玄髪・武甲栄進祝賀句会 兼題 水中花 焼酎 遊船 席題 暑中見舞 |
東 人 任国のことなど暑中見舞かな 水足してより満開の水中花 川砂で冷やす焼酎川漁師 遊船の闇を醒ましてさかのぼる 白 美 殊更に野卑に語りて芋焼酎 暑中見舞読みつつ熱きカレーかな 景品のコップに揺れる水中花 模擬店の匂ひ流れて舟遊び 利 孟 三段に詰めし地卵暑気見舞 焼酎を汲む黒土瓶の佳か座り 遊船や踊りの舟に蹤き下る 手返せば火盛る鍋や水中花 美 子 一湾を我が物にして船遊び 帯しめる鏡の奥に水中花 水中花電話も鳴らぬ日なりけり 焼酎のグラスに絡む赤き爪 |
梅 艸 湯で割って麦焼酎の潮目かな 美しき凸レンズあり水中花 腕まくりして焼酎の栓を抜く 指切断して喫水線の舟遊び 健 次 うねりごと入る洞窟船遊び 汐の香も薄れがちなる藷焼酎 子を集め放り込みたる水中花 せんみつの暑中見舞に安心し 希 覯 子 菅笠に藷焼酎のお品書き 旅の友暑中見舞にホテル箋 句敵の艫に舳先に舟遊山 水中花夫より一足早勤め 千 恵 子 焼酎や革命信ぜし友のこと エアメールで届く暑中見舞いかな 水中花二人に言葉いらぬらし 靴揃へ遊覧船の客となり |
千 里 水泡に光集めし水中花 揺れるごと光を返す水中花 ひんやりと切子グラスにそば焼酎 舟遊び方寸の空光満つ 重 孝 捨て難し妻の残せし水中花 遊船の流れるまゝに言葉減り 暑中見舞い認めながらはや一年 涙して飲む焼酎に水要らず 京 子 子猫にはマジシャンとなる水中花 ビー玉で根を締めゐたる水中花 生み月を書き足し暑中見舞かな 球磨焼酎黙然として飲み飽かず |