月刊短波2023年7月号(第5版)
編集 赤林隆仁  時間  JST

◎Radio Northern Europe International日本語放送7月29日に 
5版新規
 
Radio Norhtern Europe Internationalは恒例の日本向日本語放送を2023年7月29日(土)の18:25より9900kHz(台湾褒忠送信所、100kW、45°、仲介はEncompass社)で実施される。今回はShow#43の日本語版で、VtuberモデルのMakoto RitaやThe Crayon Setの音楽を放送する。(RNEI Rose Annaさん)

◎BBCシンガポール中継局7月16日で廃止 2版新規 4版追加
 
インドのJose Jocob氏によると、シンガポールKranjiにあるBBCシンガポール中継局は2023年7月16日に廃止され、同局から中継されているサービスも基本的に廃止される。(WORIG 7/4) 
    インドのJose Jacob氏によるとKranjiのBBCシンガポール中継局は7月16日09:00(UTCで7月15日24:00)で6195、7465kHzの放送を打ち切り閉局した。特に特別なアナウンスは行われなかった。同中継局で行われていた送信の一部は他の送信所からに変更された。(WORIG 7/16) シンガポール政府が送信免許の更新を行わなかったためとされています。BBC World Serviceの意向で廃止したのではないためBBCとしての公式事前予告は行われなかったようです。なお一部の送信では一週間前位から特別なISを流したり、周波数の打ち切りを予告していたとのことです。アジア・極東地域でのBBC World Serviceの短波プレゼンスが低下した感は否めません。

◎KTWR大半の送信が復旧 3版新規
 
インドのJose Jocob氏によると、台風で被害を受けたグアムKTWRのアンテナ5基の内4基が復旧し、大半の送信が元に戻っている。7月7日現在の送信スケジュールはhttps://qsl.net/vu2jos/KTWR7.pdfで参照できる。臨時にMadagascar、Dhabbaya、Tashkent等から行われていた送信は終了している。(WORIG 7/7)
   KTWR日本語放送「フレンドシップラジオ」は2023年6月25日の第445回放送より9975kHz((日曜21:15-21:45 100kW 45°)で復活した。当面番組は、6月送信予定の番組を一部編集して使用し、新規番組制作再開は、7月後半頃になる予定である。QSLカード類の個別発行や返信作業は当分の間実施しない。(ビージャパンHP 6/25)

◎「あーゆぼーわん」特別号発行 3版新規
 
秋葉原BCLクラブが発行しているBCLファンの交流誌「あーゆぼーわん」の編集者「えぃみぃ」こと金澤江美氏は、既報のように2022年12月に逝去された。BCLブームの時代に「SLBCリスナーズクラブ」の代表を務めた氏は、2020年にはインターネット放送局「Radio Samanalaya」を立ち上げ、BCL界に対する貢献は多大であった。秋葉原DXクラブでは「えぃみぃ」さんの逝去を悼んで「あーゆぼーわん」の「えぃみぃさん追悼特集号」を発行した。「えぃみぃ」さんとの思い出や写真、えぃみぃさんが大好きだった蝶や猫、ラジオの話題などすべて追悼記事である。86ページ。無料のpdfF版は「ABC書店」からダウンロードできる。https://www.abc50s.net/books.html、有料の印刷版は「製本直送」から注文できる。https://www.seichoku.com/item/DS2005346。(秋葉原BCLクラブ 伊藤晃氏)



◎アルゼンチン南極局新スケジュール 3版新規
 
スペインのManuel Mendez氏によると、アルゼンチンの南極局LRA 36, Radio Nacional Arcangel San Gabrielは2023年7月1日より以下のような新スケジュールで放送している。 
   火-金曜 22:00-24:00
   日曜 03:00-08:00
   周波数は15476kHzUSB。
(HCDX 7/6 via WWDXC TP 1547)

