道後全私研速報「海道」25号 発行1999年07月29日改訂版

125人が熱気溢れる討議を展開!

                                              第21分科会「学費問題・公費助成運動」




第1目(全体会)
 
 まず、全国私教連内藤副委員長から「21世紀の私学助成政策第1次案」の報告・説明がありました。これは未完成とのことですが、私学助成運動のこれまでの歴史と助成制度の仕組みと内容、さらに21世紀私学助成政策の基本方向について述べています。参加者からは「よくぞ言ってくれた」「わかる!」「元気が出る」といった声があがっていました。


第2日目(分散会)
 これからの私学をどうしていくのか…。数々の貴重な実践に基づいたレポート発表とレポートに対する質問や意見が飛び交い、充実した討議が展開されました。

<参加者の感想>
 ますます長引く不況の中、行政に積極的に働きかけていただき、子供たちが安心して教育を受けられる制度が実現するよう、お願いしたいです。また、私たち、正則高校も、独自の奨学金制度や日本育英会で返金しない制度をとりいれております。そういう面では、安心できる教育制度をとっていただいているので幸せです。
                         東京 正則高校 大塚かつみ(父母)

 「21世紀の私学助成政策」の提言に勇気づけられました。特に、私学の位置づけ、歴史的役割の評価に共感できるところがありました。21世紀の日本の教育を「公私両軸」でやるという運動を展開しようという壮大な闘いに私も参加していきたいと思います。
                         東京 聖徳学園 村上宗彰

 今、多くの私学が抱えているのは、署名の停滞と運動主体の弱体化だと思います(茨城でもこの傾向があり)。運動主体の再構築によって発展方向をめざすための討論をぜひお願いしたい。
                         茨城 常磐女子高校 石井栄

 東京の日本学園のように、保護者も先生も積極的になることは子どもの意識にも影響してくると思います。これだけの活動をしておられれば、生徒も一緒に活動できるとも思いますが,勿体ないような気がします。親が汗水流して働いて得たお金を、子ども達のために出すのですから、子ども達自身に自覚してもらうためにも、一緒に関わって活動してほしいと思います。
                           京都 立命館宇治 鳶川眞弓(父母)




もう一度やる気になった3000万署名
     ―高松大手前・全面勝利集会で元気をもらう―

           香川 藤井高校をよくする父母懇談会 鎌田正康・鎌田多恵子

<発表の主旨>

 1998年度、私個人も過去最高(32,680筆)、父母懇も過去最高、教員も過去最高の成果をあげ、第一線を退く決意をしました。ところが、大手前高松高校勝利集会のあいさつで、海野先生が「二十年に及ぶ解雇撤回闘争は終わったが、これからの運動のスタート位置に戻ったに過ぎません。」の言葉に一瞬頭の中が真っ白になり、血の気が引くのを覚えました。自分ではやれるだけのことはやったと思っていましたが、いかに微々たるかを思い知らされ、「ヨシ、もう一度3000万署名、スタートからやるぞ」という新たな決意が湧き上がりました。


<発表者の感想>
 今回で2回目の発表ですが、やはり緊張して、実際に取り組んできたことをうまくまとめて発表できず残念でした。でも、会場の方には大体解っていただいたようです。一人で32,680筆。小さい県でもそれなりに、全国の人たちに負けないよう、会員一丸となって頑張っていることをアピールできたと思っています。 ほっとしています。 (鎌田正康)

 今まで署名活動した中でいつも大切にしてきた言葉があります。それは、「一人でいいからひろめて!」という言葉です。香川県は、「公費助成」「3000万署名」の認識が非常に低く、一人で何十人も、何百人も集めるのはとても困難な県です。その中で、署名がひろめられているのは、この言葉のおかげだと思います。        (鎌田多恵子)

<参加者の感想>
 鎌田さんのように夫婦での発表は、全私研レポーターといえども唯一でしょう。二人の公助運動の取り組みは大変迫力があり、署名獲得の数の多さだけでなく、水面下で骨折っている奮闘ぶりに、改めて感動しました。
                         香川 藤井高校 尾端勝美

 香川県藤井高校からの親からの報告は、実に痛快だった。あれほどのパワーと情熱が、よくあるものだと感心してしまった。
                         三重 梅村学園三重高校 花實龍樹

 香川県の父母による署名運動のパワーには、圧倒されました。そこまで、協力できる父母や教員にはなかなかめぐりあう事はないです。ただ、集めた署名をいかに有効に県会に国会に反映させていくかの課題について教えてほしいと思います。本組合として特定の政党に頼むのもなかなかできなく、今後の課題かと思います。
                         奈良 天理高校 三木眞治
 



「21世紀私学助成政策」(仮称)を提起!


 全国私教連中央執行委員会〔公費助成小委員会〕は、「21世紀の私学助成政策第一次案」を提起しました。各県、各職場で至急この「第一次案」を討議し、積極的な意見を全国私教連中央執行委員会まで集中してほしいと提言しています。
  
 当面の要求課題と政策(21世紀初頭の到達目標と運動課題より抜粋)

  <不況から子ども達の学習を守る緊急要求>
(1) 倒産、失業、災害など保護者の経済的環境の急変に伴い、学業の継続困難な生徒
  に対する授業料全額免除の補助を行います。
(2) 育英資金の応募時期を弾力化し、受給資格の成績基準を廃止し、無利子とします。

  <中期的政策>.
(1) 経常費に対する2分の1助成をただちに実現します。
(2) 父母負担の公私格差を是正するため授業料補助制度の実現・拡充をすすめます。
(3) 父母負担に依存しないで私立高校で30人学級が推進できるよう特別助成を実現しま
  す。
(4) 私立高校への施設整備費助成を拡充するとともに、校舎など施設の拡充、改築
  にかかわる施設設備費助成を実現します。
(5) 国民に開かれた民主的な私学行政をすすめ、公教育にふさわしい私立学校を建設
  します。
(6) 希望するすべての子ども達に高校教育を保障するため、入試制度など公私立の高
  校教育のあり方について、抜本的に検討する住民参加の機関を設置します。




速報海道第25号の想い出
 この速報は、怒涛の8号一度に発行という中の1号です。29日の朝食会場での発行を目指して、深夜までかかって作成されました。と言っても、この日は当然のように徹夜だったのですが・・・。
 特筆すべきは、海道秘話でおなじみのモックンが、初めてパソコンに触れ、初めてWORDを使って作成したものであるということです。モックンは、愛媛での3000万署名運動の中心として活躍されており、この分科会にも裏方作業の忙しい中を抜けて、熱心に参加していました。その熱心さが、28日の夜の大忙しの速報部の状況の中で、「公費助成で1号つくらせて欲しい!自分で記事は打つ!」という言葉となり、実行に移ってできた作品です。もとの記事の量は、掲載の2倍以上!今井編集長の再三に渡るダメ出しを乗り越えて、なんとか発行にいたったものです。しかしながら、それだけに内容的にも素晴らしいものになったと思います。
 さて最後になりますが、海道25号(原版)では古川先生による鎌田さんご夫婦のイラストがありました。残念ながら、せいちゃんは、スキャナーを持っていないために画像で補っています。お詫び申し上げます。
 

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