第２２８回四天句会
平成２０年６月１８日

　 　

兼題　百合　甘酒　金亀子 席題　泥鰌鍋　　　　　．

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利孟 結納の盆に爪たて金亀子 百合の香や身の丈ほどの歩荷の荷 百円と晒に墨書甘酒屋 梅雨晴れ間いつもので出るせいろ蕎麦 ひとつ香のあふる大部屋泥鰌鍋 　 美子 百合の莟形状記憶のごと緩む 声高に客の口上金亀子 甘酒や問はず語りに初遍路 兄見舞ふ車窓の麦の黒穂かな 酒好きの髭撫で突つくどぜう鍋 　 義春 金亀子祖父母の部屋の豆電球 ハイカーの道を塞ぎて百合の花 甘酒や仲見世人のあふれゐて 子供らの揃ひの法被夏祭 蓋を取るときに声なく泥鰌鍋

比呂四 硬き殻閉ぢて一徹金亀子 しつとりと濡れし唇百合の花 左向け左整列泥鰌鍋 着座して安堵の吐息冷房車 掛け暖簾絵文字で記す甘酒屋 　 正 麓まで下り甘酒に生き返る 光背をそびらにほとけ夕薄暑 夭折の佳人の墓や百合の花 老いてなほ父は好めり泥鰌鍋 金亀子とぶ金亀山極楽寺 　 恵一 申請の書類の思案夜の百合 甘酒や我にもありぬ消化管 テーブルの硝子にあがく金亀子 捕虫網山の斜面を右左