◎Radio Thailand 7月よりスケジュール変更 
2版新規 3版追加  4版追加 
 
英国のAlan Pennington氏によると、Radio Thailandは7月1日より以下のような新スケジュールで放送すると発表した。
 09:00-09:30 英語 15590
 11:00-11:30 英語 15590
 14:00-14:30 英語 17640
    21:00-21:30 英語 9385
    21:30-21:45 ベトナム語 9385
 21:45-22:00 中国語 9385
 22:00-22:15 日本語 9385
 22:15-22:30 マレー語 9385
    22:30-23:00 英語 9385
 03:00-03:30 英語 7475
 03:30-04:30 英語 7475
(WORIG 7/1 7/4)
   同局から行われていた海外向タイ語の放送は廃止された。(WWDXC TP 1547) 発表後変更された周波数を一部修正しました。

◎短波ドップラー観測局JG2XAが200Wに増力 2版新規
 
米国のRon Howard氏によると、東京調布の電気通信大学短波ドップラー観測局JG2XA(細川研究室が運用)より5006kHzと8006kHzで送信されている電波が60Wから200Wに増力されている。8006kHzでは2分おきに「JG2XA JG2XA HFD STATION UEC TOKYO」とモールスコードによるIDが送出されている。細川教授からの連絡では、現在ID送出は8006kHzのみで、5006kHzでも送出するように準備中で、更に「FM-CW」(多分FSK)によるIDも送出することを検討中である。(WORIG 7/4) 大学近隣で受信したところ5006kHzは強力で、8006kHzは弱い状況でした。

◎スウェーデンSAQがAlexanderson Day特別送信

 スウェーデンの世界遺産長波無線局Grimeton Radio(SAQ 17.2kHz)は、2023年7月2日、1924年の送信開始より99周年を迎える。これを記念して同日は現地時間10:00-16:00に一般見学を可能とし、日本時間18:00及び21:00より当時の送信機Alexanderson Alternatorを使用した記念送信を17.2kHz(CW)で実施する。送信は実際には17:30、20:30頃より開始される。また事前に試験送信を実施する。受信報告はURL上の「ONLINE QSL FORM」でのみ受付け、eQSLが発行される。また同時に記念アマチュア無線局SK6SAQも開設され、同日18:00-01:00に記念交信をCW: 3517.2 、7017.2、14017.2kHz、SSB:3755、 7140kHzで実施する。SAQとは別にSK6SAQのQSLも発行される。(WORIG 6/8)詳しくはhttps://alexander.n.se/en/alexanderson-day-2023/を参照。

◎Pop Shop Radioがカナダ建国記念特別番組
 カナダのPop Shop Radioは7月1日のカナダ建国記念日「Canada Day」を記念して以下のような特別番組を放送する。
 第一番組(閉局したCFUN局の1960年代人気番組)
   6/29 01:00-02:00 7/2 06:00-07:00 Channel 292 3955 9670(10kW)
      7/3 10:00-11:00 WRMI 5950(100kW)
 第二番組(CKLW、CHUM局のTop 40)
   7/1 10:00-11:00 Wooffertom 15215 308° 250kW
   7/3 04:00-05:00 Channel 292 6070(10kW)
(NASWA iog 6/19 via WORIG 6/19)

◎FRS Hollandの「Summer Splash 2023」
 FRS Hollandは2023年の夏期特別放送「Summer Splash 2023」を以下のように実施する。
 7/24 7/31 8/7 03:59-06:04 周波数 6185 7700 5800 (または5790)
 同局は過去6カ月間放送を行っていなかったが、今回久しぶりにオンエアを行う。なお同局のURL http://www.frsholland.nlは現在プロバイダーを変更する手続き中のため更新されていないが、7月または8月中には復旧する。
(ARDXC via WORIG 6/25) コンタクトはP.O.Box 2702, Herten, 6049 ZG, the Netherlandsまたはメール<frs @ frsholland.nl>。

◎KVOH局短波送信を突如終了
 英国のAlan Pennington氏が「Frecuencia Al Dia Facebook」で得た情報では、米国のKVOH局は現地時間の6月26日を以って9975kHzで行われていたVoice of Hope(La Voz de Esperanza)の短波放送を突如終了した。(WORIG 6/26) 局からは公式の終了通知は出されていません。

KVOH Los Angeles送信所の短波アンテナ群(同局HPより)


