第216回四天句会
平成19年6月14日
点盛り表は、リンクをどこかに埋め込んであります
ご興味のおありの方はお探しください
兼題 小満 芒種 蝸牛 青葡萄」
利孟 防弾衣シャツに重ねて芒種かな 初夏の大佛背なの窓開けて 立ちすくむばかりの防御蝸牛 小満の肩組み唄ふ祝勝歌 囀りや出入り勝手に無人駅 白美 海酸漿吹けばかすかに父の声 青葡萄盛りて砂漠のなかの村 島々のまぎれず見えて芒種かな 蝸牛の出でて新居になじみけり 小満や肚にをさめる不平なく 美子 藍香る地下足袋土間に芒種かな 蔓立てて風と引き合ふ青葡萄 紫陽花の群れて分譲墓地の旗 小満の木々の繁りの定まれり 蝸牛土を耕すやうに湧く |
正 でで虫や褄取りて行く嫁御寮 小満や飲み頃近き赤ワイン ひげ文字のシャツの縫取り芒種かな 太き脚太き腕や鉾回る ソムリエの乙女銜める青葡萄 耕平 紫陽花の大きな毬の塞ぐ径 小満や優しく軋む舫ひ船 若き蔓空へ空へと青葡萄 緑濃き小路のぬかるむ芒種かな 角立ててメール受信や蝸牛 武甲 父の日や絵文字で送る「ありがとう」 引力を引きずりすすむ蝸牛 芒種かな寒気暖気のせめぎ合ふ 小満の神宮わかす快男子 青葡萄囲ふネットに透ける房 |
比呂四 鳥食むと競ひ芒種の枇杷をもぐ 絞り込みきれぬ内定青葡萄 小満や都心のビルに地下菜園 蝸牛殻の欠けたるまま歩む 不意打ちの雷鳴に身を丸くせり 恵一 フリスビーへ犬の飛びつき立夏かな 伸ばす手の透きほりをり青ぶだう 柚の花湯舟に仰ぐ北斗星 かたつむり東京けふも雨模様 小満の髪止めひかる街路かな 直人 北岳の千年の水青葡萄 田水張る芒種の侯や親見舞ふ 小満や故郷の天地青葉かな 蝸牛十三回忌も無事済みぬ 還暦の身は薬籠の梅雨さなか |