第183回原宿句会
平成16年9月3日
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利孟 南京錠一つの納屋の今年米 歯磨きの吐き出す甘さ夏の果て 胸高に巻きたる晒村相撲 不知火の海へと追はれ邪宗の徒 灯明の炎の紙垂揺らし朝涼し 千恵子 不知火や秘め事も無く更年期 新米を崩れ地蔵へひとつかみ 湖心より広がる波紋法師蝉 草相撲犬の応援もらひけり 濃竜胆蔵王お釜は山日和 武甲 不知火や灯火の漏れる操舵室 箸先の粒の輝き今年米 通訳と掛け合ひ相撲甚句かな 新しき轍の増えて秋彼岸 百日紅背に立つ母の喜寿祝ふ |
美子 不知火を待ちゐて問はず語りなど 新米の郷の訛の湯気を吐く 呆けてなほ角力自慢に佐渡自慢 白星を重ね相撲の娶りけり 希覯子 如意嶽の文字に癖あり大文字 神楽殿開け放たれて村角力 不知火は見ず敵潜に追はれしこと 「新米」と紅のスタンプ楷書文字 白美 傲岸に髷振り戻し勝力士 海潮のゆつくり引きて夏の果 不知火やコンクリ侘びし海の堰 繋がれて動かぬ舟や秋の湖 新米や一汁一菜だけでよし |
美穂子 不知火の闇より生れし波頭 倒されし兄の泣き出す草相撲 新米の照りとなりたり野の光 追ふ下駄の音の細かき盆の月 正 いんちん 影青の淡き青さや涼新た 夏の果て塵の散らばる遊園地 火の国の沖や不知火燃ゆる海 新米の香りゆたかに炊き上る 少年の一物ちらと草相撲 和博 凄まじや息絞りきる負相撲 秋めくや地球に三十八度線 不知火や海技免状未更新 水吸はずとも華やいで今年米 農芸高前バス停の案山子かな 座るまで発車せぬバス蚊の名残 |