンドが待っています。実話を元にしたわくわくする
ストーリーは美術関係に深く関わって来た著者ならではのもの
です。                         

「十角館の殺人」は綾辻行人の作家デビュー作です。今回読ん
でいるのは新装改訂版で著者あとがきによると初期作品で至ら
なかった点などを全面改定したそうです。私はこの作品を読む
のは初めてですが、密室ものの系譜を継いだ良質な推理小説と
なっていて正に海外有名ミステリーを彷彿とさせる一作です。
ストーリーは、かつて陰惨な大量殺人事件のあった離島の十角
館に集まったミステリー好きなサークル仲間が次々と殺されて
いくものですが、本土で異変の兆候に気付いたサークル仲間達
が過去の事件にまつわる証言などを集め真相を究明していくと
いう二重の展開という構成になっています。もちろん最後には
両方の事件が焦点を結び大団円へと向かいます。エンディング
も鮮明です。                      

幸村誠「ヴィンランド・サガ23」読了です。主役トルフィン
の凱旋結婚で一旦この物語は休憩に入るようです。後半には著
者の過去の作品である「さようならが近いので」が同時掲載さ
れています。主役は近藤勇と沖田総司です。        

ヤマケイ文庫から出ていた「どくとるマンボウ青春の山」は著
者がこれまでに発表した各種資料からタイトルに見合うような
小品を集めて一冊としたものです。単行本未収録作品も含んで
いるのでファンとしては逃せない作品です。2019年10月
初版です。因みに著者の北杜夫は9年前に亡くなっています。
現在では既に知らない人の方が多いかもしれませんので補足し
ておくと北杜夫は歌人の斎藤茂吉の子どもです。この本では著
者が歌人としての親を認め始めた経緯などやカラコルム遠征隊
に医者として参加した際の記録やその紀行文の実現である名作
「白きたおやかな峰」の背景などを窺い知る事が出来ます。 

ジェフリー・ディーヴァーの文庫最新作「煽動者(下)」読了
です。実行犯を追い込むキャサリン・ダンスと捜査陣、やはり
最後の最後で大どんでん返しが待っていました。真の犯人に辿
り着くまでの壮大な仕掛けが真相を表します。やはりこの著者
の作品ストーリーはどれも凝っていて毎回趣向が異なります。
この作品も意見の価値ありです。             

「ヴィンランド・サガ」19、20、21、22読了しました。
ヨムスボルグ砦でのヨーム戦士団とヴァグン軍団との戦争が終
結するとともに新団長に担ぎ上げられた主人公トルフィンが全
軍解散の命令を出し戦闘の完全終結をみます。いよいよ幻の大
陸ヴィンランドへの旅が始まるのか、次巻以降が楽しみです。

幸村誠の漫画本「ヴィンランド・サガ18」を読んだのは3年
以上前になります。最近テレビアニメでヴィンランド・サガを
やっていることに気付いて漫画本「ヴィンランド・サガ」の続
編である19〜23までを購入しました。テレビアニメと共に
楽しみたいと思います。本の説明にはヴァイキング達が跋扈す
る11世紀北欧を舞台にトルフィンが本当の戦士を目指す物語
とあります。大冒険スペクタクルといった所です。     

ダイヤモンド社「僕たちは、宇宙のことぜんぜんわからない」
をやっと読み終えました。440ページ程の本です。タイトル
には「この世で一番おもしろい宇宙入門」とある上にNASA
も絶賛という文字が並んでいます。しかし一見易しそうでいて
無茶苦茶判りにくい本です。確かに宇宙のことは現時点でも殆
ど判っていないので判らなくてもおかしくないといえばその通
りですが、判った気にさせてくれるのが良い本だと私は思って
います。そう言った意味ではお勧めではありません。この本を
余計に判らなくさせているのは挿絵です。面白い挿絵が各頁毎
位にあって確かに面白いのですが、素人向けのギャグというよ
り宇宙マニアの為のギャグのように感じられます。少なくとも
内容を理解するための補足の図版で無いことは確かです。純粋
にこの本が楽しめるのはダークマター、ダークエネルギーなど
やレプトン、クオーク、ゲージボソン、プランク長さなどにつ
いていくらか説明できる様な人に限られるのではないかという
のが私の実感です。なお、この本には数式らしきものは殆ど登
場しません。                      

2020年最初に読み終えたのはジェフリー・ディーヴァーの
文庫最新作「煽動者(上)」です。この作者の作品には一つも
外れがありません。本当はハードカバーの内に読みたい所です
が文庫が出るまでじっと我慢しています。この本をハードカバ
ーで買うと今なら税込み2640円ですが文庫版で上下2冊を
買うと1826円で800円ほどお得です。ハードカバーの場
合、たまに挿絵などが入っている本もあるので見極めが必要で
すが、基本方針は文庫が出そうな本は文庫待ちです。さてこの
「煽動者」ですが、捜査官のキャサリン・ダンスが主役の推理
小説です。今回の犯人(実行犯)は人々のパニックを手段とし
て次々と事件を起こしていきます。冷静沈着な犯人に翻弄され
る捜査チームはどう対応するのか後編に期待です。     

気に入った本があったら読んでみて下さい。

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