152回原宿句会
平成14年2月4日
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かたはらに連れある坂の梅見かな
寝嵩のみのこる末黒野芒かな
凋落のはじめの誤算清盛忌
大物に迭はり小魚氷に上る
鶏鳴いて李鴻章道春隣
利孟
柵一つ無くて梅見の臨時駅
出汁つけてやはきたこ焼清盛忌
末黒野の痩木そろそろ目覚めたる
足組みて取り出す煙草春の昼
シャンパンの細く引く泡魚は氷に
美穂子
直立の幾千の針滝凍つる
墨滲むやうに末黒の雨しづか
氷に上る魚に揃ひの背の光
擦り音で開く舞ひ扇清盛忌
山峡の午後には昏き梅見茶屋
末黒野や尻尾短き猫憩ふ
蒼き光放ちて魚の氷に上る
梅見へと手跡見慣れし誘ひ文
清盛忌金泥あせぬ絵巻物
立春やX軸は時の軸
千恵子
梅見上ぐ女の喉の無防備に
笹鳴きや螺鈿の剥げし硯箱
末黒野に早や白きもの立ちてをり
氷に上る魚は桃色吐息して
舳先打つ波ざはざはと清盛忌
希覯子
末黒野や土手に遺れる舫ひ石
退院や魚氷に上る頃を得て
理学部の植物園の梅見かな
梅林に入るに齢を聞かれけり
清盛忌音戸ノ瀬戸の夕茜
瀬戸内の潮静まらず清盛忌
末黒野や山肌削る遠発破
春立つや海へと向かふ水の帯
瀬を早め魚氷に上る渡しかな
観梅や故事来歴を語る人
正
シャンパンの泡の溢れて春立ちぬ
由布岳の裾は末黒のすすきかな
魚の氷に上るや天下動き出す
枝の上の猫に餌をやる梅見人
瀬戸の海春の日矢射し清盛忌
筝円
清盛忌女紋に伝はる揚羽蝶
下野は末黒ひとしほ雨を吸ふ
幼木も趣足りて梅見かな
幻の魚も混じりて氷にのぼる
白き杖春立つ道を探り来る
魚は氷に上りて我は日溜まりに
まだ固き蕾のあまた梅見酒
凍蝶の翔つこともなく破れ垣
海鳴りや風吹きすさぶ清盛忌
山遙か末黒のすすき濃かりけり
古川明
一筆を入れしあたりの末黒かな
闇明けて魚氷にのぼる川面かな
香を嗅ぎて後に目を寄す梅見かな
剪定や立ち居きりりと街並木
翠月
頬に袖あてて歩みの梅見かな
逞しき魚氷に上り得意顔
寒夕焼五時の鐘聞く鬼がわら
軽やかな舞ひに悦入る清盛忌
明るさのスタート末黒の芒かな