Fitting |
フィッティング BGM(MIDI)は、V.Montiの[ Czardas ]です。 |
出来上がったヴァイオリンに、ブリッジ(駒)や魂柱、ペグにエンド・ピン、テール・ピース、それとスポアーをつけます。
そうした、もうニカワを使わない最後の仕上げや調整のことを、「フィッティング」といいます。
ちょうど自作のパソコンに、OSのウィンドーズをセット・アップするように「セット・アップス」といういい方もできます。
そして、つくりや目的、ニスの色などを考慮してどのようなフ品種のィッティング部品を使うかで、
全体のイメージが、たいへん違ったものになるのも大きな楽しみです。
さらに、このフィッティングこそ『音づくり』には欠かせない、最重要なものだと筆者は考えています。
どんな名器でも、駒の削り、魂柱の長さや太さなどの削から設置する位置までもが、その『楽器の音色を完全に支配』するからです。
このページでは、以下のフィッティングについて説明します。 |
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◇ 使う部品で個性を・・ | 形の決まっているヴァイオリンに、使う部品で個性をだすことができます。 |
◇ 駒の削り | 一台一台、微妙に異なるカーブにぴったり合わせて削り、調整します。 |
◇ ペグ等の調整 | 調弦しやすく、さりとてゆるみにくいように合わせなければいけません。 |
◇ 魂柱 | できた楽器の生命線ともいえる大切な作業です。 |
◇ 使う部品で個性を・・
同じようなニス色でも、使用する部品で雰囲気がずいぶん違って見えます(筆者の作品例)。
イギリス・ヒル・モデルのボックス・ウッド製
フレンチ・モデルのローズ・ウッド製
板に、駒をぴったり合わせ、鉛筆でその曲線をなぞるだけで、写しとることができます。
その線を、彫刻刀やデザインナイフ、切り出しナイフなどで、少しずつカットしていきます。
あるいは、写真のように表板の、ちょうどストップの位置(駒の正しい位置)にサンド・ペーパーを貼り平らに合わせて、こすって削ることができます。
これには、住友3Mの粘着式のペーパーがぴったりです。
ただし、その粘着力がかなり強いので、剥がすときにニスまで剥がしてしまわないように、 あらかじめ、2、3度、手にベタつかせて、粘着力を弱めてから使います。
両脚が、ぴったりと響板に密着していることが大切な要素となります。
少しでも、浮いているということは、弦の振動が100%、表板にまで伝わらない、ということになるからです。
筆者が駒の調整に愛用している主な工具
右から2本が精密ヤスリの丸と半丸。ここには写っていませんが、三角のものも使います。
黄色い柄のものがデザイン・ナイフ。彫刻刀が2本。
黒い柄のナイフは、自作の「フィッティング・ナイフ」です。
左上のものは、駒の標準的なカーブゲージでプラスチックの板でつくってあります。写真では、上辺だけを黒のマジックで染めて、アーチが分かるようにしてあります。
中央の駒は、既製品そのままのもの。左のものは調整後のほぼ削りあがり、仕上がったものです。
そのカーブゲージの、アップです。
駒もアップにすると、削る前と、削ったあとの違いがよく分かると思います。
なお、ゲージには弦の間隔・4等分の印も付けてありますから、弦の乗る溝も写せます。
溝は、精密・三角ヤスリの先を使って、すってつくります。
その溝は、弦の1/3程度が埋まるような深さにします。低弦側は少し深めに、E線は浅めにします。駒のフィッティングや削り(肉削ぎ)のやり方・形にも、製作者の個性があります。
それは、そのつくり手が「駒」という部品を、どのように考え、とらえているかということにつながっています。
もちろん、その駒が使われる楽器そのものの違いや、駒の材質の違いにも関わるものになります。
えッ!『駒の材質』にも違いがあるの? と思う方もいらっしゃるでしょう。
そう、安物の、普通のカエデ材でつくられたものから、ヨーロッパの古い家具や建築に使われたリサイクル部材で
なおかつ、バルカン材から、駒用として特別に選別された「オールド品」などもあり、ピンキリです。
駒は、弦の振動を、的確に「響板」としての表板に伝える重要な部品です。
そうした駒ですから、表板の削り(アーチング)や、指板の高い・低いの違いに合わせ、的確に調整するのです。
以下、少しずつ増やしていく予定につき、 工事中! HOME