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ヴァイオリンのニスについてT HOME
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ヴァイオリンのニスに関しては、古来よりいろいろ取りざたされてきました。
とくにストラドに関しては、その色は燃えるような赤いニスだったといわれ、そのレシピも、素材も、また秘密だったといわれている。
だいぶ前の話になるけど、クレモナの古い屋敷から出てきた壺の中から、古文書のような何かが書かれた羊皮紙が出てきたという。
それを調べたら、なんとストラディヴァリが書いたニスのレシピだったというのです。
しかも、それがイギリスのオークションでたいへん高額な価格で落札されたという、もっともらしい余談までついていました。

ニス神話 昔からいわれ続けてきた神話への否定

その特別な音色の秘密として木材や接着剤、防虫剤としての鉱液、バイオリンの形状など、 専門家の間でさまざまな議論がかわされてきたが、有力視されてきたのは表面の塗装に使われた「ニス」だった。

しかし、昨今、フランスとドイツの専門家チームが4年にわたる研究の結果、ニスはごく普通のものだったと発表した。
(以下、写真と記事は、BB Newsより拝借。)
研究チームは、ストラディバリが約30年の間に作ったバイオリン4丁と、ビオラ1丁のニスを赤外線で分析した。

その結果、ニスの材料として使われていたのは、18世紀の工芸家や芸術家の間で一般的だった、油と松やにの2種類だけだったことが分かった。

研究に参加したパリ(Paris)の音楽博物館(Museum of Music)のJean-Philippe Echard氏(化学工学)は、「ニスが音色に影響を与えていると言えるだけの知見は得られなかった」と述べた
琥珀(こはく)やハチが作り出す蜂ろうなどがニスに含まれているとの議論もあったが、それらの材料は一切検出できなかったという。

さらに、松やにも豊かな色合いを出すために使われた可能性が高く、この他に見つかった赤い顔料も、見た目を変えるために使われたようだという。


研究チームは、「ストラディバリは、特別な秘密の材料を使わなかったのかもしれない。弦楽器製作、特に木材の仕上げに秀でた工芸家だったのだろう」とし、ニスのレシピは非常にシンプルなものだったと結論づけている。
ストラディバリウスの音色への疑念 [ wikipedia より]

ブラインドテストを行うと、ストラディバリウスの音色は、1/100の値段で取引されている現代の新作楽器と大差なく、
むしろ音色が劣っている楽器もあるとする論文もある。

フランス・ソルボンヌ大学のClaudia Fritz氏を中心とする国際研究グループによって、複数の論文が作成された。

最初の実験は2010年に実施された。

23人のプロ演奏家が、20台のヴァイオリンから「音色」、「音の伝達性」、「演奏しやすさ」、
「演奏への反応性」の4点について評価し好ましい4台を選ぶというテストだった。

しかし実際に用意されたのは、新作楽器3台と2台のストラディバリウスと1台のガルネリの合計6台で、
同じ楽器を違う楽器と偽って複数回演奏させることで判断の精度を高める工夫がされた。

比較は真っ暗な部屋で実施された。

その結果、最も優れた楽器として新作楽器が選ばれ、
最も悪い楽器として1700年に制作されたストラディバリウスが選ばれた。

実験に参加した演奏者の中には、この実験は「どの楽器が良い楽器か」で選考されたが、
「どの楽器がストラディバリウスか」という基準で選考していれば違う結果になったという演奏者もいる。

しかしその演奏者も最も音が良かったのはストラディバリウスではなかったことを認めている。

2010年の実験は狭いホテルの一室で実施されたために、実験環境に問題があると批判されたので、
条件を整えて4年後に再実験が行われた。

再実験では5台のストラディバリウスを含む6台のビンテージヴァイオリンが用意され、
それらの1/100の価格で取引されている現在のヴァイオリン6台が、10名の世界的演奏者によって50分間演奏され、
演奏者自身によって楽器のランク付けを行った。

そのランキング上位2つのヴァイオリンと、演奏者が自己所有する楽器との比較も行われた。
比較はスタジオの他、300人収容の音楽ホールでも実施された。

演奏者は、自分が何を演奏しているかは視覚的にはわからないよう配慮された。

選考の結果、新作楽器の1つが4人の演奏者によって12台中で最高であると評価され、
残る6人の演奏者もその楽器を次点として評価した。

上位4位までにランクインした楽器の数は、新作楽器 : ビンテージ楽器が 4:1 であった。

この論文は、現代の製作者の作る楽器の音色は、すでにストラディバリウスを超えていると考えられるとした。

2度の実験の結果、双方においてストラディバリウスは演奏者の高い評価を得ることができなかった。

お正月のテレビ番組、出演タレントをテストして『あなたは、一流芸能人、二流芸能人、普通の人』と三つのランクに評価

この番組の面白いのは、グルメといえばグルメ、骨董品からドラマ制作の監督業まで、多種多様のジャンルに分けてそれぞれをテストする。たとえば、ブランド牛とスーパーの特売肉を調理し、被験者に一口ずつ食べさせ「どちらが本物の高級牛か」を当てさせるゲーム、だから、誰もが野次馬根性で見ていられることだ。
ここでも、今までストラドやグァルネリのヴァィオリンやチェロも出されたことがあり、市販の普通品と比べ、そのアンサンブルを聴かせ、判断させるというものだ。生で聞いたらどうか分からないが、テレビのスピーカーの音ではまったく分からない。
ここでも面白いのは、出演者の半数はNG、二者択一の確率通りの結果になってしまう。

とりわけテレビやパソコンでは、音響回路には、それほどコストをかけていないのは事実。オーディオ・ファンの方にはお分かりいただけると思うのだが、まず、スピーカーの口径。テレビやパソコンの中のスピーカーは、「音が鳴ればいい」という程度のもの。

また、そのケース自体の大きさと構造。ジャズやクラシック専用のリスニング・ルームに置くようなスピーカーボックスではない。ウクレレでチェロの低音を出そうとしても、それは絶対に不可能であるからだ。また、音声の出力回路にしても、一桁の、数ワットしか出せない構造のはずだ。

2016年 9月 1日

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