平成２２年１０月２０日
第２５４回四天句会
平成２２年１０月２０日
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兼題 台風 鱸 生姜 席題 十三夜 |
利孟 十三夜馬がしきりに壁を蹴る 天翔けて針逃るべく大鱸 台風来波濤萬里を湧かせつつ 切り落とすほどを問はれて生姜の葉 秋の雨余白きはだつ時刻表 恵一 釣り上げし鱸一閃して重し 仕立屋に影のトルソー十三夜 声そろへ祢宜忌鎌をもて稲を刈る 厨より声を掛けられ擦る生姜 台風来雨戸を釘で打ちつけて 美子 フリルのルアー噛むや鱸の面構へ マリーンのヘリの爆音十三夜 台風一過垣より溢れ湧く雀 国力や味噌付け齧る新生姜 焼締めの黒の色艶寒蜆 |
阿やの 塩釜を割ればぎよろりと鱸の眼 木の実売る声蒼天に響かせて 沖縄のベトンの墓や台風圏 生姜の葉絵皿に散りて夕餉あと 操車場の音絶え間なく十三夜 武甲 台風の過ぎて城下の空広し 新生姜噛み口角に飛ばす泡 小魚を追ひ水門に入る鱸 足早に過ぎる靴音十三夜 筋肉を過信の悲鳴体育の日 比呂四 「十三夜ナウ」と着信ツイツター 皮こそぎとりて生姜の香の立てり 立ち飲みの店よりあふれ出て夜長 鰓に手をかけて自慢の大鱸 台風の進路予測の六十度 |
義春 台風の来るや戸を打つ槌の音 鱸釣り闇にただよふ電気浮子 山里の田にあふれたる稲穂かな 十三夜ホテルビーチの波の音 ひと囓り鼻に抜けよる生姜かな |