◎ZKLF Wellingtonの短波気象FAX放送が7/1で終了
 カナダのTony Pavick氏によると、ニュージーランドWellingtonのZKLF局から送信されておいる、短波気象FAX放送は2023年7月1日で終了する。
 現行のスケジュールは以下の通り。
 09:00/21:00 太平洋南西部30時間予報
 10:00/22:00 太平洋南西部48時間予報
 11:00/23:00 太平洋南西部72時間予報
 12:00/00:00 タスマン海・ニュージーランド沿海気象解析
 13::00/01:00 太平洋南西部気象解析
 18:00/06:00 タスマン海・ニュージーランド沿海気象解析
 19:00/07:00 太平洋南西部気象解析
 20:00/08:00 送信スケジュール情報
 周波数は以下の通り、モードはFAX、出力は5kW。
 3247.4 18:45-02:00
 5807 9459 13550.5 全時間
 16340.1 06:45-14:00
    但し送信機は一基しかないため、上記スケジュールの00分が5807kHz、15分が9459kHz、30分が13550.5kHz、45分が3247.4/16340.1kHzとなる。
(WORIG 6/26) 海岸局Taupo Radioの気象FAXサービスです。受信報告は<maritime @ kordia.co.nz>へ、QSLレターが発行されます。

◎RTIフランス語放送を淡水送信所より8月に直接送信 ~7/1に試験送信
 ドイツのHansjörg Biener博士によると、台湾国際放送(RTI)のフランス語サービスは2023年8月中淡水送信所から欧州・北米向に直接送信することを計画している。その準備として2023年7月2日に以下のような10分セグメントの試験送信を実施する。
 02:00-02:10 11995 325°
 03:00-03:10 9545 315°
 03:20-03:30 7240 315°
 03:40-03:50 7250 315°
 この試験送信及び8月中に予定される直接送信の受信報告に対しては特別QSLが発行される。宛先はE-mail<fren @ rti.org.tw>、HP中の受信報告フォーム(https://fr.rti.org.tw/index/content/id/1)からも送ることができる。(WORIG 6/27)

◎Radio Andorra Revival 7月の放送
 Radio Andorra Revivalを主催するChristian Chibaudo氏によると、同局の2023年7月の放送は7/3(月)の01:00より6005kHz(Shortwaveservice Kall送信所)、Mixcloud: https://www.mixcloud.com/AquiRadioAndorra/、同局URL https://www.aquiradioandorra.com/上で行われる。再放送は同日04:00より3985kHz(Shortwaveservice Kall送信所)で行われる。今回の内容は1970年代に中継されていた若者向モーニングショーで、当時DJを務めていたDaniel Pyrène氏が特別出演する。(WORIG 6/29)

◎WBCQのRadio Angela 5/31で終了
 Tilford ProductionsのBill Tifford社長によると、同社が制作してWBCQより1年前から5130kHzと7490kHzで放送していたRadio Angelaの番組は多くのBCLの好みに従って政治色や宗教色のない音楽中心の内容で好評であったが、制作費はリスナーからの寄付や他のスポンサーに頼っていた。そしてついにスポンサーが現れなくなったため、経費上の理由により5月31日で放送を打ち切ることとなった。資金が豊富な宗教番組や政治番組の制作スポンサーにもRadio Angelnaのような番組も価値があることをご理解願いたいものだ。(WORIG 5/30)

◎Rádio Educadora de Coari復活
 ブラジルのDenis ZoqbiJun氏によると、同国Amazonas州CoariにあるRádio Educadora de Coariは送信機の修理中であったが、2023年6月1日に5035kHzで送信を復活した。São Pauloでは17:00頃確認出来たが、更に調整が続けられているようであった。(WORIG 6/2) WRTH2023によると、キリスト教伝道を目的とする放送局で、局名はRádio Educação Rural、出力5kWとなっています。内陸部のアマゾン川流域にあり、短波が必須なようです。



◎デンマークの長波243kHzは今年いっぱいで廃止
 フィンランドのKari Kallio氏が「Mediumwave.info」6月2日号の情報として伝えたところによると、デンマークで頑張っていたKalundborg送信所の243kHzがついに2023年12月31日で廃止されることになった。この長波放送は1927年8月29日以来行われており今年で96周年になる。現在243kHzでは「DR Langbølge」の放送が現地時間の03:45、06:00、09:45、15:45から約1時間行われており、内容は航路通報、天気予報、ニュース他となっている。出力は50kW。(WORIG 6/2) 船舶向放送のみになっているようです。

