Handmade Tools3 ←tools2 |
てづくりツールとその製作方法 V |
このページは、筆者がつくった以下の工具・冶具についての作り方や、使い方、そのポイントを説明します。
てづくりツール:パート V は下記の内容でこちら | |
木製クランプ | あちら製・ちょっとレトルトな感じで、面白い仕掛けのクランプ (Mar.'14) |
ドリル・サンダー | 電ドル・スタンドを利用したサンダー、リブの厚み出しに有効。 (May '14 ) |
チェロ用ベンディングアイロン | チェロのリブ幅に対応する幅と熱量が必要になります。 |
◇ 木製クランプ |
バイオリン製作研究会時代の知人で、facebook仲間でもあるS氏のページで見たものだが、今まで、日本製にはなかった仕掛けのもの。かつ、レトルトな雰囲気があり、とても魅力を感じた。 真似して作って売ったら著作権違反になるだろうが、ひとつ、ふたつ、テスト製作ならまず問題はないだろう。 |
こちらがオリジナルのもの |
上下2本のボルトで締めるこんなものも・・・。 |
愛用品の国産品・各種クランプ 締め付ける仕掛けの多くはネジ式、 黒い大きいのと小さいもの、ブルーのものがレバーのあおり式? |
|
シャフトはホームセンターで・・・。 2.8mm × W-18mm × L-910mm で1本=110円。 |
|
この程度のものは、図面ではなくボール紙のテンプレート(型紙)から・・・。 | |
右側の斜めになっているレバーを直角の方向に上げると 回転軸のところで半径の大きな円に変化し、 それで割ってある当て木を押して締める仕掛け。 |
|
オリジナルのものは、下側の固定バーが太くて、 ボクがいままでつくってある内型の30mmの穴に入らない。 この鉄材が純鉄だったのでスプレーのラッカーを吹きつけ、塗ったのだが、 その塗膜の厚さの分だけきつくて楽に動かない。 やむなく、せっかく塗ったラッカーは剥がす羽目に・・・。 簡単だけど、しっかりと締め付けられる。 なぜ、国産品にこの仕掛けがなかったのか、不思議でならない? |
このドリルサンダーは、もともとボクが敬愛してやまない、アメリカ・オレゴン州の製作者ヘンリー・A・ストローベル氏の著書「ヴァイオリン・メイキング・ステップ・バイ・ステップ」の中にあった説明写真の道具。 当時でも、現代でもこのような工具は日本にはまだありません。 筆者も、もともとの仕事柄(内装業)、バイブレーター式の、上下・左右、 そして小さな円運動をするハンディなサンダーは持っていたのだが、 カエデ材のリブの削り出しまでにはとうてい使えない代物。 国産品では、大工さんや塗装屋さんが床磨きに使う、大型のベルト式のサンダーはあるのだが、あれではきっと、 薄いリブ材が引きちぎれてしまうだろうと思う。 氏の著書のこれは、リブ(側板)材の厚み出しに非常に有効という書き方をしていて、ビットをよく見ると、ペーパーの継ぎ目をつくらないように、斜めのバイアスで接いである。 きっとこれは、米国の市販品のペーパーというように見えるのです。 ヴァイオリンのリブは、堅木のカエデ材を板厚1mmほどに削り出すのだが、 これがなかなか大変な作業。 プレカットされたリブ材でも、2.0〜2.5mmほどの厚さがあり、 ましてや小生のように原木から切り出して・・・均一の厚さに仕上げるということになると、さらに大変。 ある程度、厚みがあるものなら、あるいは柔らかいヒノキやスギ材なら、 カンナでシコシコと仕上げられるのだが、堅木の、広葉樹のカエデ材、 しかもフレーム(ヴァイオリン杢という斑模様)入り。 斑模様がそのように入っているということは、木の組織や繊維が、 模様の通りにうねっているわけです。 そのため純目と逆目とが混在していて、大変、 カンナはかけにくいのです。 それで、ほんの僅かずつであっても、時間をかけてスクレーパーで削りだしたり、手作業のサンディングで均一に削りだしてきたのです。 |
