道後全私研速報「海道」秘話・・・その7

編集長 VS 事務局長(せいちゃん)!
速報部分裂か!?

 VS 


 これまでの海道秘話をご覧くださった皆様や速報「海道」をご覧くださった皆様は、速報スタッフが全員仲良く協力して最後までがんばったと思っているのではないでしょうか?案外、全私研の疲労というのは、肉体的だけでなく、精神的にもかなりあるものだ。みんなのイライラがたまってくると、どこかで爆発するというのが自然の摂理であるのだろう。もちろん編集長もせいちゃんもその事態を予測し、全私研前には十数回にわたって速報会議をかさね、E−mailを使える人には、できるだけコミュニケーションをとるなどの工夫を凝らしてきた。ところが、その当の本人たちが、27日深夜に激突することになったのだ。

 26日の朝から27日の深夜2時までの睡眠時間は約3〜4時間。その間は速報作成・取材にと、取材の時間以外はパソコンの前からほとんど動かず、速報編集に取り組み、パソコンのフリーズや誤作動と格闘していればストレスもたまろうというものだ。

 27日の深夜は、これからの速報編集方針について話をしていたが、編集長とせいちゃんの意見が合わずに激突!実は、本当にありがたい話だが、分科会の感想文が予想をはるかに越える大盛況!全部を読むだけでも一仕事の状態である。本来なら、感想文を書いてくださった方のお名前だけでも速報でご紹介しなければならないのだろうが、そんなことをすると名前だけの速報が数号にわたって発行されるありさまであった。やむなく手分けをして読む人を決め、その人の感性で選んだ感想文を、別の人がパソコンで打ち込み、それを集めて編集長とせいちゃんが編集して発行するということにした。

 この流れ図のような素晴らしい体制は、最終的に編集段階において紙面にそぐわない感想がでてきたり、絞り込んだはずの感想が紙面に対しては多すぎたりするという欠点を生んだ。そうなると、参加者のみなさんが書いてくださった感想を絞り込んだ時の罪悪感、一生懸命膨大な量の感想文から選んでくれたスタッフや、それをパソコンで打ち込んでくれたスタッフへの罪悪感があわさって編集長とせいちゃんの心に大きくのしかかってくる。更なる精神的ストレスがたまってくるのである。そしてついに、編集長の「質を落とさず!」の方針とせいちゃんの「できるだけ感想を掲載しよう!」の方針が、うまくかみあわなくなり激突の運びとなったのである。

 深夜2時頃、スタッフもほとんど別室で寝静まっている。速報室には、編集長・モジャ・教授・千佳ちゃん・モックン・せいちゃんの6名。編集長とせいちゃんの激論を不安そうに眺めながら、他の4名は作業を続けていた。もちろん、仲裁をしようとしてくれるのだが、熱くなっている二人には逆効果になる始末。約1時間にわたる激論は、最終的に、あと一歩を越えると編集長とせいちゃんは分裂か!?と思われるところまでいった。けれども、決してその最後の一歩をお互い越えようとしない。その付近でこぜりあいをするばかり。結局、お互いが譲歩して、「分科会の雰囲気が伝わるような素晴らしい感想の中でも、速報の紙面にあう内容のものをもう一度厳選し、それが多かった場合には、質は落ちることにはならないので紙面に感想が多くなるのもやむをえない。また、スタッフ不足のために取材に行けなかった分科会については、感想文だけになるのもやむをえない。」ということで、「量は増えても質は落とさず!」という新たな方針に落ち着いた。

 さて、全私研終了後、この夜のことを振り返って編集長と話をした。どうして最後の一線を越えなかったか?という理由をふたりで語り合ったのだ。ふたりともが感じていたことだが、この理由には大きく2つあった。
 ひとつは「速報スタッフを支えてくれた大勢の仲間の存在である。」速報の印刷、仕分け、配布を担当してくれた大勢の人たち。速報の評判を伝えてくれる分科会参加者の人たち。食事の手配をはじめ、無理な注文にも対応してくれた人たち。みんなに支えられて、速報編集に専念できているんだという思いが最後の一歩を踏み止まらせてくれた。
 ふたつめは「女性スタッフの存在である。」男は粗野でおおらかで、それはそれでいい雰囲気をだしてくれる。けれども、疲労のたまった時には、女性の優しさや温かさ、ぬくもりに助けられる。ふたりが激論している最中、それが終わるまで本人たちも疲れ果てているにもかかわらず、そして、本人たちの分担の仕事は終わっているにもかかわらず、遅くまで静かに見守ってくれていた千佳ちゃんと教授の存在は大きかったのだ。女性のスタッフの大切さを痛感した夜であった。(もしかしたら、編集長もせいちゃんも女好きだったり、見栄っぱりなだけだったのかもしれないけれど・・・)

 こうして速報部分裂の危機は回避された。人はひとりではない。自分を理解し、支えてくれる人がいることに自分が気付くことができれば、少々のことではへこたれたりしないものなんだなぁ・・・。よい経験をしたと思っている。

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