◎Channel 292送信機を新型に置換
 ドイツのChannel 292発行の「Channel 292 News Letter 5/6」によれば、同局では送信機Rohde & Schwarz社製全個体型の新型に置換作業中で、新型になると周波数確度は1Hzとなり信号が安定する。作業・調整中は9670、6055、3955kHzの短波放送が時々停止することがある。(BDXC "Communication" 6月号 via WORIG 6/3)

◎Shortwave Australiaがスケジュールを変更
 オーストラリアVictoria州BendigoのShortwave Australiaは過去にABC各局が使用していた短波周波数で放送中であるが、5/28付Facebookで次のような冬スケジュールで放送すると発表した。
 15:00-00:30 4835
 現地時間の日没-00:30 2310
YouTube上で同局の送信所や送信機の実情が公開されている。https://www.youtube.com/watch?v=V-0uag9qdhs。(BDXC "Communication" 6月号 via WORIG 6/3) 豪州では現在は冬です。

◎中国雲南省で国家応急広播の運用試験
 2023年5月16日に、中国国務院抗震救援指揮部弁公室、応急管理部、雲南省人民政府は共同で雲南省麗江市に臨時災害FM局(国家応急広播:102.0MHz)を設立し運用試験を行った。これは全国で行われた「緊急ミッション2023」(応急使命2023)の一環で雲南省麗江市、趙通市、大理県の峡谷地域における地震災害に対応するためで、災害FM局の他、有線放送、災害用スマホアプリ、衛星放送で緊急情報が効率よく伝えられたかどうかの実証試験を行った。その様子は以下のサイトで公開されている。http://ynsgbdsj.yn.gov.cn/xg_xwdt/xg_xwdt_bjdt/202305/t20230518_1088492.htm。
 国務院抗震救援指揮部弁公室は2021年以来毎年5月に臨時災害FM局の実験を行っており、2021年5月14日には四川省雅安市(詳細未発表)、2022年5月11日には甘粛省張掖(105.9MHz)で実施した。(Cahcn的自留地 5/30) 中央集権国家ですので、臨時災害FM局も国営です。

雲南省麗江市での国家応急広播試験の模様 ~右側のスタッフは専用のジャケットを着用している
(雲南省広播電視局HP 5/18より)



◎Tropical Bands Monitorの6月改定版発行
 米国のGlenn Hauser氏によると、Tropical Bands Monitorの6月改定版が発行された。http://www.dswci.org/tbmonitor/2023.pdfよりダウンロードできる。(WORIG 6/5)

◎Radio LentaがURL変更
 英国のDave Kernick氏によると、リトアニアからロシアに向けて放送しているRadio Lenta(Sitkunai送信所、1557kHz)がURLを変更した。新URLはhttps://nashalenta.comである。ロシア向送信は1日8.5時間だが、新URL上では24時間のストリーミング放送が行われ、podcastも提供される。1557kHzの放送ではアナウンスは「Nasha Lenta」(Наша Лента)、「Radio Pravda」(Радио Правда)と言っていることもあるが、新URL上では「Radio Lenta」に統一されている。(IRCA DX Monitor 6/10版 via WORIG 6/5) lenta(лента)は「食事」、pravda(правда)は「正義」の意味。



◎KBSの受信料は電気料金と別徴収に?
 英国のMIke Cooper氏が韓国聯合ニュースの報道として伝えたところによると、韓国大統領府は2023年6月5日、KBSの受信料を電気料金とは別に徴収することを勧告した。KBSの受信料は1994年以来電気料金に毎月₩2,500を上乗せして韓国電力公社が徴収してきた。この件について2023年3月に開催された公開討論会では59%が受信料徴収自体に反対、31%が電気料金とは別途徴収すべき、0.5%が現状のままで良いとする意見であった。そこで大統領府は電気料金と分離させることによりこの議論を深めることにした。この措置についてKBSは「公共放送の存在基盤が損なわれる」として反対している。(WWDXC TP 1544)

