第56回原宿句会
平成6年7月4日 原宿オンデン

   
   宗匠栄転祝賀会

 

  東人
東奔ののちの西走梅雨の明け
  千里
義経も駆け抜けし路鵯のこえ
  利孟
梅雨明けや海渡る橋高々と
  浄
梅雨晴れや難き防人ポルノ欲し
  玄髪・武甲・萩宏
氷水広野の朝の残る酒
  白美
枝豆や大小のあるさやの中
  京子
晴れやかに出で発つひとにビールつぐ
  千恵子
冷え過ぎのビールで別れの宴かな
  千尋
かうなるとますます書けぬ色紙かな
  希覯子
栄転の人を肴に暑気払ひ
  健次
経営の神戸の街へゆく文月
  美子・高広
汗臭き雁首並べ師を送る
  法弘
明易き得し任国に須磨、明石
  香里
夏は俳句よりダイビング
  重孝
こんな私もいたことを
  明義
格下の特別会員を甘受しますがこんな雰囲気好きです
     表紙挿画 外人


 第五十六回は、戸恒宗匠の神戸税関長へのご栄転を祝っての送別会で句会というほどではないのですが、送別句を皆さんから頂きましたところ特に千里さんの句が神戸の裏山にある「鵯越」を巧みに詠み込んだ挨拶句であり是非とも記録として残すべく、正規句会としてカウントする事といたしました
 なお、美子さんの配偶者である高広さんは特別にご出席を頂きましたが大津吟行、吉野吟行、お水取り吟行などで絶大なご支援を頂いた方であることは会員の皆様ご承知の通りであります
 外人さんは久しぶりのご参加ですが、表紙に掲載の宗匠の似顔を句代わりに頂いております