ヘンリー氏は、このサンダーで1mmに近づけたら、 後はスクレパーで仕上げするように勧めている。 |
この回転軸には、インパクト・ドライバー用のソケット (19mm と 21mm)を流用。 |
このソケット転用のアイディアは、製作仲間のKIKI・Hayashiさんのサイトに有り、それをそのまま利用させていただきましたので、 このページの中から、改めて感謝させていただきます。 ニユニクロ・メッキされたものは一つ千数百円ほどしましたが、 こちらは安物、二つで千円程度。 ここで使うドリルは、230Wという小型の安もの。 その力率を考慮して、大きい方のソケットの直径を19mmタイプ、 細い方を13mmとした。 ちなみに、KIKI・Hayashiさんは19mmと21mmと、一ランクずつ太め。 ボクの場合は、ドリルスタンドが中国製の安物だったし、 小型だったからトルクの小さい分、ソケットの直径を小さくしたわけ。 でも、均一に削るためには太い方が理想です。 写真は、スタンドの万力にくわえさせて固定するための板 (・・これ、お正月に食べた紀文のカマボコ板 = ネッ、焼き印が押してあるでしょ!)をベース板に貼り付けているところ。 |
ペーパーは、以前から愛用している住友3M社のもの。 このメーカーは、ご覧のように、金剛砂に、不思議な、フニャフニャした、波目のランダム模様がほどこされていて、 そのために、実に、目詰まりしにくい仕掛けがしてあるのです。 その、裏面が粘着式のものと、そうでないものをここでは使いますが、 粘着でないものは、写真の後ろに置いてあるスプレー糊を一吹きすれば、まったく問題ありません。 ちなみに、このソケット、二つで1k円程度。 面倒だったのは、ペーパーをソケットにセットする際、簡単に差し込めて、ペーパーが固定できるように、鉄ノコでその溝をカットするとき。 鉄ノコでゴシゴシと切りながら、 『俺は、絶対に牢獄からの脱出はできないだろうなァー・・・』と、考えながらの作業でした。 |
|
鉄ノコでカットした溝は、いちばん上まで届かず、その分、 写真のようにいちばん上の部分は斜めにカットして使います。 |
それは、ソケットをシャフトに取り付けるための6角ボルトの頭が中にあるためでした。 |
また、このように、リブだけではなく、内型の成型や直角出しにも使用。 |
このテーブルを箱形にして、ごく小型の掃除機をセットすれば 「吸塵装置つき」という、贅沢な仕様に変身します。 |
◇ チェロ用ベンディング・アイロン | チェロの側板を曲げるだけの幅(高さ)が必要 |
100Wの半田ごてを流用 幅と熱容量をカバーさせるのには水道管を利用 |
3mmベニヤで曲げ具合の実験、非常に具合よく曲げられます。 ご承知のように、ベニヤは木目が縦目・横目が交互に積層されている。 つまり、それくらいの板が楽に曲げられれば カエデ材のリブだって問題ないはず。 |
同じ廃品としてスチームの電気ストーブがあった。 これは家族が風邪になったら際、スチームを一緒に炊き込み、 湿度を高くして、風邪が早く治るように考えた家内の考え。 ただ、石油のファンヒーターが全盛になったら、ほとんどお蔵入り・・・。 これにはトースターなどに使われている400Wの 石英のヒーターが使われている。 |
|
ただ、ご覧のように、石英のヒーターでは 残念ながら電極が上下についてしまうことが最大の欠点。 こちらもテストしてみたが、問題なく曲げることができました。 なお、こちらは400Wとちょっと太い暖房・給湯用の太い水道管を利用。 太さといい、熱容量といいぴっったしカンカン! |
|