◎Kingenfuss Publicationsの話題
 ドイツのKuligenfuss Publicationsではhttp://www.klingenfuss.org/websdr.pdfで新しく取得したスクリーンショットを提供している。また2023年のサンプル付カタログもURL(http://www.klingenfuss.org/)上から取得できる。新製品としてはUSBメモリーで提供される「Digital Data Decoder Screenshots」があり、24,000以上のデジタル信号のスクリーンショットが掲載されている。価格は€210。(BDXC iogroups news 6/2 via WWDXC TP 1544)

◎オーストラリアABCはラジオ放送見直しに
 オーストラリアのMatt Francis氏によると、同国ABCは2023年6月9日発表の5か年計画で従来の「放送」の比率を減らし、デジタル情報提供にシフトして行く方針を明らかにした。将来「放送」は残すものの、「大多数のデジタル」世代に適合した情報提供に軸足を置く。2028年までに「ABC News」、「ABC iview」、「ABC listen」をデジタルプラットフォーム上で選択できるようにする。勿論情報や娯楽提供の手段としての「放送」は残るが、ラジオによる「放送」の提供はリスナーが減少しているため見直しを図る。これは現在のデジタル世代のニーズにマッチしたものと考えられるからである。5か年計画の詳細はhttps://about.abc.net.au/wp-content/uploads/2023/06/ABC_5_Year_Plan_WEB.pdfを参照のこと。(WORIG 6/9) とうとう「ラジオ放送」自体の廃止が俎上に上がってきました!デジタルメディアに専念するのならば「公共放送」も不要なのでは?

◎オランダRadio Casanova International正式免許に
 デンマークのStig Hartvig Nielsen氏によると、オランダでは2023年6月12日、旧海賊局Radio Casanova Internationalに短波の正式な放送免許が交付された。同局は6月18日の17:00以降合法的に短波で放送することができる。
 HFCC登録のスケジュールは以下の通り。
 15:00-24:00 6020
 00:00-15:00 6060
(SWB 6/12 via WOR 6/12) スケジュールは登録だけのようです。同国のRadio Delta Internationalの送信所を借用して日曜日などに一定時間放送するようです。
 
◎WTWWの売却不調に
 米国WTWWのGeorge McClintock社長によると、同局は送信施設と土地の一括売却を希望しているが、現在のところ買い取り希望者はなく、このままでは5基の短波送信施設はすべてスクラップとなり、土地だけが再度売りに出される公算が強い。一括売却を想定して過去数か月間短波送信施設を修理・整備してきたが、その努力は水泡に帰す模様である。Glenn Hauser氏によれば米国では他の短波局でももう生き残れない状況になっているところがある。(WORIG 6/14)

◎1888 Radio - A Voice for the Amhara Peopleが放送開始
 英国のTony Rogers氏によると、2023年5月10日よりエチオピア向秘密局1888 Radio - A Voice for the Amhara Peopleが、WRMIの仲介でフランスIssoudun送信所より放送を開始した。スケジュールはHFCC登録によると、02:00-03:00 17630 250kW 127°である。言語はアムハリ語。放送の中ではURLをhttps://1888radio.org/とアナウンスしている。またYouTube上でも放送を行っている。https://www.youtube.com/@1888Radiomedia/featured。(WORIG 6/14) URLは英語です。



◎ロシアのRadio Maria閉局の窮地に
 ロシアでカトリック放送を行っているRadio Mariaが閉局の窮地に立たされている。空中波の放送は既に停止させられており、インターネット放送のみが継続していたが、番組制作が続けられなくなり、スタッフは出勤ができない状況である。そのためYouTube上での配信も停止している。現在Divine Servicesがオンラインで提供しているだけになっている。理由は(ロシア政府の指導で)ロシアの金融機関が、同局に関する送金・振替業務をすべて停止しているためである。同局では対抗措置としてロシア以外の金融機関を利用する手立てを検討中である。(RUS-DX #1241 6/11 via WORIG 6/13)

