道後全私研速報「海道」秘話・・・その8

速報刷り直し!編集長のこだわり爆発!



 すでに仕上がっている、あるいは、印刷中である速報を何度か印刷し直したことがあった。これは、不可抗力のものもあれば、あきらかにミスのものもあった。編集長の印刷の仕上がりに対するこだわり、紙面に妥協を許さない姿勢は素晴らしいものがあったと思う。印刷担当者が試し刷りをすると、必ず編集長に仕上がりの確認をお願いしていたものだ。編集長の「OK!」がないと、本格的な印刷作業に入れないのである。
 さて、全私研を終えて2ヶ月が経過しようとしている今となっては、何回速報を刷り直したか、はっきりと思い出すことができないが、覚えているだけでもあげておきたい。

その1・・・表紙刷り直し事件
 表紙を含め速報数号は、全私研前に作成しておく必要があった。表紙はもちろんだが、たとえば第1号の愛媛私教連委員長の歓迎挨拶や第3号の分科会場所案内などである。約1800名の参加を見込んでの印刷のため、愛媛では各職場で印刷を手分けすることになった。これによって、連絡を密にしていたつもりが、表紙を白い紙ではなく色つきの用紙で印刷するということが徹底されていなかった。
そのため、白い上質紙に印刷ができあがっていた表紙を差しかえるという事件がおきた。この頃は、あわてることなく簡単に刷り直しができたのを覚えている。

その2・・・分科会案内号刷り直し事件
 これは完全に不可抗力である。全国私教連からきていた分科会配置が直前に変更されたのだ。当初、準備万端整ったと思っていた編集長もせいちゃんも、この連絡を受けたときは今後の速報でお詫びと訂正という形で掲載することを決定していた。ところが、普段は物を言わないことで有名な愛媛私教連副委員長の館長(道後全私研現地実行委員会委員長)が、差し替えを要請してきた。これには、編集長もせいちゃんも驚いたものだが、館長が言うならとシブシブ原稿を訂正し、刷り直したのを覚えている。結果的には、この事件が速報へのこだわりを強くしたような気がする。後で聞いた話だが、館長は、「すべてができあがったときに分かっていて、なおかつ訂正できることをしなかったら、必ず後悔する」と言ったそうである。今となっては、本当にありがたい親心であった。

その3・・・愛媛県観光案内刷り直し事件
 全私研開催中の話である。しかもかれこれ忙しい最中のことであった。仕分けも終わって、配布を待つばかりの状態になっていた。しかし、愛媛の地図が黒くなってはっきりしない印刷状態であった。それを見つけた編集長から刷り直しの指示がとんだ。印刷担当者も仕分け担当者も嫌な顔ひとつせず、すぐに作業に入ってくれた。刷り直しの大変さもさることながら、仕分けの手間を考えるとかなりの労力であるにもかかわらず、「質を落とすな!」の合言葉のもと元気に刷り直しをしてくれた。みんなに支えられ、励まされているなぁと感じた瞬間であった。

その4・・・夜のつどい特集号刷り直し事件
 昨夜から徹夜のままの29日の早朝5時頃である。最終30号まで作らなくてはならない状況で、すでに印刷を終え、仕分けまで終えていた夜のつどい特集号に重大なミスが発見された。参加者の名前の間違いである。この重大なミスを犯したのは他ならぬ編集長その人であった。しかも、取材をしたのも編集長という始末である。さすがの編集長も刷り直しを言いにくい状況であった。その時、印刷スタッフをはじめ、その場のスタッフ全員が「質を落とすな!」と言い始め、編集長を見つめている。全員が、最後まで手を抜かず、妥協を許さず取り組んできた証だと思う。編集長の「刷り直し!」の声を合図に全員が動き出す。なんだか最高の瞬間だった。全私研最終日、この名前を間違えられていた参加者の方が、何も知らずに速報部室に来て、「大きく写真を載せてもらって、ありがとうございました!記念になります。」と言いにこられた時、ホッと胸をなでおろしながらも、刷り直して良かったぁ・・・と心の底から思ったものである。

 最低でも4回の刷り直しがあったわけである。資源節約・自然保護が叫ばれている世の中であるので、第三者から見ると1,800枚の4回で7,200枚の紙が無駄になったと言われるかもしれない。もちろん、この紙の多くは持ちかえって、職場でメモ用紙として活躍しているのだけれど、それでもやっぱり無駄と言われるかもしれない。
 でも、あの忙しく、スタッフの誰もが疲労しきっている中で刷り直すことの大変さと、気持ちよく刷り直してくれる人がいるありがたさ、その雰囲気をつくりだす仲間の集まりを感じたときの感動は、きっと想像してもらえると信じている。だから、胸を張って誇りをもって大きな声でせいちゃんは言いたい!この刷り直しのおかげで確かに愛媛のスタッフは強く団結し、お互い励まし合い、強い絆でつながる要因になったのだと・・・。決してあの紙は無駄ではなかったと、今でも思っている。


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