第250回四天句会
平成22年6月16日

   
兼題 梅雨の月 虫干 鮎
席題 若葉      

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ご興味のおありの方はお探しください



  利孟
花嫁の父の役終え梅雨の月
虫干しや針付くままの仕立物
紅殻の塀に茶屋の名樟若葉
八つ橋の香と人波の坂暑し
初鮎を頭より二口三口かな

  義春
濡れそぼつジャングルジムや梅雨の月
鮎釣るや村にひろがる瀬瀬の音
虫干や祖父母の部屋の古障子
白雲の動きかすかに田植唄
瀬の音のあふれ信濃の里若葉

  武甲
梅雨の月鉄扉動かぬ町工場
若葉雨上がりて山の青さ増す
短夜や初戦勝利の報に沸く
釣り人の夜駆け朝駆け鮎解禁
梅雨晴れ間ベランダに咲く傘の花

  美子
海に身を投げたるやうに梅雨の月
濃き淡き若葉の色を数へけり
串抜いて鮎長皿へ解き放つ
カフェの卓下をせはしく親雀
虫干や成人の日の我を干す

  恵一
小さき歯を剥きて焼かれぬ串の鮎
ダービーの勝ち馬目を血走らせ
ペタンクの玉の弾けて若葉風
虫干しや江戸仕付ついたまま
梅雨の月傘を提げたる影ほのか