◎旧Tavrichanka送信所のアンテナを撤去
 ロシアでは沿海州の旧Tavrichanka送信所のアンテナ群RVS-1が2023年3月に撤去されていたことが分かった。撤去の模様はhttps://youtu.be/eJyfsRdmbng、https://www.youtube.com/watch?v=eJyfsRdmbngで見ることができる。また5月には近隣にあるOTH短波レーダー(Malaya Zarya)用のアンテナも撤去された。その模様はhttps://www.youtube.com/watch?v=IAWD7UgIyLE、https://vk.com/tv_fm?w=wall-57714744_14265で見ることができる。(RUS-DX #1241 6/11 via WORIG 6/13)

◎BBCの長波放送は2024年に廃止
 英国のMike Terry氏がRadio Times誌の報道として伝えたところによると、BBCの国内向第4放送(BBC4)用は長波198kHzの放送を2024年(多分同年3月末)に廃止することになった。長波で放送されていた番組の内「The Daily Service」と「Today in Parliament」はオンライン上での提供になる。また存在理由の一つであった「船舶向天気予報」はRadio 4 FM、Radio 4 Extra、BBC Soundsで放送される。198kHzの放送はDroitwich、Westerglen、Burgheadの3送信所から同時に出ているが、いずれも老朽化が進み取替時期となっている。利用者が少ないことから送信施設取替のための投資は不要と判断された。廃止することで現在年間500万ポンドかかっている維持費用も節減できるとしている。現記事はhttps://www.energynetworks.org/industry-hub/engineering-and-technical-programmes/radio-teleswitchを参照のこと。(WORIG 6/16)

◎Texas Radio Shortwaveが欧州での中波中継を模索
 米国Texas Radio Shortwave社長のTerry Clogan氏によると、同局は欧州で毎日1時間程度の中継を行うことができる低電力の中波放送局を探している。テキサス州のアーティストによる音楽番組「TRSW show」を定期的に欧州のリスナーに届けるのが目的で、番組はファイルで送付する。欧州に関して同局では短波のChannel 292やいくつかの海賊局から中継したことがあった。(WORIG 6/15)

◎WMRの中波放送が停止~免許更新遅延のため
 World Music RadioのStig Hartvig Nielsen社長によると、同局は中波927kHzでの送信を停止している、更にRadio 208の中波1440kHzの送信も停止している。理由はデンマーク文化省による年間免許の更新が遅れているためである。免許更新の申請は3月に提出されたが、「仮免許」制度の導入と相まって内部処理が遅れており、いつ免許が更新されるかは不明である。インターネット及び短波では通常通り放送中である。(MWList 12 June via WWDXC TP 1545)

◎Big L Radio Londonが中波で限定放送
 英国のAlan Pennington氏によると、同国の旧海賊局Big L Radio Londonが2023年7月29日~8月14日(現地時間)に1206kHzで24時間放送を行う。同時にhttps://www.biglradiolondon.co.uk/ 上でインターネット放送も行う。これは正式免許を受けた放送で、海岸に面したFelixstoweの温泉パビリオン内に停車した赤色のバス内に設けられたスタジオより行われる。スポンサーはこの温泉パビリオンとRadioFab社の経営者Ray Anderson氏。放送内容は海賊局時代に流行していたpopsなどで、他の旧海賊局とも連携する。詳しくはURLを参照のこと。(WORIG 6/21) 同局は1964-1967年に船舶上から放送していた海賊局。Felixstoweはロンドン北東部にある北海に面した町で、1960年代より海賊局の出港基地として有名な場所でした。



◎Hans Knot International Radio Report 2023年夏号発行
 英国のMike Terry氏によると、海賊局関連の話題を集めた「Hans Knot International Radio Report」の2023年夏号が発行された。https://hansknot.com/intrep.htm。(WORIG 6/21)

◎DWがアラビア語放送を再開
 米国のDXerによると、ドイツDeutsche Welleはこのほどスーダン向のアラビア語放送を再開した。同国の内乱に対処するもので、スケジュールは以下の通りである。送信地はIssoudun。
 月-金 21:30-22:00 15275 17800
 火-土 03:30-04:00 15275 17840
(WORIG 6/20)

◎ロシアがウクライナ占領地にVGTRKの支局設置
 ロシア政府は2023年6月13日、ウクライナから奪取したDonetskとLuhanskにロシア国家ラジオ・TV放送会社(VGTRK)の支局設置を認可した。同時にウクライナKyivにある支局は正式に廃止した。2014年に占領したTavridaとSevastopolには既に支局が開設されている。(RUS-DX #1242 6/18 via WORIG 6/19)

◎Radio Bayrak Internationalの現状
 北キプロスにあるRadio Bayrak International(Voice of the Turkish Republic of Northern Cyprus)は1983年に放送を開始し、当時はアラビア語及び欧州諸言語で短波の6150kHz及び中波の1494kHzで放送していたが、短波・中波の放送は2015年に正式に廃止され、以降はFM、衛星、インターネットのみで放送している。各国語の放送のスケジュールはhttps://brtk.net/yayin-akislari/radyo-yayin-akisi/bayrak-international/を参照のこと。インターネット放送はhttp://sc.brtk.net:8004/listen.mp3で行われている。(RUS-DX #1242 6/18 via WORIG 6/19) 短波は正式廃止以前に既に出ていませんでした。

◎DPA Mac社国際短波データ放送の免許を引続き申請
 米国DPA Mac社は国際短波デジタル放送の免許を引続きFCCに申請し続ける、既に気密性の高い放送について利用者間のパートナーシップを構築しているとしている。「放送」というものの一般向けラジオ番組ではなく特定の利用者向取引データの提供を許す免許を要求している。パートナーシップを構築したとされるRaft社はイスラエルの会社で、金融業界向短波通信のリンクを開発している。詳しくはhttps://www.fcc.gov/ecfs/document/106220370523520/1を参照のこと。(WORIG 6/27)

◎Radio Maliの9635kHzが復活
 スペインのManuel Méndez氏によると、Radio Maliの9635kHzが復活しているのが6/28に確認された。00:30過ぎにフランス語番組が放送されており。「Vous ecoutez la Radio Nationale du Mali…」というIDが確認された。(WORIG 6/27)

◎Perseus22 Friedrichshafenの見本市会場で展示
 ドイツ最南部、スイスとの国境の町Friedrichshafenの見本市会場Messe Friedrichshafenに、ELAD/Microtelecom社共用無人ブースが設置されており、そこに噂のPerseus22の実機が展示されている。(ドイツ Wolfgang Bueschel氏)

(右)Persueus22の全面 (左)上蓋を開けて見た内部
  

◎モンゴルMRT国内向放送の観測結果 2版追加
 英国のMike Terry氏が、Ydun's Mediumwave Info 6/29の報道として伝えたところによると、ロシアNovosibirskのリモートSDRによる受信結果によるモンゴルMRTの国内向放送の実情は以下の通りである。
 Oglii及びChoibalsanの209kHzは観測されなかった。Altaiの227kHzは受信できていた。CholbalsanはNovosbirskから遠いので判断できないが、Ogliiは閉局しているものと見られる。Murunの882kHz、4895kHzは長期間受信できておらず既に放送されていないものと判断できる。Khonkhorの164kHzは信号波形は見えるが音になっていない、227kHzの放送がs/offすると数秒後に波形が消える。(WORIG 6/29)
 英国のMike Terry氏がmediumwave.infoの情報として伝えたところによると、モンゴルMRTの長波放送の内227kHzは07:25頃受信することが出来た。164kHzは信号波形が見えるだけで依然として音となっていない。209kHzは聞こえるが、227kHzの方が強い。https://www.asiawaves.net/longwave-radio.htmによれば、Khonkhor送信所の164kHz送信機は1984年、Altai送信所の227kHz送信機は1978年、Choibalsan送信所の209kHz送信機は1979年、Dalanzadgad送信所の209kHz送信機は1982年に設置されたもので何れも老朽化しており、問題が起こっても不思議ではない。Oglii送信所の209kHz送信機は1965年に設置されたものが、2012年にTransradio社製新型に置き換えられている。もしこのOglii送信所の209kHzが不具合の場合は別の理由(経済的理由など)も考えられる。(WORIG 7/5)


出典の略称
   WORIG : World of Radio io group
   WWDXC TP:World Wide DX Club Topnews  
   HCDX: Hard-Core-DX  
   JSWC: Japan Shortwave Club  
   NDXC: Nagoya DXers' Circle


トップページ